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■イクジットストラテジー

30 Apr 2000 07:09:58 いろいろと日米の文化や経営史を比較していると、どうにも日本人というのは引け際が悪い。風向きが悪くなったら早々と転進してやめてしまうことが傷口を広げない最良の手段であるのに、どたんばの最後まであれこれ頑張って、竹ヤリ、切腹、カミカゼの結末。 これは最近でもまるで変わらず、山一証券や長銀の破綻をみても同じようなことが言えます。もっと早く手を打っていたらあんな事態にはならなかったはずです。いちど走り出したらなかなか止められないわけです。 米国の経営戦略論の基礎の基礎には「イクジットストラテジー：出口戦略」という言葉があります。米国ではベンチャーのような起業が盛んですが、その反面イクジットストラテジーがはっきりしております。ある利益率や年月の基準を設けておいて、それが未達だと絶対やめてしまうということは徹底しております。 これは個人レベルの生活でも同様で、ある基準や条件ですっぱり止めてしまう。これはその時には結構パワーが要るけれど、長い目で見たらやっぱりその方が正解。これは今までの失敗の歴史が語っております。 書店に行くといろいろな経営指南書が並べられてますが、そんなことよりこれからの日本人は、一番苦手な「いかに早く止めるか」を良く学ぶべきなのでしょう。

■船霊さま

29 Apr 2000 10:06:30 ＧＷに船で釣りに出かけたり、観光船やレジャーボートに乗る人も多いかも知れません。そこでちょっと船にまつわるカルトな話。 よく聞く「板子一枚下は地獄」の言葉通り、漁師にとっては海では神仏にすがって漁をするという気持ちが、どこでもあったようです。漁師のあいだでは、船にはしばしば「船霊さま」という霊がつくといって、いろいろな祀りものを飾ったりしております。 人形や月のものを見ない女童の髪の毛、サイコロや穴の空いた銭などが飾られます。このような文化は「船大工」を通じて伝承されてきたのです。 英国でも船は女性名詞で指しますが、日本でも「船霊さま」は女性で、これは女性の持つ霊性(巫女など)や能力(豊穣、実り)などと関連しているようです。また「船大工」にとっては「木の霊」を鎮めるという意味合いもあったと記されております。 脱線しますが、船材や建材は山から運んできた木で、これは「山の神」のもちものであるわけです。「山の神」は女性で、これもまた豊穣などと関連しているわけです。よく女人禁制の山とか女が山に入るとたたりが起きるとか言われておりますが、これは山の神が嫉妬して怒ったりすることと信じられてきたようです。 そういえば、女は船にのってはならないとかいう話がけっこうありましたが、これも「船霊さま」の嫉妬からくる怒りを避けるためのものだったのかも知れません。

■余暇はヒマ？

28 Apr 2000 09:28:08 いよいよゴールデンウィークに入りますね。小生は休暇も付けて何と十連休。ビシバシ釣りに行きたいところです。 ところで行動様式では、日本人とドイツ人はけっこう近いところもありますが、こと余暇の過ごし方についてはドイツとは圧倒的に違います。 ドイツの場合、毎年あたらしい手帳が出ると、カレンダーにまずイースターや夏休みなどの長期休暇の予定がまず入るとかいう話があります。これは極端な話でしょうが、ドイツ人の余暇の過ごし方はポジティブで実に多岐にわたっております。 高級ブランドを買いあさるのも良いし、高級レストランでの食事も結構。リゾートでのんびり何もしないで過ごすことも可能だし、郊外にドライブしてハイキングという選択肢もあります。町外れのにあるクラインガルテン(小さな家庭菜園：とはいっても小屋もあり、１００�uもあるのもある)でガーデニングしたり、友人や親戚を呼んでパーティを開いたりもする。 いっぱいの選択肢から何をやろうかと、せっせと考えている一方、会社では７〜８時からガンガン仕事をしている。 例外はもちろんありますが、一般的ドイツ人は仕事も余暇もエネルギッシュに前向きに対応している感じです。考えかたも論理的ですが意外にシンプルです。聞いた話では学生も似たパターンのようです。猛烈に勉強して、休みはガバーッとインドに行ってしまったりする。 ひるがえって日本では仕事も会議もダラダラ、休みになってもスッパリ切れず、仕事をしたり、学生は塾や部活に引きずられたり。 「余暇＝ヒマな時間＝ネガティブ」というセンスがどこかにあります。最近の若い人は少し変わってきているのかも知れませんが、見ると疲れているような感じの若者が多く、あまりポジティブでエネルギッシュな感じがしないと感じるのは小生だけでしょうか？ それぞれの国ごとに文化の違いがあることは否定するものではありませんが、いい点は見習って、休みも仕事も勉強も、シンプル且つポジティブに行きたいものです。

■春の天気

27 Apr 2000 07:33:30 先週あたりから小生の住む川崎にもツバメが目立つようになってまいりました。ヒトの成長は牛歩ですが、季節の移り変わりはとどまることはありません。 この時期はとかく天気も移ろいやすく、釣り人泣かせですが、生業とする漁師たちにとって、天気のインパクトはとても大きいものがあります。 そんな漁師の経験から、多くの伝承がうまれてきました。たとえば房総富浦の漁師の伝承で、春にまつわる言い伝えに次のようなものがあります。 ・春の南風は天気が良くなる ・立ち雲が見えたら時化が来る ・煙が西にたなびくと雨 ・煙が東に流れると晴れ ・宵に雷が鳴ると明日は凪(なぎ) まあこれで少しは役に立つでしょうか？

■お台場メディアージュ

26 Apr 2000 18:46:30 今日はちょっと違う話題からいきます。じつは先日、仕事でお台場のアクアシティにオープンしたソニーの「メディアージュ」にさっそく会社の同僚と行きました。 これからのアーバンエンターティメント事業での、集客性に富んだ仕掛けの一例としてマーケティング面から興味をもったのが、本来の理由です。（この同僚はオタクで、ベルリンのソニーセンターまで出かけたそうな） ところがプレステのソニーらしく「エアタイトガレージ」は圧巻で、年甲斐もなく、ゲロゲロになるまでハマってしまいました。 おかげでその後に乗った「イエローサブマリン」ではマジに船酔い状態。ということで船酔いする人にはエアタイトガレージはお勧めできません。ゲロッ。 ヘビィなボーリングゲームの「サイバーボール」も運動量抜群で熱くなりますが、ガータばっかりで決して欲求不満解消にはならないでしょう。 そんなわけで、体力のもたない小生ではとてもリピーターにはなりそうにありませんでした。

■初任給

25 Apr 2000 20:50:02 帰宅途中の電車の中で新入社員とおぼしき数名の話が、聞くともなく聞こえてきました。 要は初めての給料をどう使おうかとかいう話だったようでしたが、小生も遠い昔のことをふと思い出して、何となく目頭が熱くなってしまいました。 当時は横浜の独身寮住まいでしたので、最初の給料がでたとき親に酒やネックレスやらを買って週末にもって行きました。「安月給のくせに〜」とか言ってはおりましたが、結構うれしそうな感じでしたね。たしか残りの給料も後輩達と連休を使って釣り行脚してパアになってしまったと記憶しております。まあ初任給ですから一生に一回のことですので、そんな使い方でよかったと思っております。 サラリーマンを２０年もしていると、三人もの子供達を取り敢えず社会人にまでさせた当時の親父の苦労が何となく感じて、あらためて有り難みを感じてしまいました。気楽に釣り道楽なぞ出来る身分などは親あってのものでしょう。 連休にまた墓参りにでも行こうかと思っております。

■海ガメと食文化

24 Apr 2000 06:49:35 暖かくなって、朝の電車から見える神田川も、カメが日差しを浴びて、水際でのんびりとしている光景が、時々見かけられるようになってきました。 ところで黒潮に乗って上がってくる海ガメは、伊豆諸島の新島や八丈島では有名ですが、同地ではなんとカメを食べるという食文化があります。 食べるのは青ウミガメで、これは同じ文化圏になる青ヶ島や小笠原諸島でも見られるそうです。東京オリンピック(1964)のころの青ヶ島や小笠原では、市場に海ガメが並んでいたそうですが、まあスッポンを食べる風習も日本にはあるわけで、当時としては別に目くじらたてる問題ではなかったのでしょう。 また食べてばかりではなく、沖縄諸島や種子島などでは亀を使った漁労儀礼文化が、遠い昔からあって、平安時代には「亀ト」の専門家が招待され、多数が京にのぼっていったそうです。このように海ガメが日本文化に深く入り込んでいた点を評価したいと思います。 最近はすぐに「残酷だ」「野蛮だ」とかいう論調になりがちですが、大事なことはその奥にある自然を畏怖し感謝する、いまの流行の上滑り環境論とはちがう、日本人の心にしっかりと根ざした精神文化が失われていることを、むしろ危惧すべきでしょう。

■You can do it

22 Apr 2000 06:35:32 小生もときどき使ってしまうのですが、日本人のよく使う言葉で「頑張ろう」というのがあります。 これはこれで素直に受け取ればいいのでしょうが、どうも「オレも頑張るから、お前もやれ」とかいうセンスを包含しているような気がいたします。波長をあわせることを何となく要請しているようで、気になり出すと気になって、ケースによっては聞きたくない言葉です。 自分が頑張りたければ、自分でさっさとやれば良いわけで、周囲の人を巻き込むことは本来べつの話です。 むしろ人を励ますときには、米国流の「You can do it.」が本来の意味なのでしょう。日本語にすると「君だったら出来るはず」とかいうところでしょうか。ちょっと突き放してしまったようなドライな響きを感じる人も多いでしょうが、この中には一人一人がきちんと自立しているという前提で、俺は君を一人の自立した人間としてみているんだ、という精神が入っているわけで、これからの時代は、むしろこのほうが良いのかも知れません。

■リトルトウキョウ

21 Apr 2000 05:17:20 米国の友人と久々にあって、ロスアンゼルスの話題を肴にして飲みました。この街は１５年ほどまえ、貿易摩擦の関係の仕事で、小生が初めてアメリカで数ヶ月間過ごした街で、ほかの米国の都市とは想いが違います。 中心街にあって比較的治安も良く、独身駐在員のオアシスの感があった日本人街は「リトルトウキョウ」といいますが、小生はここには週末やアフター５に良く出入りして、公私ともどもずいぶん世話になりました。そのころは日本企業は好景気で浮かれてましたので、この街もとっても華やかだった憶えがあります。 ところがその後、ロスの中心地区は例の暴動や地震でかなり様変わりをして、ここリトルトウキョウもどんどん地盤沈下。日本領事館も移転し、最近では当時はずっと続いていた日本の大手デパートや永年続いてきた土産物店まで閉店するという話。 米国の都市の常でしょうが、中央のスラム化と、生活圏の郊外への移動というパターンに、この歴史ある日本人街も陥ってしまったようです。長いあいだ訪問はしてませんでしたが、いろいろな想い出のつまった、あの街が黄昏ているという噂を聞くと、寂しさをかくし切れません。

■クジラとエビス

20 Apr 2000 05:16:50 房総半島の南、館山市の北条海岸に注ぐ川で「平久里川」というのがあります。平久里を基点に安房の中央を南に縦断し、大昔に安房の国衙のあった府中を経由し西に転針し、館山湾に流れている無名の河川ですが、その昔は安房の国の山村と漁村を結ぶ幹線でした。そして、この川の河口近くに「六所神社」というのがあります。 ここの祠には実はクジラの骨がたくさん祀られております。ただ残念なことにこれがいつ頃、なぜ祀られたのかを知る人は、いまは誰もおりません。 ＨＰでも紹介しましたとおり、勝山〜富浦〜館山〜白浜〜千倉〜和田へと続くラインは、房総のクジラ文化の伝承のルートです。 その線上にあるこの神社も、捕鯨を生業とした人々がクジラを「民に幸をあたえてくれるものへの想い」あるいは「巨大な体と強烈なエネルギーへの畏怖」などの要素が、クジラを神格化して「エビス」とか「竜宮の使い」とか敬って霊を鎮めるために神社に祀られたのではないかと想像されます。 ここにも、単なる鯨油の原料としてしかクジラをみてなかった欧米と、生活文化に根ざした、大切な存在としてクジラをみていた日本との差異が現れているような気がいたします。

■規制大国ニッポンの本音

19 Apr 2000 07:23:55 ＮＴＴの接続料で米国から攻められておりますが、黒船以来の過去の歴史と同様に、日本の市場開放に対する「ガイアツ」はいまや恒例行事の感があります。 さて今日は、この規制大国のちょっと面白い事例を一つご紹介しましょう。 紅白で紅組白組の票を数えるので有名な「日本野鳥の会」の話です。 彼等の活動の一つに、渡り鳥の飛行航路のトレースということがありますが、実際は目や飛行機で追うことは殆ど不可能です。 便利なことに、米国でそれを観測するシステムが作られました。鳥に発信器をつけて、それを静止衛星でチェックするというものです。 これを野鳥の会に人が始めようとしたら、郵政省から横ヤリが入りました。どうやら「電波法の適用範囲は国内であり、渡り鳥は海外まで行くのでダメ。」というのが秀才たちが集まる郵政省の見解。 そこで野鳥の会でいろいろ調べてみたら、ウミガメでも似たような観測をしていることが分かりました。「ウミガメが良くて、どうして鳥はダメなの？」とまた尋ねたら、「ウミガメは海には出るけれど、外国には上陸しないから」とかいう役人の言だったそうです。 そんなわけですったもんだして、結局「日本の外に鳥は出るけれど、外国には行かないということで解釈してくれませんか？」と言ったら、役人も「じゃあそうしよう、念のため鳥の行動はそういうものだと念書に一筆書いておいてくれ」とかいって認可したそうです。 要は規制大国とか言っても、事なかれ主義が蔓延しているだけで、その運用はけっこういい加減なことが、この事例からもよく分かります。問題の本質は変化を忌み嫌う官僚主義なのでしょう。

■Ｍｏｔｔａｉｎａｉ-�W

18 Apr 2000 19:30:53 わ〜８０００アクセスいった〜♪ ご訪問下さった皆様、有り難うございました。あらためて御礼申し上げます。これからも変わったネタを取り上げていきますので、宜しくお願いします。 ｍ(_ _)ｍ さてさて、続いてきました「Ｍoｔｔａｉｎａｉ」も今回でひとまず終了します。今回はクルマの話をしましょう。 ドイツではたとえ極寒でも駐車時のアイドリングは禁止となっております。真冬のアウトバーンのパーキングで、車内で何か飲んだり食べたりするときも、車内でコートなど着込んでモシャモシャ食事をします。まあこれは法律で定められているのですが、人が周囲にいない場合もキチンと守っているのはさすがにドイツ人です。 また渋滞になってしばし止まることがありますが、そんなときも皆エンジンを切ってしまいます。冬の朝、出勤するときにガレージでもウォームアップはしません。これも禁止ですので、冷えたままブリブリ白いガスを出しながら、メルセデスもゴルフも皆出ていきます。徹底していることが良くわかります。 聞いた話ですが、東京都内のクルマの平均速度は何と「時速１８キロ」だそうです。これはだいたい女子マラソンの走るスピードだそうで、最近のクルマの高性能化を思うと、なにやら滑稽な感じも致します。 欧州のアウトバーンを２００キロ近くで走っていると「クルマが本当の力を出して喜んでいる」ような気配をしばしば感じましたが、日本の道路環境では可哀想な気さえします。いったい性能の何パーセントを出しているのでしょう？ ＬＲＴ(路面電車)などを復活して、もっと公共交通やパーク＆ライドの仕組みを充実させていくほうが、これからの都市交通を考えた場合はるかに利口なことだと思うのですが。どうでしょうか？

■Ｍｏｔｔａｉｎａｉ-�V

17 Apr 2000 06:46:49 どこの会社もそうでしょうが、ＩＴとか新ＸＸシステムとか言ってデジタル化しても、結局ふえるのはアナログの代表媒体である「紙」。ＯＡショップに行けばそれこそプリンタ用やファックス用のピカピカのきれいな紙が所狭しと並んでおります。 情報化のうたい文句は「ペーパーレス」だったわけですが、実際は再生紙も増えてはおりますが紙の需要はうなぎ登り。ちぐはぐな結果になっております。 恥ずかしながら小生も、会社のデスクはプリンターから次々と出てくる紙であふれかえっております。裏紙を使うなどそれなりの工夫をしてはいても昔より紙は断然増えてますね。 その昔、学生の頃はワラ半紙という茶色のザラ紙を、字の練習やメモに結構使っておりましたが、いまでは殆どお目にかかりません。 小生は思いきって家にはプリンターは入れておりません。入れれば紙の山になるのは目に見えてます。 ただ最近はオンラインマガジンやオンラインノベルなどが出てきて、それなりに市民権を得つつありますので、この辺りから紙の需要が減ってくれればと思っております。

■Ｍｏｔｔａｉｎａｉ-�U

15 Apr 2000 10:25:32 このところ飲み会続きでベッコリ、今日はゆっくり起きたら既に雨空、ということでいつものように日和って晴釣雨読と決め込みました。 ところで哲学者の言葉で「子供を不幸にする確かな方法は、いつでも何でも、手に入れられるようにすることである」というのがあります。 要はこのようにすれば、子供の自主性や自立性、自ら考える力をそいでしまう上、ただ人に頼ることだけを憶えてしまわけです。がまんを学ぶことも出来ないわけで、やがて大人になってすぐキレるフニャフニャな人間になってしまうことは誰でも分かる話です。 歴史の話を紐解いてみると、だいたい名君の子供らは駄目になっていくパターンが多いようです。こんなことは昔から分かっているはずなのに、人は同じ過ちを繰り返して行きます。 あれこれ与えることより、「与えないことの大切さ」を考えていくことも必要なのでしょう。

■ムカつきとグローバル化

14 Apr 2000 12:03:56 著名な経済学者の竹中平蔵さんの本を読んでいたら、面白い話が出てました。このところ若者がやら使う「べつに〜」と「ちょ〜ムカつく」という言葉についてです。 前者の「べつに〜」とは、自分の生きる領域以外の分野についての、無関心と無感動を示している言葉で、逆に「ちょ〜ムカつく」というのは、自分の領域に入ってくると、ちょっとしたことで「反応」してしまうことを表しております。 この「反応」が過激になると「キレる」という行動につながるわけです。 ところが、これからますます社会がグローバル化してきますと、言葉や文化、社会基盤が異なるものが自分の領域にどんどん入り始めます。これらにいちいち「反応」し、ムカついたり、キレたりしていると社会から置いて行かれます。まあこういう人たちは生まれた家から一歩も出ずに細々と暮らしていくしか道が無くなるわけです。 生物界すべてに言えることですが、環境の変化を受け入れて消化し、次のステップに進むことが出来なくては、やはり進歩ということは期待できないでしょう。このことはデジタルデバイド社会の中では「敗者」的な位置付けを逃れないと思います。 これからの社会をリードしていく世代に、そのような風潮がみられることは、ちょっとこの国の行く末に不安を感じさせてしまうわけです。

■タマ川

13 Apr 2000 17:47:34 汚いながらも、結構釣りを楽しませてくれる鶴見川に対して、多摩川はどうにも小生とは相性が悪いようです。ここでのシーバスゲットが今年も目標になりますが、苦手意識が先に立ってしまい、どうにも足が向きません。 先日も花見と河原遊びのため弁当持参で家族とフラッと出かけましたが、どうもこの川は目と鼻の先にあるのに、こんな風に釣り以外でしか縁がありません。 多摩川はその水源を奥秩父に発していますが、多摩という河川名はどうもはっきりとはしていません。一説では「丹波」のなまり。「丹波」とは「川の奥にある平地」という意味がありますが、古文書などでは「多婆」とか「田場」とかいう表記もあって、これは古代朝鮮語で「峠」を指すという説もあります。 万葉集では「多麻河伯：たまがは」などとも呼ばれていて、大昔の多摩川流域では麻が多かったという説も有力です。ちなみに調布とはその昔に税金として布を調達した地域の名残だとか。これ意外にも諸説がいろいろあって訳が分かりませんが、これに「玉川」の話が混ざるともうめちゃくちゃになります。 羽村の堰から取水している玉川上水は、なぜか「多摩川」ではなく「玉川」という名前。またデパートのある「二子玉川」という地名もあって、なかなかまとまりがつきません。

■これでいいのだ

12 Apr 2000 08:14:50 先日、箱根へ家族で出かけたとき、久しぶりに彫刻の森美術館にいきましたが、そこで「赤塚不二夫展」なるものをやっておりおりました。 氏は昭和３０〜４０年代を過ごした人間にとっては、大なり小なり影響を与えた人物で、かくいう小生も一時期漫画家を目指したことがあったほどです。 「おそ松くん」や「秘密のアッコちゃん」などとともに、今でも根強いファンをもっている「天才バカボン」が氏の名声を確固たるものにした作品であることに異論をはさむ人はないでしょう。 この作品は人気キャラが主人公バカボンではなく、パパやハジメくん、レレレおじさんなど周囲の人物であることと、そのナンセンス性を社会風刺的に表したところが特徴ですが、東京オリンピックを境に近代国家の矛盾をいろいろと露呈してきた日本を示す、一つの道標だったのかも知れません。 有名な「これでいいのだ」という言葉は、当時の日本にとっては痛烈な批判だったのだと今では思っております。 最近では電車やら医療やらで人為ミスというより、フェイルプルーフされてないために起こってしまった重大事故が相次いでおり、仕組みがきちんとしていた社会のあちこちで綻びが起きているような気がしてます。「これでいいのだ〜」という反語が、必要とされる時代に知らぬうちに入ったのかもしれません。 る

■バイツェンビール

11 Apr 2000 05:09:36 昨日は駐在時代のドイツ人同僚が来日してきたので、久々にビール片手にドイツの話で盛り上がりました。気温も暖かくなってきたので、ビールがうまい季節になってきましたね。 ところでビールといえば、原料は大麦ということで相場がきまっておりますが、小麦のビール（バイツェンビール）というのもあります。 かって小生が駐在していたブラウンシュバイク市は北ドイツにあって、珍しくもバイツェンビールの美味しいところでした。もともとブラウンシュバイク公爵は南ドイツのバイエルン王家と姻戚関係にあって、その絡みによってバイエルン地方で有名なバイツェンビールの製法が入ったとされております。 バイツェンビールはバイス（白）ビールとも言いますが、これは上面発酵の過程で白色エキスが生じることから、音も近いのでそう呼ばれることがあります。 バイツェンビールもいろいろありますが、「クリスタル」というのがドライで軽妙な風合いで大好きでした。 出来れば、日中に戸外のテーブルで健康的にスカッと飲みたいやつです。肴は重い肉ではなく、キャベツの酢漬けやジャガイモが合います。最近は日本でも飲めますので、一度トライしてみたら如何でしょう？

■アブラとクジラ

10 Apr 2000 08:12:14 米国東部ボストンの南に浮かぶ島で「ナンタケット島」というのがあります。確か金沢八景の方にある有名なアウトレットモールも、この町の雰囲気をコピーしていたと記憶してますが、アメリカ人にとってナンタケット島は想い出ふかい所のようです。 ２０世紀は火の文明であり、石油はそれを支える重要な資源でした。ところがその前の１８〜１９世紀の近代国家群にとっては、石油に値するものが「鯨油」だったわけです。 クジラの油は、技術の発展とともに最後は爆薬用のグリセリンなども抽出したりしましたが、初めのころは専ら照明用燃料やろうそくのために使われ、皮革や羊毛洗浄用の液体石鹸、ワニスやペンキ、潤滑油としても活用されたのです。とくに光源は文明の発展にとって極めて重要な要素だったわけです。これはクジラを食肉資源として考えた日本とはまるで異なる道でした。 日本は鎖国のため「帆船文明」というフェーズをスキップしてしまいましたが、米国の歴史は「帆船」から始まったわけです。そして「帆船捕鯨」の最大基地が、この「ナンタケット島」だったわけです

■桜

9 Apr 2000 06:55:58 日本人のＤＮＡがなせる技か、小生も花見が大好きです。昨日も近所の桜並木で有名な二ヶ領用水へビール＆レジャーシート持参で行って楽しんでまいりました。（ここはコイが多く、どうも眼下のコイの動きに目をとらえられてしまいましたが…） あの千鳥ガ淵ににも行ったことがありましたが、とんでも無い人混みでそうそうに退散してしまいました。やっぱり花見は近所でのんびりが一番です。 桜並木もオツで、ところどころ咲いていない木がある。これは八重桜でソメイヨシノの散ったあとを楽しませるためのものですが、実は小生のもっとも好きな桜がこれです。 ソメイヨシノは確かに美しいですが、皆が散ったあとあでやかに花を咲かせる八重桜は、マイペースをモットーとする小生に大いなる勇気を与えてくれたことがありましたね。 受験生のころ、春は不公平な時期でもあるなあ、という気持ちもあって、華やかな時節とは裏腹に落ち込んだこともありました。でも家の前にあった遅咲きの八重桜から「人生は長いんだから、ちょっとぐらい遅れたり遠回りをしても、自分の納得できる道を進むべきだ」とかいうことを教えてもらいました。

■ホームレス

7 Apr 2000 06:43:13 川崎は県下でもホームレスが多いところですが、昨年十月時点では７４６⇒９０１人と前年に比べて二割の大幅増。(横浜は４３９⇒７９４人) そういえば鶴見川や多摩川の河原で見かける数も、気のせいかずいぶん増えたような気がいたします。この傾向は県下いたるところで同様であり。神奈川県もようやく県内全域のデータをつかむことで今月から動き始めるそうです。 もうここまでくると、ひとつの「環境問題」という感も致しますが、背景はリストラやら健康問題やらじつに様々で、無機的にうっとうしいから一律排除というわけにもいかないのが真実です。 とはいっても「貧すれば貪」の言葉どおり、ホームレスが増えれば治安も悪化しますし、本当に頭の痛い問題です。 また都市部の河川は「親水護岸」などといって、水辺環境を改善しつつありますが、逆にホームレスの溜まり場になってしまっては、川に近づく人も減ってしまうでしょう。市民の憩いの場を作るという趣旨とは正反対の結末になってしまいます。 失業率は４．９％まで悪化しましたが、これからの景気回復はデジタルデバイドの言葉通り、おそらく雇用面では良い局面は期待できないと思います。そうなるとホームレス問題は更に深刻さを増すということになります。 これに対する正しい回答があるのならば誰か教えてください。

■新入社員

6 Apr 2000 06:52:54 ４月になって一目で分かる新入社員の姿を見る機会が増えました。先日も箱根のホテルで新入社員が、一生懸命に職場研修を受けている初々しい姿を横目で見ながら「お疲れさん」とつぶやいてしまいました。各社とも採用を絞った今年などは、おそらく相当大変な難関をパスして入ったのでしょう。 たしかに今はどこの業界も厳しい時期で、新人といえどもあまり遊ばせてはくれないでしょうが、逆にいえば任せられるチャンスも多いわけで、プラスの恩恵もかなり受けるはずです。妙に固まってしまう前に一線で活躍できることのメリットは大きいでしょう。 とまあ、偉そうにいう小生も２０年ほど前には新入社員だったわけですが、当時の頭の中は「次の週末の釣行プラン」ばかりでしたね。まあサラリーマンとしては二流の分類だったようです。学生時代に１５０日も釣りばかりしていた身としては、社会人一年目は結構ストレスがたまったように記憶しております。 小生の場合はたまたまガス抜きが「魚釣り」であったわけですが、この道楽でどれだけ救われたかきりがありません。 まあ会社生活は思うようにはそうそう行かないものですが、そんなガス抜きの引き出しをいくつかは持っていないと、それこそ良い人生は送れないと今でも思っております。伸びきってしまったゴムひもは元には戻りません。

■南極の大氷塊

5 Apr 2000 05:31:53 今日は雨。これからしばらくは週末と雨のバッティングで、河釣り氏にとりましては悩ましい時期が続くかも知れません。ただ一雨ごとに暖かくなっていくのは嬉しいことです。 さて今回は嬉しくない温暖化の話です。地球の温暖化の進行に伴って、南極の氷床から次々に大きな氷山が分離して流れ出し、マスコミにも取り上げられておりますが、今回ロス棚氷より割れたものはもの凄いスケールのようですね。 大きさは何と秋田県ぐらい（縦２９５km×横３７km）もあるそうで、これが海流や季節風で流れ出した場合、相当の気象・生態系トラブルが発生することが懸念されております。海流の流れでは南米や南アないしは豪州南西部へ動く可能性があり、当分の間これの動きは見逃せないようです。とても「ひっこりひょうたん島」のようなのどかなものではなさそうです

■トウゴウ

4 Apr 2000 08:09:26 劇画のゴルゴ１３のよく使う名前は「デューク東郷」。ところが日本からはるか離れたトルコでは子供によく「トウゴウ」という名をつけていました。 これはクリミア戦争でロシア相手に苦労したトルコ国民にとっては、あのロシアのバルチック艦隊をせん滅した、連合艦隊の東郷元帥を相当の英雄視していた名残だそうです。 当時では圧倒的な格下国家の日本が、旅順や日本海でロシア軍を破ったことは、それはもう奇跡的な勝利だったわけで、それが２０世紀の日本の方向を大きく変えた出来事になったことは皆様ご存じでしょう。 先日テレビで日本海海戦の特集をくんで、ＣＧなどを使って、あの「トウゴウターン」を再現しておりました。いくつかの事実ははしょってましたが、改めて当時の日本海軍の機動力には感心をしてしまいました。 バルチック艦隊の敗北から言えることは、船団の大きさに頼んだ遠征の愚かさでしょう、ポイントは自分の土俵で勝負することと、たとえ鋼鉄の軍団でも遠征することによる金属疲労は如何ともし難いという点。過去の数多の歴史で遠征で大勝利をあげる確率は時代の流れとともに大きく低下しております。これは軍隊の近代化に伴うインフラ維持のための、遠征時のロスが極めて大きいことを指しております。 さて、ここからこじつけ臭いですが、釣りの場合も一緒のような気がします。すなわち「自分の土俵で勝負する」ことが大事です。 今週はこっちの川、来週はあっちの川では駄目で、自分のポイントで相手を迎え撃つというパターンです。敵(魚)はあちこち移動しているわけで、自分の土俵を巡ってくるときにガバッとやっつけるというパターンに持っていきたいものです。 そのためには自分のポイントをきちんと掌握し、そこでの勝ちパターンを考えることから始めねばなりません。そしてこれには幾度もの訓練が必要となってくるわけです。 ところが残念ながら小生の性分は「日和見主義」なので、ついつい目移りがして今日はこっち、明日はこっちといういい加減さ。そんなわけで今年も「奇跡的大勝利」には恵まれそうにはありません。(T_T)

■ハウステンボス

3 Apr 2000 06:43:49 さて４月初めの週末は如何でしたか？ 小生は今回も釣りは見送り、体調改善のため温泉へ行ってボケッと療養？してきました。釣りの方は来週あたりから再始動する予定です。 さて数あるテーマパークの中で小生のお気に入りの一つが「ハウステンボス」ですが、近年は大村湾の魚たちがここの運河を気に入って、新たな一つの生態系を作り始めてるようです。 ここは環境面でもこだわりをもって作られたテーマパークで、運河も護岸はコンクリ構造ではなく、自然石の積み上げ方式を採用、微生物による汚物分解を促進させる方法をとっているようです。 海水からの淡水化プラントもありますが、パーク内で発生する汚水はＣＯＤを５ppmまで浄化して冷却水や洗浄水、樹木の散水用に利用したうえ、土壌の浸透装置から運河に排出する際には１．７ppmまで浄化してしまうそうです。 さらに運河の底には海中ファンを設置して、酸素を供給しているといった具合です。こんな感じですので生活排水で汚れている大村湾よりきれいなわけで、潮汐に応じて運河の水を入れ替えているそうですが、その際に開門と同時に一杯外からボラや黒鯛、エビやワタリガニまで入ってくるそうです。 魚は本能で住み易い環境へ移動しますので、そんなことからもハウステンボスの運河が一つの生態系を築き始めているのでしょう。一説ではタツノオトシゴまで目撃されているそうです。長引く不況のため入場者数も頭打ちだそうですが、熱滅供給システムや前述の水処理などの環境技術を視察するバックヤードツアーは、自治体や高校生中心に年々増加しているそうです。 ただ最近の新聞によると、長引く不景気で入場者数も頭打ちのため債権放棄や社長交代などを行うとの記事が載っておりましたが、このようなエコ思想のテーマパークがいつまでも続くように願いたいものです。

■野生ヤギ

1 Apr 2000 07:12:36 小生が未だ小さい頃、かすかな記憶では千葉の親類でヤギを飼っていました。ところがこれはメーメー鳴き声がうるさい上、狙っていた乳がでなかったので処分してしまったとかいう話。子供心に理不尽さを感じてましたが、ヤギは食糧事情が悪くても十分に飼うことが出来たので、戦後の一時期はずいぶん重宝がられたそうです。 いまは動物園にでも行かないと目にすることはできませんが、離れ小島には今でも相当数の野生化したヤギが繁殖していて、環境問題にさえなっているそうです。 １９世紀の初めに移植された小笠原諸島では、戦争や米国統治時代を挟んで、どんどん繁殖。聟島(むこじま)は以前は豊かな森林で覆われていましたが、ヤギの食害のため森林は破壊され、森林に依存する多くの貴重な鳥類も滅んでしまいました。 いまでは島のいたるところで露出した赤土が海に流出。陸上だけでなく海岸部の生態系をも破壊しつつあります。 最近はペット動物（タイワンリスやアライグマ、マングースなど）の野生化によって、日本中の生態系が破壊されつつありますが、小笠原のヤギはこれの先駆けと言えるかもしれません。

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