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■クライスザール
31 Mar 2000 09:12:52
先日の高校クラス会でよく話題に出ていたのが、やっぱり子供の話。
そういえば、小生にとってもこれはずいぶん鮮烈な記憶があります。表題のこの言葉は「Kreiss saal」ドイツ語の分娩室という意味。ドイツ駐在でもっとも貴重な経験となったのは、妊娠から出産に至るいろいろな出来事でした。
ラマーズ法のため出産前の体操から参加を父親の余儀なくされて、当時はエライ恥ずかしい思いもいたしましたが、今となってはドイツの社会の一面をみれたことで貴重な経験でした。
マタニティ期間のアドバイスも「好きなものを食べて気楽にして下さい」と、やたらに「あれ駄目これ駄目」のハウツーにこだわる日本の医者とは大違い。母親が如何に楽しく過ごせるかが胎児の成長に一番大事だということを、それこそ徹底してました。おそらく社会に哲学がないと医療のメンタルヘルスも上っ滑りになってしまうような気がします。
出産は産科医より産婆さん「Hebammen」が仕切っており、さすがマイスター制度のドイツという感じでしたね。もちろん小生も中に入って１４時間余り。ボケッとしている間もなく、ヘバメさんから次から次へと指示が出る。
足を持ったり頭を支えたりで、それはそれで大変でしたが、出産の瞬間はさすがに感動しましたね。ドイツでは自然なふれあいを大事にしているようで、子供をすぐに取り上げて洗浄せず、血だらけのまま母親の胸に抱かせます。そしてヘバメから「ようこそ、この世界へ！」というメッセージ。感激の一瞬でした。
たしかに戸籍上は自分の子供ではありますが、ほんとうは天からの預かりものであるということは、そのときから感じていることです。


■関ヶ原に学ぶ
30 Mar 2000 06:30:34
小生が継続的に見ている唯一のテレビ番組、ＮＨＫの大河ドラマで、ピークの関ヶ原の合戦が終わりました。
歴史学者に人物が多いのは、歴史を通じて現在の生き方を勉強することが、あまりにも多いためだと思っておりますが、４００年前に起きたこのことからも今の生き方に本当につながる物が多く出てきます。
一つの教訓は必ず旧体制側が負けるということです。天下分け目の合戦の際は、織田→豊臣→徳川→幕末という図式で共通しているのは、守旧派は破れるという図式。
日本人のメンタリティでは、亡き殿に仕えていくという感性は一般的には喝采ものですが、どうにも分が悪い。
従って、このパターンを踏襲する限り、形勢が五分五分であれば「新しきに付け」が利口といえます。思うに時間のうねりの中では、一つの流れが出来つつあるときには、それをもとの状態に戻すことは極めて困難さを伴うという事なのでしょう。
今も２１世紀を迎えて、産業界のパラダイム転換がなされようとしております。ＩＴ技術による情報産業がメインストリームになりつつあることは明確で、ここでいくらかっての重厚長大産業＋金融護送船団方式を懐かしみ指向しても、おそらく吹っ飛んでしまうような時の流れには逆らえません。
たとえ変節者とか裏切り者と罵られても、過去の姿にさっさと決別できるかが、新しい時代に生き残るポイントになるのでしょう。良い意味での「日和見主義」の勧めです。


■フェラーリ好発進
29 Mar 2000 06:31:16
Ｆ１がようやく始まりましたが、今年は開幕からフェラーリの二連勝でとっても機嫌がいい。なぜフェラーリかと言われても困りますが、エンジンとボディをともに一体運営している唯一のチームであるとか、Ｍシューマッハーが好きだとか、いろいろな理由がありますが、要はイタリアのもつ「過激さ」と「いい加減さ」にとっても魅力を感じてしまうのです。
ドイツに駐在しても、メルセデスやＢＭＷには目もくれず、アルファやランチアなどのイタ車を物色したことで変人扱いされましたが、イタリアの工業製品や衣料品にはツールとしてのモノを超えた「人間性のようなもの」があるので大好きです。
人は弱いもので間違えもするし、逃げてしまうずるさもある。でも時として神のようにもなってしまうし、鋼鉄のような強さをもつこともある。
そんなことを「清濁すべてオッケー！」と受け入れるような空気が、イタリアに感じてしまう。フェラーリはそんなイタリアの一つの象徴的な存在なのです。


■藤沢のダイオキシン
28 Mar 2000 08:07:14
小生も時々河口部で釣りをしている、藤沢市を流れる引地川で、基準値を８１００倍も超えるダイオキシンが検出されたニュースは、全国紙でも一面で取り上げあられました。
どうやら流域の企業のゴミ消却施設の排ガス洗浄水が配管ミスで、雨水とともに河川に流れ込んでしまったようです。しかも問題は同施設の施工時から何と８年間も垂れ流しされていたにも拘わらず、まったくチェックできなかったという点です。しかもここは廃水処理のトップメーカーです。
工場内の配管管理そのものは、相当大変なことは想像がつきますが、そのミスをカバーできなかったことに、やはり奢りとか気の緩みがあったのでしょう。
この会社は環境審査ＩＳＯ１４０００をも取得しており、技術的なハードスペックやシステムだけでは、ヒューマンファクターは防げるものではないということを改めて認識しました。
問題は引地川から排出されたダイオキシンが周辺の海域や魚介類を汚染していることは疑いようもないことで、江ノ島周辺も影響下になります。これでますます「食える魚」が遠ざかっていったことは間違いありません。やはり首都圏の釣りはキャッチ＆リリースが無難という話でしょうかね。


■２５年ぶりのクラス会
27 Mar 2000 12:51:07
今日は先週からカミさんが具合が悪いので会社も休み。慣れない主夫業などをやっております。(T_T)
ところで週末の土曜日は船橋にいきました。なんと卒業以来２５年ぶりの高校クラス会だったのです。恩師も出席していただけるということで久々にウキウキしていきました。
不思議なもので、その昔、時間と場所を共有していた仲間が、卒業しバラバラに離れて長い年月がたち、そしてまたある瞬間に時と場所を共有するということは、とっても非日常的なことなのだけれど、会ってしばらくしないうちに、当時のように「オレ、おまえ」となるような間柄は、やっぱりとても価値あることだったんだなあと思えてきます。

高校はたしか女子校がルーツだったので、その伝統は消えず、やっぱり女性群のほうが、いまなお頑張っている人が多かった印象でしたね。
それとつくずく思ったのは共学校でよかったなあという事、今回のアレンジも初めは一部の女性たちからでしたし、会もいい歳のオジサンだけよりずっと華やかでした♪

小生もあらためて自分の座標を確認してしまいました。どうも最近、先を見たような気になって、ちょっと小さく纏まりつつある自分に気がついて、かっての仲間たちの姿をみて、まだまだ頑張らなければと感じてしまった一時でした。


■食生活
25 Mar 2000 07:34:12
花粉症はさらに悪化してしまい、今は鼻だけでなく目にもきちゃってベッコリ。今日は２５年ぶりの高校の同窓会ということで千葉に行く予定ですが、懐かしい友人と会うのは嬉しいけれど、あちらはもっと花粉がひどいので、ややビビっております。
さて今日は「旬」の話です。食生活が豊かになって、日本の子供の体格は欧米に互すようになった、とかいう記事は、しばらく前のマスコミで紹介されてましたが、最近はあまりそういう話は聞きません。
どちらかというと、アトピー問題や抵抗力のない子供が増えているといった論調になってきてます。杉の花粉は太古の昔からあったわけで、これは受け入れる側の体質がもろくなったということしか原因は考えられません。
体質を作る要素はいろいろあるでしょうが、なかでも食生活はそうとうの関係があるような気がしてます。ところが、どうも最近おもうに食事に季節感がなくなってきたような感じが致します。加工食品が氾濫し、野菜や果物も一年中同じものが店頭に並んでいます。
魚も本来は「旬」があるはずなのに、サケやマグロは年がら年中売っております。それはそれで便利な面もあるのでしょうが、こんなメリハリのなさが本来の食のもつエネルギーを失わせているのかも知れません。


■ウィーンのサーモン
24 Mar 2000 19:35:52
その昔、ヨーロッパ中いろいろと旅行をしましたが、その地その地での楽しみはやっぱり「食」でしたね。
ところがヨーロッパといえども国によって嗜好というか、味覚にかなりのバラツキがあって、同じ食材でもセンスのいい国とそうでない国に、結構見事に分かれてしまいます。
だいたい誰でも分かるように、カトリックでラテン民族の国々は、総じて食べ物が美味い。フランス、イタリア、スペインなどがそうです。
ゲルマン民族の料理はおおざっぱで美味しくない、という人が多いですが、小生の感じでは、都市によって結構バラツキがあって、美味いところは美味い。おそらく、文化的背景がその都市の料理のレベルを決めるのかも知れません。
その一つがオーストリアのウィーンです。ここは中欧における東西文明の交差点的な役割があって、いろいろな文化が溶け合っており、食べ物ではそれが良い方向に向いているようです。
公園の一角にあったちょっとしたレストランで頼んだのがサーモン料理、海から遠く離れた地で、サーモンなどを頼むのは変だと連れに笑われましたが、意外や意外、丁寧な仕上げと、巧妙な香辛料で味付けされたその料理は絶品でした。
スコットランドの海の見える高級ホテルで食べたものや、港町ブレーメンやハンブルグの高級魚料理よりずっと素晴らしかったですね。
皆さまも、もしウィーンにいくような機会があれば、是非サーモンをトライしてください。


■地球環境保全は誰のため？
23 Mar 2000 06:30:18
グリーンエコノミーとか循環型経済社会とか、最近はいろいろと環境保全に対しての社会的意識が、この日本でもようやく注目され始めてきましたが、どうも欧米モノマネ社会的な風潮から尻を押されて、訳も分からないまま動いているケースが多いような気がしております。
自分の会社のため？自分の村のため？自分の国のため？まあいろいろな動機があるでしょうが、どれも二次元的な発想から抜けておりません。本質はおそらく一つしかないと思っております。
それは「将来の地球のため」という言葉に集約されるのではないでしょうか？私たち一人一人は現在という時間のなかで、平面的には地球上の自然をほかの動物や植物たちと一緒に共有しておりますが、別の見方をすれば何万年もの過去から、そして悠久の未来に至る時間直線のなかで、ある瞬間を共有しているわけです。
次の世代、そしてその次の世代は否応なく、リレーのバトンの如く、私たちの残したものを受け継いでいかざるを得ません。彼ら(ヒトと生き物そして地球)は、私たちが汚したものも受け継がざるを得ないし、あるいは一生懸命守ったものも継承していくわけです。バトンは自然であり、資源であり、そして環境とも言えるでしょう。
このバトンが汚れきってしまえば、そこでリレーはおしまいです。いつまでも永続できる世界であるように、この自然という資源を、未来のヒトと今のヒトが、いかにうまく分け合っていくかという知恵が、環境保全という言葉の基礎をなすものなのだと小生は思っております。


■水は希少資源
22 Mar 2000 06:35:53
最近の新聞広告で「牛乳が水より安い」ことに対しての批判文が、酪農団体から出されておりました。確かに牛乳の価格は下がってきましたが、欧米と比べて理不尽な価格設定になっているとは思えません。
それより気になったのは「水は安いものだ」という既成概念が、この広告の背景にあるということです。本当に水は安く手に入る入るものなのでしょうか？
知っている人は多くはないですが、3/22は国連で決めた「水の日」です。水の第三惑星地球は確かに水は豊富ですが、その９７．５％は塩水です。
残りの淡水のほとんどは南極などの氷のため、利用できるのはたった０．３％しかないわけです。
今年のはじめガイアで特集しましたように、環境問題でもっとも申告なのは 「地球温暖化」ですが、その次は何をおいても「水不足」問題になるでしょう。日本に住んでいると鈍感になりますが、今や「水は希少資源」とすら言えるかも知れません。


■デュークの経済講座V
21 Mar 2000 07:41:29
この三連休は花粉との戦いでしたが、何とか乗り切りました。
それからメルマガの三月号もいよいよ配信します。乞うご期待。
さて今日は経済講座の最終回です。東証の時価総額が４３０兆円。一年前の２７０兆円に比べるとずいぶん高くなったものですが、地球規模でみるとＮＹの４０００兆円に比べるとかわいいものです。

ところが将来にわたってこのポジショニングが続くかは甚だ疑問です。今のところは米国経済は絶好調ですが、大きく二極分化してしまい、デジタルディバイドという言葉さえ出来てしまいました。既に６００万人もホームレスが居る米国に、これからも更にもっと金をつぎ込もうとする投資家は減って来るでしょう。
片や日本のホームレスは増えたとはいえ２万人。しかも少子化により、今後は労働人口は確実に減っていきます。

今の失業問題は過渡的なもので、産業界のリストラ大合唱は、目先の対応しか見えない、プアな日本の経営者たちのミスリードの結果だと確信してます。
新時代の成長産業であるＩＴを使ったサービス・ソフト市場は、その仕組が固まってきてからは、木目細やかさで勝る日本の独擅場になるでしょうが、これからしばらくの間は米国や欧州主導で、どんどん外資が入ってきます。
広大なスペースを食っている国内での工場用地は、早晩アジアに流れていきます。少子化が見えているにもかかわらず、まだ地価は高すぎます。地価はさらに下がります。これも外資にとっては進出のインセンティブです。
産業界の規制緩和については、いろいろ言う人もおりますが、ドメスティックな既得権益を保護していては、次の成長の柱を築けません。
当面は「ガイアツ：外資」を利用しても、国内産業のソフト化の地ならしを、早急にする必要があると痛感しております。なぜそれを急ぐのか？
産業がソフト化し成り立つためには、今までの土建屋的志向やハードスペック志向ではなく、ソフトコンシャス、すなわち心とか感情、意識の重要性を認めなければ駄目です。そしてこのことがグリーン経済、高効率省エネ経済への道標になるわけです。

失われつつありますが、貴重な緑と水に囲まれた日本。人口はどんどん減っているけれど、周りを気遣うメンタリティは世界でも冠たる日本人。こんな我々が進むに、これほどふさわしい道は他にないことが分かるでしょうか？
こんなことからも２１世紀は日本の時代になると申し上げたいのですが、如何でしょうか。


■デュークの経済講座U
20 Mar 2000 07:24:36
前章であげた、「貿易力」と「金利」の二点の要素からは、中期的には日本の将来はあまり悲観するものでもないと思っております。
ただ三つ目の要素である「安定性」が、ちょっと厄介です。米国のドルの強さの背景には、世界最大の軍事力が控えていることは周知のことです。これを安定といっているわけです。日本はどうか？確かに米国に比べると殺人やホームレスは圧倒的に少ない。でも対外的にはほとんど無防備。
上から下まで平和ボケしています。皆、北朝鮮のテポドンを心配してますが、本当の怖さはその後ろ、中国です。先日行われました台湾の総統選挙でも牙をむきだしておりますが、いま凄いペースで軍備をどんどん増強しております。そして経済力も、スケールの違う領土と人口を背景に急成長。アジアの覇権を狙える位置を狙っております。ずっと将来、強大な力を手にしたこの国が、万が一日本に対して牙をむいても、そう簡単に欧米は手が出ません。そんな国の通貨が信頼あるでしょうか？
また日本特有の問題に地震があります。いつどこで大地震がおきるかは、ほとんど予測不可能です。これもリスクです。しかも敦賀、福島、浜岡など臨海部に立地している原発管理の不安は、昨年以来ますます強くなっています。
そしてもっとも恐いのは少子化です。いうまでもなく国力は国土と国民によって成り立っております。国にとって人は極めて重要な財産です。人口が力とは言い切れませんが、少子化が国家の力を削ぐことは確実です。
以上のようなことから言える事は、日本の経済はソフト産業の時間差成長とインフレ誘導によってゆっくり上昇。いっぽう為替については、短期的には米国による恣意的な円高調整もありますが、安定性に欠ける国家インフラのため、日本は確実に円安に向かうといえるでしょう。下手をすると１ドル１５０円を突破するかも知れません。


■デュークの経済講座T
19 Mar 2000 15:56:32
墓参りで千葉にきておりますが、ここは川崎以上の花粉密度？でほとんど死んでいる状態であります。さて、いつも阿呆な話ばかりしているため、今日から三回ほど、いまの日本経済の話をしたいと思っております。関心がない方には申し訳ありませんが、たまにはこのような硬派の話も良いでしょう。
米国の経済は絶好調で、日本はやや薄日は差してはきたものの、ちょっと円高に振れればアウトとなりますが、Ｇ７の後押しで何とか凌いでいるという、情けない状況です。
今は長引く不況から抜け出ておらず、就職でも超氷河期状態となっておりますが、本当に日本の経済はこのままドボンしてしまうのでしょうか？
小生はそうは思っておりません、それにはいくつかの条件が付きますが、おそやく２１世紀は、否応なく日本の時代になるのではと強く感じております。
ところで為替の決定にはいろいろな要因がありますが、対米ドルの視点から見た場合、ポイントは国家のファンダメンタルを比較することが最もシンプルで、中期レンジでは見誤りが少ないと思います。
難しくいっても仕方がないので、ポイントは三点だけ。その国の持つ「貿易力」と「金利」、そして「安定性」の三つをどうみるかということです。
一つ目の「貿易力」とは単なる輸出と輸入の差（貿易収支）に加えて、サービス・ソフトなども含めたものですが、特に後者については今の米国では圧倒的な強さを持っております。知恵と戦略が生きるこのサービス・ソフト分野で、日本が今一つなのは経済の仕組が変わってきたことに、遅々として追随してないためでしょう。
ところが一旦、経済システムが落ち着くと、日本人の特質として木目細かいサービスやソフト事業の革新がどんどんと出てくると思われます。これは国内だけでなく、メンタリティの近いアジアマーケットで相当の競争力を生むことになるでしょう。
二つ目の要因、「金利」は言うまでもなく、信じられない低金利政策を維持している日本には、外からの金が入ってくる魅力には甚だ欠けております。ただこれからは赤字国債の除却のため、景気を冷やさない範囲でじわじわと金利は上昇し、インフレになってくることは明白です。そうなると外資が日本に入ってくる要素は更に強くなってきてます。すでにこのことを先取りした形で、多くのブランドショップが都心の一等地に、大きな直営店を建て始めているのはご存知でしょう。もう次の波は先取りは始まっているのです。


■ヒューマンファクター
17 Mar 2000 06:30:48
グレアムグリーンの名著で「ヒューマンファクター」というのがありましたが、最近の地下鉄事故などを通して感じるのは、この言葉です。

確かにハイテクとか電脳社会になって、それぞれのハードやソフトが持っている瑕疵を見つけることが困難になりつつありますが、本当のところほとんどが、このヒューマンファクター（人的起因）で説明がついてしまうものばかりです。
その昔、米国で生活したとき、よく聞いた言い訳は「Human beings often make a mistake.：ヒトはしばしば過ちを犯す生き物である」という言葉。
米国社会はいろんな人々のごった煮なので、これが最後の言い訳として、ごく普遍的に使われます。要はヒトとはそういうものだ、という諦観があるので、彼らのフェイルプルーフは結構しっかりしている。
ところが、日本人は結構器用なものだから「失敗するのは修行が足りない、注意が足りない」というロジックになってしまう。ある部分でヒューマンエラーの存在を認めていないわけで、これを基盤に社会の仕組みを作ってしまう。そうなると社会が複雑になってくると、ヒトのちょっとしたエラーで大きな事故になってしまうわけです。
日比谷線の事故は大変なことで、事故に遭遇された方々には本当にお気の毒ですが、是非ともこのことを教訓として、ヒューマンファクターを重視する社会通念を作っていかないと、またどこかで同じような事故が起きてしまう可能性があります。


■クジラ肉の栄養価
16 Mar 2000 07:56:12
さて今日もクジラの話題です。クジラ肉を敬遠する人は多いようですが、調べてみましたところ、実は栄養学的にも極めて優れていることが分かりました。

@良質のたんぱく質を多量に含んでいる。
A必須アミノ酸の含有量とそのバランスが優れる。
B熱量が牛肉や豚肉などに対して、逆に低い。
Cミオグロビンを多量に含んでいて鉄分が豊富。
D血液凝固を抑制し発癌の予防効果があるＥＰＡが豊富。
E頭が良くなる脂肪酸のＤＨＡも豊富。
Fコレステロールの含有量が比較的少ない。

このように、きわめて現代人にあったクジラの肉質です。
また気になる資源量についても、繁殖力の強いミンククジラについては、南氷洋だけでも７６万頭にまで相当に復活しているわけで、年間２０００頭程度の捕獲はＩＷＣの科学調査でも問題ないとされております。勿論きちんとした資源管理は前提ですが、理にかなったミンククジラの捕鯨再開は是非とも望みたいものです。


■クジラ肉とアレルギーU
15 Mar 2000 06:23:31
朝晩は冷えますが、かなり春めいてまいりましたね。気のせいか通勤途中の電車から見える神田川のコイも結構泳ぐようになってます。
さて昨日の続編ですが、いまは飽食の時代、小生たちの身の回りには溢れるばかりの食べ物がありますが、これらの多くは飼料や農薬を通して汚染されております。これが食物アレルギーを引き起こします。ここに食物の多様性を保持することの重要性があります。鯨をはじめ、鹿肉など野生動物を食肉として利用することは、ともすると環境破壊の元凶のように非難されてきました。
でも現在は、環境をあるがままの状態で保全しながらも、そこからの余剰分を利用するという、生物という再生産が可能なシステムを生かした野生動物の持続的利用に対して評価が高まってきております。
かっては近隣のタンパク源が一番とされてきました。ところが大都市部では汚染されていないものを探すためには、多大な手間をかけねばなりません。そういった意味では、クジラは人の手がかかってない、クリーンなタンパク源ということがいえるようです。
食物アレルギー対策面で、実際に効果のあるクジラの肉をきちんと評価し、野生動物の食肉としての価値を見直すことが必要なのではないでしょうか？


■クジラ肉とアレルギーT
14 Mar 2000 06:30:25
最近は、ちょっと捕鯨の歴史に凝っていて、寝てもさめても捕鯨関係の本や資料を読み漁っておりますが、そのなかでも面白い記事がありました。
最近は花粉症のみならず、アトピー性皮膚炎やらで、アレルギー体質の問題が一種の社会問題化している傾向がありますが、実際問題としてそのようなアレルギー体質の子供をかかえている親にしてみれば、本当に心が休まることはないものです。
ところでクジラの肉があまりポピュラーでないが故に、かえってアレルゲンが生成されていないため、そのような重度の食物アレルギー体質の子供のタンパク源として大きな効果があるようです。
畜肉・魚肉・卵・豆類に対して食物アレルギーを示す子供が、その根拠が科学的に解明されていないにしろ、事実として鯨肉にアレルギーを示さない例がかなりあるそうです。
アレルギーを起こす食品は総じて栄養価がたかく、これの代替タンパク源を見つけることは意外と大変なことのようです。シカやカエルなどまで必死で探すということで苦労している母親は多いと聞きました。（続く）


■ダイオキシンと卵パック
13 Mar 2000 06:46:12
週末は茨城の奥まで法事に行きましたが、やっぱり花粉が川崎より多い感じで、ガビガビで退散してきました。当分は苦しい日々が続きそうです。
さて今日は環境の話題です。最近は一時のような『ダイオキシン騒動』はなりを潜めましたが、実態は相変わらずアブない状態でしょう。そういえば先頃おこなわれた、東京都の環境調査の結果では、家庭用の小型焼却炉で塩化ビニール製の卵パック一個を焼いただけで、東京ドームの空気が環境基準を二倍上回るダイオキシンで汚染されるということが分かったそうです。
要は、火力の弱い家庭用焼却炉などで妙なものを燃やすと、それだけ環境や人体に負荷がかかるという訳です。そういえば小生が子供だった頃、プラモデルを燃やして『黒い煙がでた〜』とか言ってワイワイ遊んでましたが、今思うとトンデモないことだったようです。


■渡り鳥と生態系
11 Mar 2000 17:23:43
渡り鳥の移動は、数百キロから数千キロというとんでもない距離におよび、それも数万〜数十万羽という集団で行うという、すっごいスケールです。
これだけの規模が、これまでの長い歴史の中で、ある周期で渡来しているということは、それぞれの地において渡り鳥というものが、既にそれぞれの生態系に、しっかり組み込まれているということなのでしょう。
各地の生態系の中で、渡り鳥が一定の役割を果たしていることで、それぞれの地の生態系が健全に維持されているわけですから、ぎゃくに何かの拍子に渡り鳥が渡来しなくなった場合、特定の生物が急増したり、水辺の植生が荒れてしまったり、あるいは水質にも影響が起きてしまう可能性がでてきます。
つまり一つの渡来地の環境破壊が起きたばあい、渡り鳥の数の減少などを招き、やがてそれは遠く離れた別の渡来地の生態系を破壊する可能性がある、ということが分かります。
日本における干潟の破壊が、たとえば繁殖地のロシアあるいは、越冬地である東南アジアの、湿地の生態系を破壊することも十分考えられるわけです。
このようなことから、小生も含めて、どうも動物愛護的な側面からしか渡り鳥の保全論争を見てしまいがちですが、実はそれだけではなく、遠く離れたいくつもの生態系の保全まで意味しているということが、本当はもっとも重要なことなのでしょう。


■強いドイツのおばさんと国民性
10 Mar 2000 00:16:58
ドイツの女性は身体も大きく、実際強そうですが、先日フランクフルトで起きた銀行強盗事件で、７７歳の女性がたった一人で銀行強盗を撃退したというニュースがでておりました。
銃と偽物の爆弾で武装した強盗が銀行に押し入ったところ、店内にいた客は一人だけ。ところがこの人、強盗の後ろに回り右のげんこつで首筋をパンチ。部屋の鍵で目を突くよと脅したところ、男はたまらずに逃走。この後逃走車両のナンバーまでメモし、警察に通報、男は逮捕されたとかいう話。
これを聞いて思ったのは、ドイツでは年寄りが何故か強い。道路で危ないことをしている他人の子供や、電車で席を荷物か何かで占領している青年に、文句をどんどん言っている。
日本だと「うるせえ、○ソババア！」などと言われるのがオチですが、ドイツでは年寄りのこういう毅然とした態度を受け入れる風土ができている。
日本同様、ドイツも戦後の復興で今のお年寄りは相当の苦労をされたと思います。そんな思いから年寄りが一目置かれるのか、宗教的なバックボーンなのかは良く分かりませんが、できれば日本もこのような国になって欲しかったですね。


■コオリウオ
9 Mar 2000 08:03:49
今日は少々学究的なお話。魚類も含め、普通の脊椎動物は、進化の過程でヘモグロビンを血中に持つようになってまいりました。ヘモグロビンがあることで、取り入れられた酸素と結合して、体内の各組織に効率よく運搬をします。
ところが南極で獲れる「コオリウオ」という、ちょっとヘンテコな魚がおります。体長は数センチから６０センチほどまで種によって様々ですが、実はこの魚にはヘモグロビンがまったくありません。ですからエラも赤くなく白っぽい。血液も透明なのです。
何故そのような進化をしたのか全く分かっておりませんが、南極の低水温がその理由にあげられます。ところが、南氷洋には赤い血を持った魚も一杯おりますので、絶対的ではないのです。
この魚には魚体に対して大き目の心臓がついていて、血液の量と循環スピードで、ヘモグロビンの役割をカバーしているようです。必然性の無い種は自然界には存在しないはずなので、なにかの因果関係があるはずです。
そのうちに何処かの国の科学者が解明してくれるでしょうが、残念ながらこの魚は、旧ソ連邦などの乱獲の結果もっか急速に減少している様子で、あまりもたもとしてはいられないようです。


■カップ麺容器
8 Mar 2000 05:48:13
ポリスチレン製カップ麺容器が環境ホルモンを溶出することは、すっかり有名になってしまいましたが、いまだにメーカーによって対応に差がでている様子です。なかなか使用禁止措置をとらない厚生省も問題ですが、東京都は実態調査を独自にやって、メーカーに働きかけていく方針だそうです。
これは容器成型工程に二種類(ビーズ発砲成型、押し出し法シート成型)あって、東京都が実際に熱湯で調理検査したところ、後者の押し出し法では最大２４倍も環境ホルモンの溶出が増えるということが分かりました。
石原知事は「一大消費地の東京の行政として、言うべきことは言う。人口が減って困っているときに、日本の男がカップめん食ってふぬけになっちゃ困るんだよ」とか申しているそうで、これはこれでけだし慧眼。


■河川への憧憬U
7 Mar 2000 08:02:47
かなり昔のことですが、不思議とよく覚えていることがあります。茨城県の大洗に遠い親戚がいて、三十年以上前に兄と遊びに行きました。その家の裏が大きな川、たぶん那珂川か涸沼川だったのかなあ。聞いたところでは風呂場の栓を開けたままにしておくとサワガニが入ってくるそうで、知らずに栓をして風呂をたいたらユデガニがいくつも浮かんでいたとか言う話を、そこの従兄弟がしてくれ、眼を丸くした思い出があります。
そこでは、すぐ裏の川で泳いだり釣りをしたりで、ずいぶん楽しんだものです。子供心に「こんなところにずっと住んでみたい」と思ったりもしました。たしか帰る際に「この家にずっといるんだ〜」とか泣いてむずったとかいう話です。
小さいうちから海にもずいぶん行きましたが、あまり印象には残っておりません。どうも小生にとっては「河川」というのは、そのころから何か特別の存在なのかも知れません。


■河川への憧憬T
6 Mar 2000 06:37:14
先日の日和見ノートで「悩ましいテーマ」と称して、「釣り」そのものの意味を説いたり致しましたが、これは当然のごとくなかなか簡単には解がでそうにありません。
これに関して、小生は、とくに「海釣り」「川釣り」と区別している訳ではないのですが、わりと好きなパターンはなぜか川釣り。湖沼にも行きますが、手賀沼なんかも半ばジモティで良く行きました。そんな場合も沼部ではなくて、水路を狙ってばかりしてましたね。
大海原に相対する釣りも、豪快でスカッとするものですが、その反面なんだか圧倒的なスケールにのまれて疲れてもしまいます。
要は人間がセコイのかもしれません。(^_^;
川には変化があります。それからフィールドが箱庭的で安心します。
遠いのでそうは行けませんが、渓流なんかは一日ボケッといても飽きないでしょう。でも中流域以降の河川も好きです。
近隣の河川は汚染もすすんでおり、周囲の雰囲気は良くないし、釣れた魚もとても食べられません。それなのに川に行くと言うことは、なにか小生のＤＮＡか何かにそんな情報が入っているのかもしれません。
まあどうでも良いことかも知れませんが、「自分にとって釣りって何だろう」ということを、最近はよく考えたりもしてます。


■デパートと神様
5 Mar 2000 07:02:09
最近は専門店やモールが人気を呼び、旧来型のデパートの地盤沈下は著しいですが、その昔、子供にとっては屋上のペットショップや簡単な遊園地が楽しみだったものです。
いまでも気がつかない人が多いですが、実はデパートの屋上にはもう一つ重要なエリアがあります。それは「社殿」です。だいたい大きなデパートには、屋上に社殿（おもにお稲荷様）がまつられております。
老舗デパートには呉服屋から発展してきたものが多く、元祖にあたる江戸時代の呉服屋では社殿を作って、商売の神様を奉るというのが常識だったようです。
それで今でもデパートの屋上には社殿が奉られているというわけです。各デパートとも社殿を大切にしてお神酒をそえたり、祝礼日には神主さんを呼んでご祈祷などもしているそうです。
単なる神頼みというよりも、この社殿に託されたものは、もっと基本的なことのような気が致します。商売の失敗はだいたいが謙虚さや初心を忘れたときにやってくるようです。そういうこころを忘れぬように社殿があるのでしょう。


■芦ノ湖
4 Mar 2000 15:07:02
三月といえば「芦ノ湖解禁」を連想する人もいるでしょう、この湖には学生時代から幾度も行っておりますが、「所詮は釣り堀さ」という方もいるでしょうが、東京からの至近距離でこれほどの釣り場はなかなかないと思います。
小生はここではムーチングでブラウンを狙って、結構いい思いをしたことがあります。ここではセカセカとキャスティングするよりも、湖面にボートを浮かべてのんびりと釣りをするのが好きでしたね。
いまでは家族小旅行でふらりと行って、ワカサギを食べてくるパターンばかりですが、今年は一回釣りにでもいこうかと思案しております。


■自治体の環境会計
3 Mar 2000 07:31:25
さて今日はちょっとは真面目な話です。
先般、ＩＳＯ１４００１を取得するなど、もともと環境コンシャスな自治体の横須賀市が、全国に先駆けて「環境会計」を導入することを明らかにしました。
使った金がどう環境保全や改善に効果があったのかを計る手法である「環境会計」は、企業価値を高める指標の一つとして、産業界には次第に浸透を始めておりますが、自治体ではまだまだでした。
本来、自治体は「環境」への意識がもっとも必要とされているわけで、ここへの導入はなかなか的をついているような気がします。
しかも、幸か不幸か日本人は「お上」意識が強いので、自治体主導での動きには、その内容に大きな問題なければ、関心はうすくてもだいたいの市民は追随してくれるので、おそらく効果も出易いのでしょう。
企業の場合は、この部門が相当の権限を委ねられていないと、ライン側の反発で腰砕けになってしまうことが多々あります。建て前はともかく、大なり小なり本音では稼いでなんぼの社会ですので、ここが辛いところ。
そんなわけで、横須賀市のこの動きが全国に広がって行けば、市民の関心も次第にたかまっていくような気が致します。


■対馬のノラネコ
2 Mar 2000 06:47:12
最近のニュースで、宮崎県の幸島（こうじま）に生息する国指定天然記念物の野生猿が、魚やエサを取ろうとして、釣り客に釣りざおか何かで殴られたため、２匹の猿が前足や後足を骨折してしまったそうです。市教委は文化財保護法違反の疑いもあるとして近く現地調査、対応を県や文化庁と協議するとかいう話で、ここでも釣り人は悪役になっております。
釣りをするものに、ゆとりが無くなってきているのでしょうか？動物虐待は決してほめられませんが、釣り場で遭遇したくないやっかいな動物は、いろいろおります。ウェーデング中に流れてきたヘビや、幅の無い堤防での出会い頭のドブネズミなどです。
そんななかにノラネコがおります。学生時代に対馬に尺ギスを狙って幾度も釣行したわけですが、湾内の漁港周りのポイントには、このネコがやたら一杯。
漁で採った魚のお裾分けをもらっているのでしょうが、釣り人と漁師の見極めはつかないらしく。われわれの背後にも数匹がかならず待機。
キスを釣り上げるやいなや仕掛に飛びつき、さっと奪っていきますが、ハリスごと持っていってしまうのです。喉にハリが引っ掛かっては大変なので、キスの採りこみは極めてクリティカルでした。
一回大物を釣った際も、これは２９センチ近い大物だったのですが、奪おうとしたネコにタックルをかけて阻止しました。ところがネコの歯とツメで、自己新となった獲物も見るも無残な姿に。(T_T)
まあ奴もそれなりに一生懸命だったわけで仕方はありませんが、それ以来小生はネコとは一線を画しているというわけです、プンプン。


■平砂浦のしぶとガラス
1 Mar 2000 06:36:07
いよいよ三月です。日が長くなってくると共に、寒さも心なしか緩んできたようですね。今年は花粉がすごいらしいのでちょっとビビってますが、釣りも再開しようとプランを練っております。
さてカラスの話題を昨日出したので、関連してもう一話しましょう。学生時代によくテントをもって出かけたのが、南房総の平砂浦。
ここは当時からルアーのサーフトローリング（当時ではこう言っていたと記憶）で有名でしたが、朝がめっぽう早いため、テント持参が多かったようです。
ここにはやっぱり大きなカラスがいて、なめているのかあまり人を恐がらない。キス釣りの外道であるメゴチなどを捨てると、あっという間に持っていってしまう。そもそもそんなに餌が豊富な場所ではなさそうだが、人がいるとやっぱり残飯や生ゴミが出るということを憶えているのでしょう。

釣り部の誰かが「シブトガラス」とか命名してましたが、当時はしぶといカラスとかいう意味と信じてました。いま思うとこれはきっと「ハシブトガラス」のなまったものだったかもしれません。（本来はハシブトは山寄りに分布し、ハシボソは平野部に分布しているものですが、最近は住宅地がかっての山林にまで進出してしまったので、かなり分布はごちゃごちゃになっている感じ。両種の見分け方は、名の通りクチバシと頭の形、ハシブトはクチバシが太く、オデコが出ております。泣き声では「ガァー」がハシボソで「アー」がハシブトであります。…しょうもないウンチクでスミマセンでした）



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