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■サンマの話

30 Sep 2000 06:29:02 日本人として、秋になって食べたいのはサンマです。小生もかすかに七輪からモクモク出るサンマの煙を憶えております。これが日本人の原風景なのでしょうか。かってドイツに駐在しているとき、アジア食材店で冷凍サンマを見つけたときの喜びは、恥ずかしながら結構大きいものでした。 そんなサンマ好きですので、先日も魚屋に良いのがあったので、さっそく買って食べてみましたが、とっても美味かったですね〜。日本人に生まれて良かったなあと思える一瞬です。 さて、一般的には北太平洋にしかいないサンマは、秋になると、千島列島付近から産卵のため北海道から青森-宮城-千葉と南下してきますが、中には変わった群もいて、日本海から津軽海峡を通ってこれに合流するものもいるそうです。 ところが日本海で捕れるサンマは脂ものって大きいのですが、どうにも美味しくないらしい。エサとなるプランクトンのせいだと云われております。また一部はアメリカ沿岸にも流れるそうですが、水温が高いために寄生虫が多くなってもっぱらキャットフードになってしまうそうです。やはり「サンマは目黒に限る」というわけでしょうか？

■神田川

29 Sep 2000 08:15:38 今日は毎朝電車から川面を眺めている川のお話。その川とは、ウナギの話で一度取り上げている「神田川」ですが、ここには以外と多くの魚が住んでいることを最近知りました。 井の頭池を水源とする全長２４kmの神田川ですが、ここにはコイだけでなく、タナゴ、ドジョウ、オイカワ、メダカ、ナマズ、ハゼ、ライギョにソウギョまでいる様子。もちろん悪役のバス/ギルのサンフィッシュ兄弟も棲息。カメではミドリガメ以外にスッポン(料理屋から脱走？)まで確認されているようです。意外としたたかな魚達にちょっぴり敬意を表したりしたくなってしまいます。 聞いたところでは、これらの魚のうち十三種ほどが、三年ほど前までＪＲ水道橋駅の水槽に「神田川の魚たち」として飼われておりました。環境保全のＰＲとしてはいい試みだったのですが、駅の改築でいまは撤去されてしまいまことに残念な事です。

■親水護岸の欺瞞

28 Sep 2000 05:47:37 今日は名古屋に投宿。列車から見える河原には、先日の洪水禍の爪痕が色濃く残っておりました。つくづく河川を御することの難しさを感じました。 さて今日はそれに関連して、河川工事のお話です。最近では「多自然工法」という名目で、親水テラスや親水護岸を作って、人と川との接点を増やそうという試みがあちこちの河川でおきております。 ところが悲しいことに、これらの工法は水の上の景観を重視するあまり、水面下の護岸は垂直に切り立って作られているのが殆どのようです。 こうすると多くの弊害が出てきます。河川の再生力は浅瀬や干潟、葦の原や捨て石などによって、微生物の繁殖やガス交換が行われて浄化をされるわけで、そこの上に河川の生物相や生態系が築かれるわけです。 一見美しいテラス護岸も、垂直に切り立ったカミソリのような護岸のため、河川を航行する船の横波をまるで減衰しません。大型運搬船などが通ると、２０〜３０分間の間、横波が消えないことなどをしばしば見ます。 かってのコンクリ護岸でも、斜めに入っているために、岸に着いた横波の消波効果はありました、垂直護岸は生態系を寄せ付けず、いつまでも波も打ち消えることはありません。 そういえば隅田川の駒形橋〜白髭橋の間で毎年行われる「早慶レガッタ」でも近年は横波をうけて、ボートが転覆することがしばしばだとか。これも伴走船や警備艇の起こす横波が、両岸で減衰せずにおきている話を聞いたことがあります。河川の治水と自然との共存を上手く折りあわせるのは、なかなか厄介なことですが、どこの時代でもヒトの浅知恵が自然に負けているような気がするのは小生だけでしょうか？

■イクスピアリの感想

27 Sep 2000 05:37:05 今日はチョット仕事の話、とはいっても舞浜のイクスピアリ。昨日用事があってフラフラと見に行ってまいりました。ディズニーランドの求心力にも負けずに、かなりの人を吸収しているという評判でしたが、南欧の様なこだわりのある街並みの仕掛けは、さすがでしたね。 レインフォレストカフェやアランウォンのハワイ料理など、レストランは面白いのがかなり入っていて、交渉の大変さを思いましたが、ショップ系は特段珍しいモノは少なかったようです。ところが売れているらしい。単にモノを売る、安くてモノが良ければヒトは買う、というロジックだけでは、この街の成功はなかなか説明は出来ないのでしょうね。 一般的な日本人には、ちょっとこそばゆいバレイパーキングや、かなり凝ったキッズルームに子供を預けちゃうというのも、家族で楽しむＴＤＬとは１８０度違う思い切った演出。ゆったりとした居心地の良い空間演出ということが、実は購買のモチベーション要素として、かなりの比重があるということを改めて感じました。日本にもこのようなモールが出来てきたのは驚きです。

■日本水準原点

26 Sep 2000 06:56:04 朝が次第に涼しくなってくると、夏ばてのリカバリーもあり、早起きの小生でもさすがに寝起きが悪くなってまいります。釣りには良い季節ですが、ぐうたらな身としましてはフットワークが悪くなりそうで心配です。 (-_-)zzz さて本日は「日本水準原点」の話。この言葉は普通の人には馴染みのない言葉ですが、海抜ＸＸメートルとか標高ＸＸメートルなどという言葉の基準となる、海抜の水準点を指します。これがないと全ての測量が出来ません。じつはこの水準原点は国会議事堂前庭にあって、海抜２４．４１４０メートルを示しております。 この元となる「海抜ゼロメートル」の海面は、東京湾奥中央区の「霊岸島」の平均海面を、明治の始め六年間の潮位データに基づき、明治１７年に取り決められました。この場所は新川二丁目の隅田川に亀島川が交わるあたりで、大川端リバーシティに繋がる中央大橋ののそばにあります。今は海面というより、隅田川そのもので、古地図を取り出して調べても、やっぱり河口部の中のポイントです。じつは海抜ゼロメートルとは隅田川の平均水位なんですね〜。 さて国会議事堂にある「水準原点」は、この海抜ゼロメートル基準を表示しておくために、明治２４年に作られたもので、ズレを防ぐために、基礎は十メートル以上掘り下げて固められているそうです。 河川内の水位とはいえ、平均潮位で海抜ゼロメートル地帯を定義しているわけで、そうなると満潮時には、実際はもっと多くの下町が海面下になってしまうということですから、この海抜という概念は、けっこういい加減なところがあります。

■秘境 隅田川のコイ

25 Sep 2000 06:09:16 かってのドブ川から再生しつつある隅田川、シーバスに限らず、ボラやサッパなど海の魚も戻って来つつありますが、淡水魚でもコイが育ちつつあるようです。 川の浄化と再生のシンボルとして、流域では多くの放流がされてまいりました。例によってシブトイ魚ですので、富栄養化状態と相まって、かなり成長しており、尾久〜千住近辺ではかなりの大型の姿が見られるようになりました。 もちろん、この上ない河川環境の隅田川でコイ釣りをするような人は限られますので、そのうちここは大ゴイの秘境？となるはずです。

■日米クジラ戦争

23 Sep 2000 12:56:06 北西太平洋へ出かけていた、日新丸を母船とする調査捕鯨船団が帰国の途につきました。今回の拡大調査捕鯨では、ミンクに加えてニタリクジラとマッコウクジラという、近年増えている大食らいの二種が加わりました。 今回の調査捕鯨は、国際捕鯨取締条約には準拠されたもので、索餌生態の実態解明だけでなく、海洋生態系の頂点に立つクジラ類への汚染影響調査などもテーマとしてあげられており、科学的＆ニュートラルな視点からは意義のあるものとなっております。ところが好むと好まざるに拘わらず、世界はいまや別のパワーによって恣意的に運営されているというのもまた事実です。 調査捕鯨の完遂で、ますますアメリカから制裁が発動されそうな雰囲気になってきました。おそらく当面はアメリカ沿岸２００海里内の漁業締め出しと、あまり影響はありませんが、大統領選の時期ですので、一部のエモーショナルな集団のプッシュで、おそらく過激な制裁発動になってしまうかも知れません。 先月(18日)にも日和見ノートで紹介しましたが、まあ何事にもお節介なのは、大昔からアメリカの風土ですので、刺激してしまったいまでは、何を言っても仕方がありませんが、東洋哲学的には牛もクジラ論を繰り広げても収まらないのは明々白々だし、困ったことになりました。

■お台場の話

22 Sep 2000 12:06:44 いまやトレンディスポットとして有名なお台場ですが、台場そのものの話を今日はしてみたいと思っております。 大正時代に都に払い下げられた台場のうち、第三台場は公園として解放されて、昔から釣りや海水浴客に親しまれてまいりました。今はレインボーブリッジで繋がっておりますが、田町駅から「たまち丸」という連絡船が３０年ほど前まで通っていたそうです。 石垣や土塁で囲まれた内部は、風も穏やかで、小生も好きな場所です。春には結構いい花見スポットにもなります。 ただし、ここには悲しい想い出もあります。ここは隅田川の流れがあたる場所で、関東大震災や東京大空襲のときには、多くの犠牲者が流れ着いたそうです。そのようなこともあって供養塔や、卒塔婆がいまでもひっそりと立っているということは、後世の繁栄を謳歌している我々は、知っておいたほうが良い話でしょう。 第三台場より３００ｍ先には、五角形の第六台場が東京港にぽっかりと浮かんでおります。ここはペリーの浦賀来航のときに急遽作り上げた砲台島で、高さ５ｍの石垣で囲まれたこの人工島は、いまでも人の立ち入りは禁じられております。 学術調査で云った人の話では、草僕生い茂り昼なお薄暗く、踏み固められていない土は軟らかく、多くの珍しい植物や鳥などが一杯いるようです。 人口島にもかかわらず真水のわき出している井戸さえあるとか。人を入れぬという英断を下した、当時の都の判断は素晴らしいものです。 レッッボーブリッジから発する光や騒音、排気ガスが、この東京のど真ん中の大自然にどのような影響を与えるのか心配ですが、人の足が入らぬ限り大丈夫でしょう。 人は自然を欲しますが、人が入ってくると自然がどんどん消えていく、地球上でこのような妙な生き物は人間だけでしょう。

■安房の頼朝伝説

21 Sep 2000 05:56:23 ときは１１８０年、源氏再興に燃える源頼朝が、安房の豪族を頼って勝山（鋸南町）に上陸したときに、里人から大歓迎を受けました。このときに接待をした里人に、「わしが天下をとったらお前たちには安房一国を贈ろう」と言ったところ、里人は「粟一石」と勘違いして、「いえいえ、わしらには粟は十分にありますので、名字を頂きたい」と答えてしまった。 頼朝にとっては、あまりに欲のない返事に「そうか、ばかだな〜」と思わず言ってしまいました。またまた早合点した里人たちは、さっそく「左右加：そうか」と「馬賀：まか」を姓にしたといいます。 今もなお、この両家は栄えているということで、小賢しくなく欲もないことが、その家を８００年以上栄えさすということを、はからずも歴史は教えているようです。

■高齢化社会の悪夢

20 Sep 2000 05:39:56 政府の発表によると、６５歳以上の高齢者は昨年より約７４万人増えて、２１９０万人と過去最高値を更新。総人口に占める高齢者比率も１７％に達し、いまや世界三位の老人大国。 ２０年後には３３００万人と総人口比２７％となってしまいます。出生率の低下もあって、だいたい３０年後にはかなりシブイ国になること間違いなしです。地上波デジタル放送には老人チャンネルなど複数あって、若者向け番組が殆どなくなります。 釣り番組はありますが視聴者はみなご老人ばかりです、そのころは周りに自然もなく、若い人はオジン臭い釣りはやらなくなってしまいます。日本の内水面は外来魚が日本の固有種を駆逐し、どこの池や川にもバスしかいなくなります。子供達は日本の魚を見学にお金を払って水族館に行って、フナやメダカを見ます。 若い人の姿がみえない池や沼では、お年寄りが老人ホーム対抗バス釣り大会をやっています。エサとなる固有種がいなくなってしまい、どのバスもすっかり痩せているようです。 さて、ゴミだらけの鶴見川は、その流呈の殆どが都市化のため、蓋がされ暗渠となってしまい。釣りをするような人はもうおりません。ときどき地上に現れる川面をのぞくと、おやおや、天敵のいなくなったコイ君達がしぶとく泳いでおります。そうです日本の魚で残ったのは、ダイオキシンにも負けないコイ君だけでした。

■魚は山にいる

19 Sep 2000 06:29:28 いまや船舶の運航は、レーダーと衛星によってハンドリングされているそうですが、その昔は灯台や山だよりでした。とくに浦賀水道や東京湾のような狭い湾内を航行する際は、観音崎、猿島、大山、池上本門寺の森、船橋大神宮の森、鹿野山などの目標を「アテ：山」と呼んで、自らの舟の位置を確かめました。陸の遠近二目標を左右二方向に選び、それぞれの重なり具合で漁場や航路を記憶したようです。 タイトルはこのような経験則から、漁師の間で言い伝えられた言葉のようです。ところが夜間はこれらの「アテ」は見えず、夜は羽田弁天、神田明神、船橋大神宮などの寺社の灯明を目標にしたと云います。

■ビール五輪

18 Sep 2000 05:33:05 世界各国のビールの消費量調査結果（９９年）が、このたびビール会社から出されましたが、消費量では我が日本は５位。金メダルはアメリカで、銀は近年猛追している中国。銅はドイツという結果でした。 男どもからフェロモンの抜けた日本は、ビール消費量も伸び悩んでおり、このままでは近年ビールに目覚めた北極熊、ロシアに追い抜かれるのも時間の問題かもしれません。 　　（万キロリットル）　伸び率 金：米　国　　２３６５（＋１・２％） 銀：中　国　　２０７３（＋５・６％） 銅：ドイツ　　１１２８（＋１・０％） ４：ブラジル　　７８８（△３・４％） ５：日　本　　　７２２（＋０・１％） ６：メキシコ　　５８０（＋４・３％） ７：英　国　　　５７８（＋２・１％） ８：ロシア　　　４３２（＋２７・２％）

■濁流

17 Sep 2000 11:06:30 台風が近づいているにも拘わらず、もしかしたらと鶴見川に行きましたが、物凄い濁流。当然水かさも多く釣り座も冠水しているので釣りにならず。 「こりゃ、駄目だ〜」とヘラヘラしていると、クラクションがして、見るとＷＡＸＭＡＮ氏のクルマ。乗せてもらって下流の彼のポイントに行くが、ここも濁流ゴーゴー。結局あきらめました。こんなときコイ君たちは、どこでどうしているんでしょう？ 家に帰って新聞を見たら、境川に足を滑らせて落ちて、町田から片瀬海岸まで２０km流された人が重体とかいう記事が載ってましたが、あのような濁流ではさもありなんという感じです。 普段は大したことのない川も、都市化が進んでしまったので、保水するところ無く、一雨くれば一気に流れ込んで濁流というパターン。あらためて川釣りの怖さを感じました。

■内水面のエコ水運

16 Sep 2000 06:12:06 今日は内水面交通の話にちょっと触れたいと思います。たとえば「荒川」の河畔に一日座っていると、小さなタンカーが行き交っている光景を見ることが出来るでしょう。ここには２００〜４００トンの内水面用のタンカーが、一日で約４０隻運航しているそうです。 一隻のタンカーにはタンクローリー４０台分のガソリンを運ぶことが出来、例えば４０隻のタンカーが就航すれば、１６００台のタンクローリーが減ることになって、その分東京の渋滞は緩和されるということになります。 一隻あたり３人で運転してますので、４０台のタンクローリ運転手にくらべ人件費も減りますし、二酸化炭素排出量も１トンを１キロメートル運ぶのにタンクローリは４８グラムの炭酸ガスを排出し、河川タンカーでは１０グラムで済むといった案配です。 このように内水面交通は意外とエコであることが分かってまいります。 懸案のスピードは都心の平均速度はいまでは時速１２キロといったところですが、河川タンカーの平均速度は時速１９キロとなり、荷揚げの作業のロスを考えてもそれほど水運はカメではないことが分かります。 もっとも今は親水河岸が普及し始めておりますので、水辺には人々やボート、カヌーなどが行き交いますし、貴重な資源のヨシ場や干潟もありますので、それらをディスターブしないようなアプローチが必要なのはいうまでもありません。

■豪雨禍�U

15 Sep 2000 09:26:13 洪水の話をしていたら、もう少し書きたくなったので第二話。豪雨により道路冠水した場合にクルマは弱い。膝上の高さの水位で浮いてしまい、危険なので路肩にとめて、キーを付けて(車検証は必ずもっていく)さっさと逃げた方が利口です。歩く場合は道路の中央部が一番高いので、そこを棒で探りながら歩く。決して路肩を歩いてはいけません。水圧で側溝の蓋が外れていることも多く、それは上からでは分かりません。伊勢湾台風ではここにハマってながされた犠牲者が多くでました。 阪神大震災では活躍したケータイも、その後加入者が増えた関係か、今回は回線がパンクして使えなかったようです。やはりテレホンカードや十円玉は必要なのでしょう。意外と活躍したのがマイナーなＰＨＳ。中継器のある電信柱があまり倒れなかったこともあるのでしょうが、さて地震や台風となると？？です。 ともあれ文明の利器はあまり役には立たないようで、基本は日頃からの防災用品の準備や、自然の力に対する慎重さが必要なのでしょう。

■豪雨禍�T

14 Sep 2000 05:53:23 このたびの名古屋の豪雨は想像以上で、雨の強さを示す気象庁の新しい解説用語によると「滝のように降る」というのは５０〜８０ミリ程度で、今回のは１１４ミリ！現地からのレポートでは「息苦しくなるような圧迫感で、恐怖を感ずる」ものすごさだった様です。軽々な評価は控えますが、一日も早い復旧をお祈りいたします。中京人の粘り強さで頑張っていただきたいものです。 さて今回の豪雨では、いたることろで河川が氾濫し、あらためて「治水の限界」の意味を考えさせられました。建設省がメンツをかけてやった河口堰のある長良川や木曽川、揖斐川などの大河川は１００年に一度の大雨でも大丈夫だったのでしょうが、河川は網の目ですので中小河川で決壊すれば、被害は避けられません。 今回の洪水氾濫被害はほとんどが中小河川だったようで、氾濫した新川や天白川は時間雨量５０ミリ(５年に一度の大雨という)が設計基準になっておりますので、今回のケースではほとんど無力です。 都市化の進行で水田や山の保水キャパが減って、雨が一気に河川に入ってしまうという点と、地球温暖化の影響による渇水と豪雨の偏差が狭まって来ていることもあるでしょう。１００年に一度が、そうでなくなっていることを受け止めて、大きな環境パッケージで国土や住民の損害を守るようなモデルの構築が急がれます。

■彩湖

13 Sep 2000 05:22:30 このたびの名古屋の豪雨禍は想像を絶するものだったようで、被害に遭われた方々には、こころよりお見舞い申し上げます。一日も早い生活基盤の復旧を念じております。 東京都と埼玉県の県境を横切る、荒川の脇に５．８キロ�uの巨大な人工湖があります。これは荒川の増水対策の一環で１９９７年に完成した「荒川第一調整池」ですが、愛称は「彩湖」としゃれております。 増水時に東京ドーム３２杯分の水を貯えて、下流部の洪水を防ぐ一方、貯められた水は首都圏の水道用水にも利用されているようです。 ここで注目されるのは、池の一部を自然保全ゾーンとして、護岸に土をかぶせて樹木を植えて、全面立入禁止にしたということです。これは英断、何といっても自然環境の大敵は、現代の最悪ウィルスともいわれる「ヒト」です。 自然が破壊されてしまった環境に、新たに「自然環境」をつくるという試みは、短時間には結論は出ないでしょうが、極めて興味深いものがあります。すでにチョウゲンボウやコミミズクの巣も確認され、池ではワカサギが大発生したとか。もしかしたら２０年後に、私たちが想像もつかないような面白い結果が出てくることを期待して止みません。

■カキ殻と水路浄化

12 Sep 2000 18:47:28 今日は二日酔いで、日和見ノートの発信がおくれてしまいました〜。さて今日は、二日酔いに面にも効くという、カキに関連したお話です。 カキの貝殻は廃棄物としてしか扱わないものだと思っておりましたが、意外や意外、水質浄化のために役立っているそうです。 宮城県の森越戸水路という場所は生活排水が未処理のまま流れ込んでいた、いわゆるドブ川で、ヘドロ、悪臭、ユスリカの大量発生など、付近の民家は窓を開けられない状況でした。汚れた水路にはさらにゴミの不法投棄を招き、どうしようもない状態でした。 そこで、活性炭や礫にくらべて、入手のたやすかったカキの貝殻に目を付け、貝殻をネットに入れて水路の底に敷き詰めることによって、４５ピコもあったＢＯＤが、敷設の１時間後にネットを張った４５０ｍの区間の終点部では、測定値が１８ピコまで下がってしまったというスゴイ効果がでたようです。 いまでは水路にザリガニやフナまで戻ってきて、住民の環境意識も高まって、ゴミも減ってきました。 これに応えるべく、行政側でも、曝気装置の設置や、水量の減る冬季には地下水の汲み上げ放流なども行い、来年度には下水道も整備する予定とか。用済みのカキ殻で水路が一つ再生しつつあるという、ちょっと良い話です

■多摩川下流部の非日常的光景

11 Sep 2000 06:37:18 先日多摩川の下流部に行きました。狙いは汽水域のコイ釣りだったのですが、残念ながらスカとなってしまいました。 ところが下流域（ＪＲ鉄橋付近から下）では結構異様な光景がありました。 まずはホームレスの数。この数たるや鶴見川下流部とは比較になりません。「川崎市の温情行政の賜もの」でしょう。 リクルート下の河岸にはテラスハウス形式に、例の段ボールとビニールシートのホームレス館が連なって、六郷橋の下では釣りをしておかずを釣っている御仁もおりましたね。 彼等なりのルールがあるのか、全般的に危険を憶えるようなそぶりもなく静かなものでしたが、これだけ集結すると近隣の住人には不興をかっていること間違いないでしょう。 それから六郷橋の橋桁(中央部の橋桁、上の歩道から侵入できるらしい)では、近所の少年達でしょうか、なんとダイビングをやってました。キレイになってきたとはいえ、そこは下水の水が大半の多摩川でこのような所業をしているヒトがまだいたことには目が点。 ホームレスのすぐそばの河岸でお弁当を食べているアベックや、六郷橋にいたチンドン屋ご一行などなど不可思議な光景が次々と。小生の感覚からすると、とってもシュールな一時を過ごせたことは非常に貴重な体験でした。

■ドナウ川とレーゲンスブルク

9 Sep 2000 10:18:57 いうまでもなく、東西ヨーロッパをつなぐもっとも有名な川は、全長２９００キロにおよぶ「ドナウ川」です。同じ南部ドイツのシュバルツバルト（黒い森）を水源としますので、北海に注ぐ「ライン川」とは同じ水源であるといえます。源泉については諸説がありますが、最上流のフルトヴァンゲンという村の説をとると、両河川の源泉の位置は１００ｍしか離れていないようです。この１００ｍを境に一方は北海に、一方は黒海に数千キロの旅を行うわけで、感慨深いものがあります。 よく「ファーターライン：父なるライン」に対して「ムッタードナウ：母なるドナウ」という形容がされて、ヨーロッパの内陸水運の大動脈、あるいはオリエントからの物資の受入口としても活躍してまいりました。河川の風景も非常に魅力的で、女性らしさを感じてしまいます。 小生が好きだったのは、「オルフェウスの窓」でも有名な、南ドイツの都市「レーゲンスブルク」です。ここは中世の古い町並みがまだ至るところに残っていて、町のはずれをドナウが走っております。かってレーゲンスブルクの商船はドナウを行き交いして、その勢力は遠くコンスタンチノープルやキエフにまでおよび、１５世紀にウィーンに主役の座を譲るまでは、中欧(ミッテル-オイローパ)の商業取引の中心をなしておりました。 ここで泊まるホテルは、お気に入りの河畔のこじんまりとしたホテル。朝食を摂りながら運河をクルーズする観光船(とはいってもかなり巨大な船)を眺めたり、昼下がりに河畔のカフェでドイツビールと、レーゲンスブルガー(ニュルンベルクなど南ドイツの街に多い、小型のソーセージ)をのんびりと食べるというスタイルはたまりませんでしたね〜。

■早川雪洲

8 Sep 2000 06:04:34 南房総の千倉七浦は、ヒラスズキの黎明期から有名な釣り場で、小さい頃から小生も親しんできた町ですが、実はこの町の出身で日本人で始めてハリウッドのスターになった人がおります。 早川雪洲(せっしゅう：本名は早川金太郎）は明治２３年に七浦村千田で出生。家は千田の網元であったと云います。千倉沖は船乗りにとっては難場であり、あるとき米国籍の貨物船が座礁、幸い船員達は七浦の漁師たちに共助されたが、誰も言葉が通じない。そこで当時海軍にはいるために英語を勉強していた雪洲少年が活躍。これがきっかけとなってアメリカに渡って、シカゴ大学に留学。そしてチャンスを求めてハリウッドに入門。 １９１５年制作の「ザ、チート」で白人妻にいいよる邪悪な日本人プレーボーイ役で任期を得ました。その後ハリウッドに豪邸を建てて見事にサクセスしましたが、１９２０年代に始まる日本人排斥運動によってＮＹそしてパリに移住。パリで第二次世界大戦を経験し、戦後はハンフリーボガード主演の「東京ジョー」(1949)で復活。その他「緑の館」ではオードリーヘプバーンとも共演、「戦場に架ける橋」(1958)では日本人将校役を好演致しました。 このように千葉の片田舎から日本を代表するような俳優が出たことは、同じ千葉県出身のデュークとしては嬉しいことです

■日本人の良さって

7 Sep 2000 05:56:59 久々のまとまった雨は良いのですが、夏ばてでやや疲れ気味の今日この頃。季節の変わり目でもありますので、皆さまお身体くれぐれもご自愛ください。 ところで、最近の新聞を読んでがっかりするのは、手抜きや不注意、ずさんな管理などから大きな事故や事件が起きていること。新幹線のトンネル壁崩落や地下鉄事故から始まった、同根の問題は医療ミス、保健所の検査ミス、食中毒、化学工場の爆発、警察、リコール隠しの問題などなど、類挙にいとまがありません。 国土が狭くて資源もない、こんな国でも世界の中でそれなりの立場を得てきたのは、「勤勉さ」と、その根底にある「丁寧さ」「几帳面さ」だったような気がしております。 マニュアル整備がどうのこうのと評論家諸氏は云いますが、昔から日本にはそのような形式知文化はありませんでしたが、熟練工の伝承や、あうんの呼吸で社会システムのなかでは高い品質は維持してきたはずです。 どうも、アングロサクソンの口車に乗せられて、日本人を支えてきた精神構造社会構造そのものが崩れている、そんな懸念はますます強くなるばかりです。

■日比谷のノリ

6 Sep 2000 06:51:44 待望の雨です。これで枯れきった河川のかなり蘇るはずです。週末はビシバシ行きたいところですが、所用雑用が諸々あってままなりませんが、間隙をついて釣行したいと念じております。 さて今日は一転して、食い物の話題です。実は小生は海苔が大好物。情けない光景ですが、ビールやブランデーのつまみがないときはパリパリ食べながらやっております。 さて、この海苔ですが、その昔は「浅草海苔」の名のごとく、江戸前では良質の海苔がとれたそうです。これは隅田川の真水と東京湾の塩水がうまい案配に調和して、海苔の生育には非常によい場所だったためです。 ところが、浅草は元禄年間の地震で隆起してしまったため、海苔ヒビ(海苔を付着させるための竹や木)にいい場所は品川や大井羽田、葛西浦安方面に散ってました。当時では、いまの日比谷の地は江戸城眼下の入江、そこに海苔ヒビが多く見られたことから「ヒビ谷」と言われて、その名前が残ったようです。でも「日比谷海苔」では響きが良くないですね。 海苔といえば「浅草」というほうがやっぱりシックリ来るようです。

■遊漁税

5 Sep 2000 04:38:58 ようやく朝晩は涼しくなりました。できればこのまま秋に突入と行きたいところですが、暑さもまたぶり返すという予報で、なかなか思うようには行かないようですね。 さて今日は「新税」の話題。先日の新聞に、河口湖では釣り券に２００円程度の「税金」を上乗せして、駐車場の整備費やトイレの新設、湖に捨てられた釣り糸の除去といった湖畔環境整備費用に充当するそうです。年間３０〜４０万人といいいますから、税収は７０００万円ほどと、結構な額になります。 これは、今年から施行された法定外目的税適用の始めてのケースになりますが、今後このような動きは地方分権化の促進とともに、各自治体での導入が増えてくることが予想されます。 日本全国、ほとんどと言って良いほど、有名な釣り場は、釣り客が残したゴミや釣り糸、ハリなどが散乱しております。出したゴミは自分で処理するといった、当たり前のことすら出来ない、日本の釣り人の姿を思うにつけ、これぐらいの措置はしないと仕方がないのかもしれません。

■リョービ

4 Sep 2000 05:22:23 大手の一角を占めていましたリョービが、今月末で釣り具部門をＪ屋に売却することになったようですね。同社にとっては釣り具部門は５％程度の売り上げと、あまりインパクトはなかったのでしょうか、本業のダイカスト技術を生かした、精度の高いリール類は小生のお気に入りでした。 とくにプロスカイヤーという完全平行巻きの遠投用リールは、素晴らしい出来でオリムピックの９３などとともに、日本技術ここにありを示した、まさに銘機だったと、一ユーザーとして今でもなお感じております。 Ｊ屋は茨城の地から全国制覇をした釣り具商。近年では販売のみならず自社ブランドも製造（ＯＥＭ？）して、勢力を伸ばしている様は、あたかも日本経済がプロダクトアウトから、マーケットインの時代に移ってきた時期と呼応しております。かって「ＴＦＲワールド」という南房館山を本拠地とする釣り竿メーカーがありましたが、ここの竿は磯竿はじめ玄人受けするモデルが多く、少年だった小生もあこがれたものでした。時代の潮流に逆らえず消えてしまいました。 ブランド名は残すとのことですが、このようにある種のスピリットをもったメーカーが減っていき、ユーザーに敏感な（＝媚びた）ブランドばかりになっていくのは、時代の流れとは云いつつ、小生としては何やら寂しさを隠せません。

■フライロッド購入

3 Sep 2000 07:38:20 二年前のサクラマス放流会でのオークションで買ったとき、これほど活躍するとは思わなかったフライ竿、オービスのトライデント９０６。釣り上げた鯉の数はしれず、このたびジョイント部が曲がってしまい、とうとうリペアのため入院することになってしまいました。 米国に送る関係で、三ヶ月間ほどの入院となってしまうので、その間コイフライを止めるという訳にもいかず、昨日新宿のサンスイで入院手続きかたがた、新ロッドを物色いたしました。 あまりあれこれ考えずに店員のリコメンドで決めたのは「米国スコット社の７番」。バットがシッカリしている点と、アクション＆仕上げが一発で気に入ってしまったためです。それからメンテナンスフリーという生涯補償。これは万一ロッドブレイクしてしまった際も、米国への郵送料だけの自己負担で直してくれるという制度で、どんなサイズが来るのか分からないコイフライ師としては魅力的なシステムです。 さて、このロッドでどのような成果を得られるのか？また楽しみが増えました。

■ダイオキシンアナゴ

2 Sep 2000 06:20:09 ウナギに劣らず、アナゴも小生の好物ではありますが、最近の環境庁の発表によりますと、多摩川河口部で採集されたアナゴから３３ピコグラムという高濃度のダイオキシンが検出されてしまったそうです。何とこれは基準値の１１倍もの効率。 ちなみに柳橋（神田川と隅田川の合流部）で採集されたサッパとスズキからも２７〜２８ピコグラムが検出。これらのことから、ＢＯＤなどが比較的好転してきた湾奥河川河口域では、ダイオキシン汚染が依然として深刻な状況であることが分かります。 影響が減衰せずに、ひたすら蓄積していくダイオキシンの怖さを改めて感じるとともに、ダイオキシンの発生源となるゴミを少しでも減らしていかない限り、かっての美味しい江戸前の魚を復活することは出来ないのだと感じました。

■ゴミの話

1 Sep 2000 07:14:52 先日も鶴見川に行くと、河原にはゴミが散乱。気休めにもなりませんが、たまたま持ってきた袋に詰め込んで、近所のゴミ箱までもっていきました。まあ川で遊ばせてもらっているのですから、時々これぐらいはやらないとね。 そういえば、最近はコンビニでも、一寸したモノを買うときに「袋に入れますか〜？」という問いかけが普通になってきましたね。石油もろくに出ない国がポリ袋をホイホイ受け取り、ホイホイ捨てていくような、いままでの風潮はどこかおかしいなとは思っておりましたので、この傾向はたとえ本音がコンビニ側のコストセービングだったとしても歓迎すべき事なのでしょう。 ようするに「ゴミを出さない」ための根本は「ゴミになるモノを買わない」という瞬間から始まるわけで、むやみにポリ袋にいれてもらうことは慎まなくてはならないと小生自身思っております。

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