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■ダウンサイジング

31 Jul 2000 05:18:13 最近とみに人間が矮小化してきたようで、パソコンもリブレット二代目(Lib100)に向かうことが多くなり、小さい画面(7.1TFT)で外でも家でもシコシコとやっております。 聞くところでは、最近は液晶大画面ばやりで、モバイル機やＢ５ノートの売れ行きは渋いようです。 とはいえ、リブレットの、どこにでもウインドウ環境を持っていけるメリットは大きく、空いた時間を有効に活用できます。たとえば先日は片瀬川の河畔で、潮待ちの時間にＨＰを作ったりしてました。 早寝早起きスタイルが定着している最近は、家でパソコンに向かうのは週末以外はほとんどなく、平日はもっぱらモバイラ〜。電車の中では言うに及ばず、出社前の喫茶店や、益の電車待ち時間など、ちっちゃいキーボードにパコパコ打ち込んでおります。 一見クラい光景ですが、本人は結構没頭してたりしてます。（電車乗り過ごしも多い） まあ、テンキーで携帯メールビシバシのオネーチャンに比べますと、まだまだかわいいモノです。

■奥多摩

30 Jul 2000 06:23:51 金曜日から、奥多摩湖に行ってまいりました。といっても家族サービス＆ハイキングですが、毎日、下流のよどんだ川面ばかりみている身にとりましては、ずいぶん目の保養になったような気が致します。 水温もかなり低いはずなのに、元気に泳ぐ鯉の姿も確認できました。本当にどこでも棲めるパワーある魚ですね〜。また川魚料理屋では、元気付けにウナギも食べたりしました。（旨かった〜） ちょっと心配だったのは、奥多摩湖のブラックバスの繁殖。昨年もきたのですが、今年は当歳魚とおぼしき大群が、あちこちでスクーリングしているのを確認しましたし、オイカワなどをチェイスしている光景も湖畔で幾度か見ました。もともとバスが多い湖ですが、今年は一段と多くなったような気がします。 経済も生態系も「一人勝ち」すると、だうたいろくな結果にはなりません。いろんなモノが、そこそこいるというバランスが、総合的には活力の源だと思うのですが…

■雪印の話から感じること

28 Jul 2000 08:11:26 １００００ヒット到達ということで、小生も感慨無量。 皆様の、いままでのご支援有り難うございました。これからも肩の力は入れずにノンビリとやっていくつもりですが、よろしくお願い申し上げます。 さて今日は雪印の話題です。世間と同じ事を言っても仕方がないので、小生なりの見解。ここ一ヶ月間で感じたことで最も大きいのは、マスコミの嫌らしさ。よくもまあ揃いも揃って、これだけ一様にバッシング出来るものだと感心してしまいます。 戦時中の新聞とほとんど似たような感じ。問題の本質に対する考察や、社会背景にまで論じた記事や報道にはほとんどお目にかかりません。 雪印の評価は消費者が決めれば良いわけで、新聞社やテレビ局が下すたぐいのものではありません。マスコミはシンプルに事実を伝えれば良いわけで、間違っても社会の木鐸だと取り違えて欲しくはありません。 雪印の現場の綱紀はゆるんでいたことも事実ですし、会社トップの対応もお粗末だったということは十分アグリー出来ます。ただ、この症状はおそらく日本のほとんどの大企業で、大なり小なり進んでいる事なのではないでしょうかね？ モノ作りを軽視する風潮と、雇用慣行の見直しで、かっての日本経済を支えてきた現場への仕打ちなどで、ラインサイドの応力はどんどん低下してきております。しかも、これを皮膚で感じることの出来ない、米国経営にわか仕込みの近年の経営者群。 本質的な問題を払拭しない限り、食中毒騒ぎどころではない、大変な事態に陥ることも、十分考えられると思っているのは小生だけでしょうか？？

■鯉の陣中漬け

27 Jul 2000 00:57:43 暑くなってきますと、元気の出る料理が欲しくなります。ウナギの栄養はすごいですが、コイも負けてはおりません。 鯉の料理は「洗い」や「鯉濃」が有名ですが、他にも面白い料理がたくさんあります。 佐久鯉で有名な長野県の佐久地方では、生のままみそ漬けにしたものを、あとで焼いて食べます。 また武田騎馬軍団の甲州地方の名物料理方法としては「陣中漬け」というものがあります。三枚に下ろした切り身をいったん唐揚げにして、醤油とみりんをベースにしたタレの中に、二日ほど漬け込みます。 その後、取り出して布に包み込んで、水飴で溶いた味噌の中に一ヶ月ほど漬け込むと出来上がりです。 これは、そのままご飯のおかずや酒の肴にしても良し、お茶漬けの具にして良し、といった風に、栄養価が高いうえ、手軽に食べられるところが、その特徴です。 内陸で、海の幸に恵まれない地域では、コイのような淡水魚が、重要なタンパク源であったのでしょう。

■そごうの話に思う

26 Jul 2000 06:40:00 さて、今日はちょっと堅い話。 そごうの破綻での経済影響を見極めるとか理由で、ゼロ金利解除はまたもや日本政府お得意の先延ばしとなってしまいました。 そごうの話については、法的処理に踏み切ったとき「あれは、そごう経営陣のモラルハザードについての国民の抵抗が強かった云々」というような、某首相の訳の分からないコメントも出ておりましたが、これを言うなら、外資に銀行を売り飛ばすときに、債権が二割下がったら預金保険機構が買い取るというノーテンキな条件を出した、金融再生委員会（＝政府）のいい加減さを、反省する言葉の一つでも言って欲しいものでした。 ハーバードビジネススクールのポーター教授は「戦略とは何をしないかを決めることだ」と云っておりますが、そごうの問題は、そごう固有の問題だけではなく、本来、資本や人材などの経営資源は有限であるのだから、手を着けない事業ドメインをキチンと決めることができないまま、ここまで来た、数多くの日系企業に共通している経営風土が根っこにあるのではないでしょうか？ 他社が始めた事業を「それでは我が社も」とか、他店がある地域に進出すると向こうを張って出店するような、横並びともいえるような妙な経営基準があるようです。大手製鉄各社はいうなればエリートの集まりですが、揃いもそろって半導体に進出し、それでコケました。少し考えれば成功し得ない事業領域なのに、それが見えてない。 これに限らず、このような例は枚挙にいとまがありません。 かっての大財閥は「浮利を追わず」とか、事業理念に芯が通っていた気が致しますが、どうも最近はアメリカの経営者の話や、株主価値などという外聞を気にする風潮が強いようです。 そごう問題は、べつに固有の話ではなく、日本人の根っこにある文化観が起こした、一つの普遍的な事例なのかも知れません。

■マッカチン

25 Jul 2000 07:26:39 先日、猛暑であまり外には出たくはなかったのですが、近所の緑地内の池でザリガニが結構釣れるという話を聞いて、娘と捕りに出かけました。近郊の水田は農薬の影響でほとんど駄目ですが、緑地内の沼にはホトケドジョウなども棲息していて、あまり汚染が進んでいない。 そんなわけで、ザリガニも結構豊富でした。 さきイカを餌にして狙いますが、そのうちに娘は飽きてしまい、小生だけがひたすらザリガニを捕っていたのでした。 久々に「マッカチン」にも出会えたし、結構楽しいひとときでしたね。

■鰻論考伍

24 Jul 2000 05:11:10 さて、今日で鰻の話を閉めたいと思います。 ウナギの一般的なパターンは、今まで述べてきましたように海⇒川⇒海という形ですが、なかには変なやつもいて、川に上らずに海にとどまって成長するものもいます。 また、湖沼などの物理的な閉鎖水系に紛れ込んでしまった場合や、なんとなく川にとどまってそのまま成長するものもおります。 環境が安定さえしていれば、河川はいい場所らしく、淡水にずっと居た方がむしろ長生きでき、大きくなれます。産卵で海に下れば、それでおしまいですが、河川や湖沼にとどまった場合、３０年以上生きたという例もあります。 ちなみに、日本で私たちの口に入るウナギの総量は、１２万トンとも云われておりますが、そのうち８割が中国や台湾からの輸入物で、冷凍蒲焼きなどになっております。 国内はほとんどがシラスウナギから育てた養殖物で、天然物は全体のわずか１％にもなりません。口にするためには、これはもう、自分で捕ってくるしかありません。利根川では、結構大きいのが良く釣れるそうですので、一度トライしてみたいと思っております。 多摩川の伝統漁法では「ツツッポ漁」というのがあって、川の中に節の抜いた孟宗竹や、使わなくなった雨樋や塩ビ性のパイプなどを沈めておき、ウナギが中に入った頃を見計らって引き上げる、ということをしたりしてます。 漁師さんの話では、海にいて水が濁ったときに川に上がってくるウナギは腹は真っ白、背は真っ青。川の中に棲んでいるのは全身真っ黒だそうで、いずれも養殖物とは比べものにならないほど味がいいそうです。 とはいえ、輸入物、養殖物でも、他の動物タンパクに比べてウナギのもつビタミンＡやＤＨＡ、ＥＰＡはとっても豊富です。 それでは皆さん、ウナギをせっせと食べて夏を乗り切ってください。

■鰻論考肆

23 Jul 2000 06:15:08 沿岸の河口に到着したシラスウナギは、海底の石の下や砂の中に隠れて過ごし、やがて海と川の水温が一致したころを見計らって、河川に入って行くわけです。 私たちの口に入るウナギはほとんど養殖物ですが、いまの技術では孵化から養殖することはできないので、この川にあがる際のシラスウナギを育てて養殖するというパターンになっております。早春の日本沿岸、外洋に面するいろいろな河川には、にわか漁師が繰り出して、夜な夜なカーバイドランプの光でシラスウナギを網ですくい取っている光景が見られます。どうやらこれはかなり割の良いアルバイトのようです。 運良く網を逃れたシラスウナギは、汚染やトロい魚道の堰など、最悪な環境の日本の河川をクネクネ遡っていき、やがて３〜４年後には成熟します。 なぜ、わざわざ環境の制限された淡水域に入って過ごすのかは、いまだに謎ですが、アナゴやハモなど競争相手の居ないところへ住処をかまえることで、種の保存を保とうというウナギの先祖の知恵？の表れなのかも知れません。

■鰻論考参

22 Jul 2000 05:21:14 ウナギがサケとは違い、海⇒川⇒海の生活パターンを有していることは、この種の起源がおそらく海水魚であるということを示していると想像されます。ハモ、アナゴ、ウツボなどの仲間と別れて、進化の過程でウナギは川へその生活の場を拡大していったのでしょう。 川にあがって５〜１２年間過ごしたウナギたちは、やがて秋の増水にのって海に下り、餌もとらないでひたすら小笠原海流に乗って、西マリアナ諸島をめざすそうです（実際は経路も泳層について誰も確認してません）。 やがて４〜１１月（ピークは７月らしい？）ころにマリアナ諸島の西側にある海山スルガ（海面下４０ｍ）、アラカネ（同８ｍ）、パスファインダー（同１０ｍ）周辺で、産卵しているという説が有力である。新月の夜に外敵の目を盗んで産卵行動をおこすらしく、やがて卵は拡散して下流の中で漂いながら、２〜１０日ほどで孵化して、レプトケファルスというウナギの葉形仔魚になります。 仔魚は北赤道海流に乗っかって、西に流てていき、やがて黒潮に乗り換えて北上する。黒潮に入った仔魚はやがて成長し「シラスウナギ」に変態。 そうして産卵から４〜７月経ってようやく日本沿岸の河口に到着するというわけです。

■鰻論考弐

21 Jul 2000 11:37:07 ウナギの生態そのものは、かなり解明されてきてはいるものの、産卵場所の確認や自然孵化のメカニズム解明などのエビデンスはほとんど出ていないという、大変ミステリアスな一面をもっております。 ご存じの通り、ウナギは海で生まれて、川にのぼり成長し、そして海にまた産卵に帰っていく、といった、サケとはまるで正反対の生活パターンをもっている動物です。 産卵地が遠く離れているため、あのアリストテレスをして「ウナギは泥から生じる」とかいう迷言をはかせたわけですが、その移動距離は２０００キロ以上にも及び、まさにロマンの世界です。

■鰻論考壱

20 Jul 2000 10:20:32 土用の丑の日が近づいてくると、何とはなしにウナギにまつわる話をしてみたくなってきました。 ワールドワイドに分布しているウナギですが、実はウナギにとって天国みたいな地域があります。それは中近東のイスラム教圏。高温多湿な東南アジア一帯が魚食文化が発展しているのに対して、高温乾燥の中央アジア一帯では、羊肉や乳製品が中心で、もともと魚をパクパク食べる風習がそうありません。さらに、ここでは宗教的な戒律で「ウロコのある魚は食べてはならない」ということになっておりますので、ウナギはおろかナマズの類まで、この一帯では水生生態系の頂点を君臨しているというわけです。 砂漠や塩湖ばかりと思いきや、あの古代文明の発祥の地で有名なチグリス川やユーフラテス川には、それこそ大ウナギや大ナマズがいるそうですが、地元の漁師の網に掛かっても、皆逃がしてしまうそうで、そうれはもう彼らにとっては天国というわけです。

■新島の話

18 Jul 2000 21:31:38 伊豆諸島の地震は、三宅島から始まって、神津島、式根島ときて、とうとう新島まで来てしまいました。 こうなると帝都が揺れるのも、もしかしてそう遠い話ではないのかも知れません。さて怖い話はさておき今日は「新島」の話題。 この島は学生時代に良く行ったところで、毎年５月と１１月頃の、海の穏やかな時分、投げ竿を担いで釣り部の合宿を組んだものでした。狙いは白ギスで、サイズは１８〜２５cm前後となかなかの型が、この海の穏やかな時期に接岸してました。 距離も１〜２色程度でも釣れ、東京近郊の白ギス釣り場では第二海堡と並んで、当時としては最高の場所でした。 合宿では日和見アングラーも多く、昼は寝ていて、夜になると電気浮子とイカヅノを持ち出して、民宿のオヤジさんを誘ってアオリイカやアカイカ釣りに没頭したりしてましたね。 若かりしＥｎｄｏ氏は、さっそうとメタルジグなどをぶら下げ、軽トラで島の裏側にある羽伏浦に攻撃してましたが、南房平砂浦より難しい砂浜で、残念ながら青物やヒラメとの出会いは無かったようです。 釣り好きのオヤジさんに好かれて「義理の妹で年頃のが二人居るから、どっちでも気にいったのと所帯をもて」とか云われたことを、思い出しました。真に受けていたら、どうなっていたんでしょう。 そんなことやら、あんなことやら、新島はあの「くさや」のニオイとともに忘れることの出来ない島です。 一日も早い地震の終息をお祈り申し上げます。

■リターナブル瓶

17 Jul 2000 05:15:32 いつかエコ生活のルールで４Ｒの話をしたときに、リサイクルという手段はもっとも最後の選択肢であると言いましたが、日本では不思議と「リサイクル」という言葉が、環境面で上位にくるという、誤った認識を流布しております。 たとえば飲料容器では、ドイツに比べると、ペットボトルやスチール缶、アルミ缶などなどやたらに種類が多い日本。 一応、容器には「リサイクル」マークが貼られておりますが、熱効率からいうと極めて不経済です。これらの処理費用が一義的には自治体持ちであるので、一般市民は懐が痛まないので、無関心です。これらはやがて社会コスト＝税金として跳ね返ってきます。これを分からせない行政も問題です。 とくに最近は使い捨てワンウェー瓶が増え、リターナブルの比率は１１％まで減ってしまいましたが、これらをリターナブルにすると費用で1500億円が削減、炭酸ガス削減効果では78万トンにもなるそうです。これは実は、政府がやたら宣伝しているサマータイム効果(40万トン)より大きいのですね。 瓶をリターナブルに統一しても、商品の価値は変わらないわけですので、こんな簡単なことすら出来ない日本の行政とは、一体誰のための存在なのだろうと、つくづく考えてしまいます。

■ポーランドのコイ

15 Jul 2000 12:55:50 さて、今日は最果ての地にいるコイの仲間の話。ドイツの北に位置するポーランドという国は、環境条件が厳しく、農作物や畜産の振興という面では苦労が絶えないようですが、実はこの国では古くからコイの養殖を続けております。 日照時間も少ないこの国で、コイのような温水性の淡水魚を飼育することは、結構大変なのですが、僧院との関係（カープＢＯＸご参照）で、魚の養殖が盛んになって、１３世紀なか頃にはコイの養魚池ができたという記録が残っているようです。 １７世紀には他国の侵略により中断しましたが、１９世紀の後半にはドイツゴイの優勢種であるガリチール種を作り出しました。これは寒冷地でも成長が早く、ヒット商品「ポーランドゴイ」としてドイツ、ハンガリーやチェコなどに輸出されたそうです。 その歴史と伝統は今なお生き続けていて、ヨーロッパ１の養魚池と養殖生産額を誇っているそうです。われらのコイは世界中あまねくプレゼンスを確保しているようで、東欧の片隅で頑張っている同胞を思うと、この魚のことがますます好きになってまいりました。 ＰＳ：ということでこれから片瀬川に一寸行ってまいります (^_^;

■バブル崩壊と墓地

14 Jul 2000 05:21:42 都内のあちこちでも、銀行や保険会社の寮や厚生施設が売却され、更地になっているような光景を最近よく見かけますが、これは第二次産業でも同様で、かっては栄えた京浜工業地帯臨海部のあちこちで工場や倉庫が閉鎖されているようです。都心なら住宅地としてマンションなどが出来るのですが、臨海部はそうも行きません。 そんな状況から、最近では何と「墓地」がどんどん立っているそうです。 考えてみればそういうことで、経済成長は減速しても、墓地の需要は基本的には核家族化もあって減ることはあまりないうえ、首都圏では供給するような立地がほとんどなくなってしまいました。 その昔は山を切り開いて公園墓地などを建設しておりましたが、近年の環境問題で首都圏の緑地を削ることには色々と問題が生じてきており、業者としても臨海部の企業跡地は、広さや買い叩きが出来る絶好のロケーションなのでしょう。 そうはいうものの昔からの住家も少なからず隣接しており、墓地建設にまつわるトラブルはかなり増えているようです。たとえば川崎市では、今年になって既に三件の同様のトラブルが起きているそうですが、まあ、最後の住まい？まで騒々しいというのも、ちょっと落ち着かない話ですがね。

■ドジョウのオナラ

13 Jul 2000 07:28:30 子供たちにとりましては、暑くなってくると水遊びが一番です。小生がまだハナタレ小僧だった時分、近所の用水路などによくザリガニやドジョウを捕りに行きました。 昭和３０年代後半のことです。戦時中の食糧増産の大号令で、ドジョウの養殖が盛んに行われていた名残でしょうか、農薬の使われだした水田には殆ど見られなくなってましたが、近所の用水路にはいくらでもドジョウの姿が見えました。 とくに大きいのは「万年ドジョウ」たか云われていて、それをゲットした子供は、周りから尊敬のまなざしをあびたものでした。 ドジョウは泥の中に潜るのが得意なので、発見がなかなか大変と思いきや、ときどき呼吸しに水面にあがってくる、そこで潜ったあたりを一気に四つ手網なのでさらうと捕まえることが出来ます。 これは、実はドジョウが腸呼吸する仕草なんですね。たしかに近所のドブや用水路では溶存酸素も少ないので、エラ呼吸や皮膚呼吸だけでは足りず、空気を吸って、腸内で呼吸して、酸素をとったカスを尻から出すわけで、これをドジョウのオナラとか呼んだものです。 考えてみれば、ドジョウのオナラ行動も環境に適応するための、一つの方法であったわけです。皆様も柳川を食べる際には、このようなドジョウのけなげな性質をちょっと思い出して、合掌でもしてくだされば成仏することでしょう。

■原子力艦船事故防災マニュアル

12 Jul 2000 05:06:41 社会がますます高度化して、あらゆるリスクにさらされておりますが、なかでも放射能関係の汚染リスクは最悪のものでしょう。 とくに海に囲まれた国である日本にとっては、周辺海域の放射能汚染は致命的です。さて、このたび横須賀市は、米軍横須賀基地に寄港する原子力艦船の原子炉事故についての防災マニュアルを自治体としては始めて作成いたしました。 ＪＣＯの臨界事故にもあるようにいったん発生した場合、被害が及ぶ範囲は極めて広く、万が一のための国と自治体による、避難誘導や広報活動、被爆者へのヨウ素などの補給体制などを盛り込んだ、防災規定が必要であることは子供でも分かることです。横須賀港でも半径１０ｋｍの円を想定した場合、横浜市金沢区、逗子、葉山、横須賀と４市町村がエリアにすっぽり入ってしまいます。 ところが国はノーテンキで「そのような事故は想定してない」とまるで無関心、事故が発生した場合の監督省庁すら決まっておりません。東海村の事故以降は「関係自治体と対応を協議したい」とややトーンが変わって来ましたが、今回の横須賀市の対応はそれを先取りしたものです。 米軍艦船が寄港する基地は、横須賀のほか、佐世保と沖縄がありますが、これらの自治体も横須賀市の事例を参考にして、防災マニュアル作りを始めるようです。 今年も半分がすぎましたが、もう既に７０日ほど原子力艦船が横須賀に寄港停泊しているわけで、そういう意味では首都圏にもっとも近接した原発といえるのかも知れません。

■ちょっと良い光景

11 Jul 2000 07:42:48 先日の小田急線での話。いつものように終点の新宿駅に着いた時の話です。 この路線は、はるばる小田原や秦野近郊から、遠距離通勤している人も多く、乗客の皆さんは、いったん座るとぐっすり寝てしまいます。 そのときも、皆が席を立ってしまった車内で、一人のオジサンが寝込んでいましたが、誰も起こそうとはしません。ところが小生の前を歩いていた、朝鮮高校の制服を着た女子高生が、ごく自然に「終点ですよ」とオジサンの肩をたたいて起こしたのです。 終点でも、寝ている人を起こさない、面倒だ、他人だとかいうセンスが、日本に帰ってきてから、はや五年で染みついてしまったことに、ちょっと小生は恥ずかしさを憶えてしまいました。 オジサンは、これで当日は遅刻しないで済んだでしょう。さりげない気配りを、朝鮮の女子高生に教えられるとともに、たったこの仕草だけで、この国への印象がかなり良くなってしまったのは、いうまでもありません。 シンプルなことをシンプルに出来る、そんな人間になりたいものです。

■中華淡水大魚譚

10 Jul 2000 07:59:26 台風は幸いにして関東直撃を免れましたが、それでも川はずいぶん増水して、各地で被害を出しているようです。茶色に濁った多摩川を見て、これはモンスーン地帯の一つの光景なんだなと、ふとアジアの一端にいる自分を感じてしまいました。 さて今日は、そんなわけでソウギョ、レンギョ、アオウオという、中国の代表的な淡水大魚の話をしてみたいと思っております。これらの魚に関心のある方ならば知っていることでですが、日本のコイ科の魚類にない特徴として、浮遊卵であることです。 このことは別に不思議なことではありません。アジアモンスーン地帯のど真ん中を生息域としている彼らは、突然おそう水位の上昇に刺激されて産卵を行って、産み落とされた卵は、濁流に流されながら長い流呈の途中で孵化するという、ご当地の環境に見事に適合した仕組みだったわけです。 小生の知る限り、日本では唯一「利根川」が自然孵化を可能とする環境であった訳ですが、河口から１５０キロ上流にあたる埼玉県妻沼町付近が、彼らの産卵場となっているようです。ただし、ここは狭い島国ニッポン。その期間に予想以上の雨があった場合、卵が孵化する前に海に流されてしまい、その年の再生産はパーとなってしまうという訳です。 世界各国に広がっている華僑的大魚群団も、異国の土地では苦労が絶えません

■リデュース�U

8 Jul 2000 07:12:29 またもや週末は雨にたたられベッコリです。 さて昨日の続編、「捨てる技術」というからには、論理だっていなければならないわけですが、捨てるという行為そのものは、ある程度論理を飛躍したところで決めなくてはなりません。 巷間いう「賢い収納法」や「超整理法」などは、たしかに秩序をつくって安心させることは出来るけれど、溢れかえるモノの増殖は止めることは出来ません。 そもそも「処理に困る」などということは「不要」という言葉と同義で、それは中身をあれこれ見ないで即「捨てる」という行動しか解決の手はない、という論調はなかなか痛快です。 小生の場合はというと、やたらに多いのが、本、カセット、ＣＤ、ＦＤです。 洋服の類は古着リサイクルやバザーなどで結構消えているので、まだ良いのですが、本がひどい。古本屋や燃えるゴミでせっせと出しているのですが、なかなか減らない。ＣＤに至っては増えていくばかり、ＦＤも今となっては中身も分からないようなものが一杯。 仕方がないので、まずはＦＤを起動ディスク以外は全て破棄（業務内容もあるので会社の消去ＢＯＸへ）しました。また音楽ＣＤは、クラシック以外で、ここ数年聴いた記憶のないものは、全て中古ショップに出す予定です。かさばる書籍は、古本屋にもって行っても二束三文なので、最近再読してないものをエイャっと破棄し始めてます。 まあこんなスタイルで、どうせ今日も雨だし、せっせと大掃除でもやるしかないかと思案しております。(^_^;

■リデュース�T

7 Jul 2000 05:29:43 最近、カミさんが友達から借りてきた本、「捨てる技術」辰巳渚著:宝島社新書を読んで感化されてしまい、ここ数日間は二人で家の中の大掃除。 小生もときどき使ってしまいますが「もったいない」という美徳は、あまりにも今のモノ余りの時代には相応しくないのですねぇ。「取り敢えず捨てないでおこう」とか「もしかしたら使うかも」とかいう気持ちで、モノを抱え込むわけだから、気がついたら家の中は「倉庫」のような状態になっているわけです。 この書で云うことは極めてシンプル、「いま使わないものは捨てる」というロジックなんです。眼から鱗という感じ。 まず曰く「とりあえずとっておく」で、その後上手く行ったものの確率はかなり低い、今決めてしまうということが肝心である。また「いつか使うかも」と言っても「いつか」なんて来ないものである。というタッチ。 とはいえ、この書はケチケチ生活の勧めなどではなく、「欲しくなったものや、新しいものに目移りするのは自然、こういうものを買ったりすることで生活が楽しくなるのは大いに結構」ということも云っているので救われます。 ストイックにネクラな節約生活をするのも御免、いらなくなったもので雑然とした生活空間も御免という、シンプルなスタンスは、今の時代かなり賛同できるものではないでしょうか？

■雑感

6 Jul 2000 04:43:52 七月に入ってお粗末な話があちこちで出てきましたね。大手乳業会社で起きた食中毒騒動や、埼玉県で起きたハムにまつわる保健所でのＯ-157騒ぎ。 前者はマニュアルにも明記されていたはずの、バルブ消毒処理の手抜きが原因で、後者は保健所の細菌管理のずさんさから大騒ぎになってしまった話。 どうも最近は日本のウリであった、キチンとした品質と管理というものが、色々なところから崩れているようで、あらためて何でだろうと考えてしまいました。もともとは、師匠とか親方などからの、いうなれば暗黙知の世界で、技能の伝承をしてきた日本文化ですので、マニュアルの整備や準拠という概念は希薄なところがありました。そこに昨今のリストラや国内産業空洞化のあおりを受けて、暗黙知の伝承の鎖が切れてしまったため、いろいろな齟齬から生じる問題が吹き出しているのではないでしょうか？ だからといって、匠文化とか教わるとか習う文化をまた強要しても詮ないことです。いい師匠や親方はもう居ません。 ともあれ、資源も何もない国ニッポンが、将来にわたってある程度の繁栄を希望するのなら、知恵で勝負していくしかないのでしょう。でもこれは一筋縄ではいきません。師匠がいなくなってしまった今、最後に頼るのは自分の知恵しかありません。結果云々ではなく「自分の頭で考える力」を醸成する社会風土が何より求められているのではないでしょうか？日本では米国のようにフェイルプルーフを想定した仕組みよりも、個人の考える力をもっと育成する方が、より効果的なような気がいたします。

■デジタルデバイドの罠�U

4 Jul 2000 05:29:34 最近のパソコンは３〜４カ月ごとに新機種が投入されて、あっという間に陳腐化した気持ちになってしまいますが、本当にそうなのでしょうか？ 業務用とはともかく、自宅のパソコンでメモリーやＣＰＵをガンガン使っていくようなやり方をしているようなユーザーは、実はそんなには多くはないのでしょうか。 Ｅメールとウェッブだけであれば、３〜４年前の９５機でもそれなりに動きますし、ネットの体感速度はトラフィックに依存しているので、そっちに投資をしたほうが、おそらく正解なのでしょう。 最近はＨＤＤ換装なども安くなりましたので、あれこれ手を入れて、今のマシンの性能をぎりぎりまで使い切るということが、本当は最もエコでもあるし、賢い使い方といえます。 また、ネットでもオークションがあちこちで開かれていて、消費者も結構賢くなってきている感じが致します。 新機種に目移りしつつも「今のは、まだまだ使えるよな〜」と悩んでいるデュークでした。

■デジタルデバイドの罠�T

3 Jul 2000 06:42:46 最近の「デジタルデバイド」という情報格差による様々の問題が、いろいろなところで騒がれており、沖縄サミットの主要議題ともなっておりますが、実はこれには裏があります。 これはクリントン＝ゴア政権の戦略で、ネット先進国の米国が南北格差の是正を唱うことで、世界の宣教師としての利益享受と、情報発信の中心地として世界を牛耳りたいという思いが、後ろに隠されております。 金融ビッグバンのときもそうでしたが、グローバルスタンダードの名のもと、常に米国は自国の権益をいかに広げるかということに躍起になっておりました。けっして彼等が通常唱える、他の国々の消費者の保護とか利益とかいう言葉は、本心ではないのです。 だいたい、国際社会で「May I help you？」などという言葉に、無邪気に乗ることはかなり危険なことです。 こんなときは「まあ遅れていくのもまた良し」ぐらいの余裕と度胸がなければ駄目なのでしょう。

■モヤシの森

2 Jul 2000 07:28:08 さて今日はちょっと目先をかえて、日本の森の話です。世界の森林面積は年々減って、いまや２５％以下になろうとしておりますが、その中でも日本の森林面積６６％という数字は、一見かなり立派な数字に見えます。 終戦後にはわずか十数％であった人工林も、いまや４０％を超えておりますが、その実、内容はかなり厳しいものになっているようです。 森林に維持に関与する者は５０万人から７万人以下に減り、民間林の所有者２５０万人の９０％は５ヘクタール以下の零細業者です。 安い輸入材に押されて、森林維持に情熱をもやすこともなくなり、いまや森林は荒れ放題。間伐もせぬまま、いまや日本の森林はモヤシ状態とも言えるようです。しかも、当時のセンスで生態系を考慮しないで、建材中心にやったものだから、スギや檜ばかりという変な植物相になってしまいました。スギ植林集中の問題は、近年では製薬業界にしか恩恵を与えない事態を引き起こしている、ということは良くご存じのことです。 とはいえ、これだけの森林を健全に維持運営していくためには、２０万人の森林業者と８０００億円の予算が必要となってしまいますので、これもまた現実的ではありません。いったい日本の森はどうなっていくのでしょう？

■北欧に学ぶ

1 Jul 2000 07:30:33 エコの話となると、とかく「規制」とか「禁止」とかのネガティブな話になりがちですが、「効率化が実はエコである」という側面からの話をしてみたいと思います。 フィンランドは、ノキアなどハイテク産業で発展している国ですが、環境立国という点でも、かなり傑出した施策をとっている国です。オウル市という人口１２万人ぐらいの町が、北極圏からわずか１００キロあまりという場所にありますが。 ここでも面白い街作りが行われております。この国は当然寒い時期が多く、高熱暖房コストがかさむという感じがありますが、この街では住宅を街の中心に集結することで、エネルギーの伝達ロスをセーブしております。 エネルギー源は、市の郊外にあるこの辺りで採集される泥炭発電所が担っておりますが、発電に伴う余熱も逃さず、市民の暖房用として活用しております。電力は町の需要の９８％をカバーし、余熱も８０％が活用されております。電力と熱を別々に供給するよりも、エネルギーコストは３０％も削減できるようです。これは、住居を集中化することによって出てくるメリットです。 集中化のメリットは他にもあります。各戸が近いため自転車利用が盛んになっております。これを促すために、自転車道路はこの６年間で１００⇒３００キロにも伸び、自転車はますます市民の重要な足となっているようです。 この北欧人の知恵のすごさは、「エネルギーを如何に有効に利用すれば良いか」という積極面で、町づくりから始めていることにあります。

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