Hiyorimi-Note

■Ａ．Ｐ．０ｍ

28 Feb 2001 06:28:39
日に日に夜明けが早くなってきて、六時半前後に小生が毎朝電車から見る多摩川のうえにも大きい朝日が昇るようになりました。

荒川基準点（A.P.0＝Arakawa Peil Zero)は荒川（現隅田川）の川床を示し、そこから１．１３４ｍの高さにある「平均潮位海面」を東京湾平均海面(T.P.0＝Tokyo Peil Zero)と呼ぶそうです。Peilとは基準というオランダ語です。明治時代の始めに治水事業を指導したのはオランダ人技師であったためです。
中央区新川の亀島川河口部にちかい「霊岸島水位観測所」は、かっての陸軍参謀本部陸地測量部（いまの国土交通省国土地理院の前身）の監督下にあり、日本の標準水位を決めてまいりました。いまでは三浦半島油壺に全国統一水位観測所は移転してしまいましたが、日本の基準水位が隅田川の川床から始まったというのも面白い話です

■廃河川と銀座ナイン

27 Feb 2001 07:18:03
昨日は高校時代の悪友たちとの飲み会が、自宅とは正反対の千葉でやるにも拘わらず、ホイホイと出かけてしまいました。楽しい酒でしたが帰宅も遅くなってしまい、本日は多少やつれ気味ではあります。

さて今日は都内の廃河川の話です。戦後の東京復興でまず問題になったのが、空襲による「がれきの山」。これを処理するために江戸の世から使われてきた多くの堀割や河川が、その捨て場という名目で埋め立てられてしまいました。
中央区と港区の境界を流れていた「汐留川」もその一つです。いまでは首都高速会社線という名前で使われておりますが、その下は河川を埋め立てた上に立てられた雑居ビル。かっては「新橋センター」とか云われてましたが、「銀座ナイン」と呼ばれているショッピングビルです。とはいっても銀座９丁目なる地番があるわけではなく、両区の調整が難航し帰属が決まっていないエリアです。便宜上は出口が銀座側にあるので銀座８丁目という扱いにはなっているようです。
なお、この会社線の下のビルは汐留川に沿って北に伸びておりますが、ここでも千代田区との区境帰属が定まっていないとか。かっての行政境界だった廃河川のうえの構築物ゆえの問題です。

■向島

26 Feb 2001 05:46:15
二月最後の日曜日は晴れましたが、土曜の雨と北風が強いので釣りはパスして、近所の緑地に出かけました。南側の日溜まりでは、街中では気がつかない色々な春の息吹が感じられ、何となく元気が出てしまいました。

さて今日は昔の治水事業の話です。昔の治水には瀬替えなど、結構割り切りがあってなるほどとうなずくものが多いのですが、神田川流域にもそのような痕跡が地名からうかがえます。
かっての神田川は堤防というのは南岸のみ、北にはなく、いわば外側の犠牲のもとに中心部の水害を避けていたそうです。今の治水行政では遊水機能の重要性を見直しておりますが、まあその先鞭的な発想があったのかもしれません。
南の土手には柳が植えられており、昼は古着屋が店をだし、夜は夜鷹が徘徊し、ちょっとした賑わいだったそうです。隅田川の合流部にあたる「柳橋」などはその名残なのかも知れません。神田川の北岸にあたる「向柳原」や「向島」などの地名からも、当時の低湿地だったエリアを連想させられる名前です。

■検索エンジン考

24 Feb 2001 07:20:45
ようやく気温が上がってきたと思ったら、今度は週末の雨。これで濁りや水温低下などで釣りもパーになってしまいそうです。(T_T)

さて今日は検索エンジンの話し。ＴＯＰページには「フレッシュアイ」をリンクしておりますが、最近人から勧められたロボット検索エンジン「Google」を新たにリンクに加えました。
フレッシュアイも鮮度検索（更新が新しいページの検索）には重宝なのですが、技術はまさに日進月歩、この「Google」はとにかくすごい。アルゴリズムが独特で、キーワードからの検索やそこからの絞り込みが実に正確。下手をすると非公開の隠しページまで探し出してしまうので、サイトマスターは気をつけなくてはなりません。
ページにあれこれ余計なバナーが張ってない点も小生好み。そんなわけで拙ＨＰのリンク集ページに追加いたしました。

それから、別の意味でのスグレモノ検索エンジンは「Wakano」ではないでしょうかね？これは人のフンドシで重複検索していくタイプのやつで、いちいち「Goo」とか「LYCOS」などをそれぞれ使いながら並列的に検索していくので、いちいち別のサーチエンジンを起動する手間が省けるというわけです。
でもこれをメインにしていくと、各エンジンのトップページにあるバナーはあまり意味がなくなってしまうのかも？
トップページがやや重いのが難点ですが、目の付け所が実にいい。

■釣り税について

23 Feb 2001 07:16:46
さて日に日に寒さが緩んできましたが、今度は花粉症が襲ってきました。しばらくは辛い日々が続きそうです。
さて今日は釣り税の話題です。河口湖ではようやく「遊漁税」が可決されました。これは昨年から始まった地方分権整備法の一環の「法定外目的税」の適用第一号。
一回当たり２００円を遊漁券に課して、釣り客のゴミ対策や駐車場などの湖畔環境整備に使っていくというもの。税金という形で徴収するため使い方がガラス張りとなり、その点でも効果は大きいと思われます。
残念ながらマクロで見た場合、日本の釣り人は一部を除いて、環境意識に欠ける人が多いのも事実です。教宣活動や指導という問題は、本来は避けては通れませんが、目下そのような体制もなく、もし出来たとしてもこれが実態に反映されるまでには、相当の時間がかかってしまうと云うこともあります。
狭い日本に多くの釣り人。いまや環境はコストそのものであり、環境を利用するものには応分の負担が必要となってくるのでしょう。この遊漁税のような形で強制的に徴収していくこともやむを得ないのかも知れません。

■河川敷は誰のもの？

22 Feb 2001 07:29:10
多摩川六郷橋から１キロ上手の東京側河川敷に「ひょうたん池」という名の池があります。ここではフナやコイ、ハゼ、テナガエビなどが釣れて、週末には釣り人で賑わっている場所です。
この池に、地元のヘラ師が稚魚を数年前から放流し始めているのですが、冬になるとカワウがやってきて稚魚を食べてしまいます。業を煮やしたヘラ師たちは池にビニールロープを張って防御。ところがカワウも必死でヘラ師とせめぎ合いになり、次第にロープの幅が狭められていき、いまでは何と池一面に３０センチ幅でビニールロープが張られているという、一種異様な光景。
河川敷は公共用地でもあり、一部の団体や個人の私物化は禁止されております。多摩川緑地管理事務所では「いまのところ苦情もないので」と静観の構えをとっているそうですが、残念ながらカワウには苦情を言える手段はありません。川や自然は人間だけの所有という考え方は間違いだということに、いまでは多くの人は気がついてきました。
どうも釣り人の性かも知れませんが、「魚を獲る」ということに執着しすぎるあまり、周りのことが見えなくなってしまうことが良くあります。もう少し引いて「なぜ自分は釣りをしているのか」という、根元的なテーマを少し考えてみるようなゆとりがあれば、この世はもう少し住みやすくなるのですが…

■本生見参

21 Feb 2001 06:38:11
巷を騒がせたアサヒの発泡酒「本生」が本日から発売と云うことですが、昨日一足先に飲んでみました。たしか「本生」というブランドはかってアサヒが出していたビール名で、あまり売れていなかったと記憶しております。たしか「ワハハハッ」とかいうわけの分からないＣＭだったような。
そんな失敗ブランド名をまた使うというセンスも首を傾げますが、今回飲んでみてやっぱり首を傾げてしまいました。烏龍茶のようなパッケージデザインはおいておくとして、肝心の味についてはサントリーＭＤから角をとった感じ。一言で云えば「ライト＆スムーズ」という優等生的な感じです。これがいわゆる海洋深層水効果なのでしょうか。小生の好みはビールでも発泡酒でも、多少なりともアクやクセがあるのが好きで、発泡酒軍団では最近リニューアルしたキリンの新淡麗が、いいバランスで臭みを残しているので気に入っておりますが、その点で本生はちょっと綺麗すぎるのではないでしょうか。
また一般論ですが、発泡酒で気に入らないのは泡立ちです。上手く入れたときのビールの泡はグラスを飲み干すまで残っておりますが、発泡酒は名前倒れで、すぐにアワが荒れたり消えてしまいます。本生も同様で二口目にはアワが殆ど消えていました。おそらく本生はグラスに入れてアワを見て愉しむようなブランドではなく、缶をもってすいすいと飲むスタイルを志向しているのでしょう。従ってあまり冷やさない方が良いのかも知れません。
勝手気ままにアサヒの新発泡酒を斬ってみましたが、これはあくまで嗜好ですのであしからず。ＣＭで上手くアピールできれば売れちゃうのかも知れませんが、黙って出せば、味のスムーズさ故にインパクトは少ないと思います。もし皆さまからの試飲後のご感想もあれば是非頂きたいものですね。（とか偉そうに申し上げましたが、まとめ買いしてしまったので、飲み続けているうちに慣らされて、変節するかも知れませんが(笑)）

■ビールの昔話Ⅱ

20 Feb 2001 05:51:30
ヒトが広がると、サケも広がるというわけで、帆船時代になると航海距離も飛躍的に伸び、長い航海の間の飲料水が問題になってきました。樽に水を入れても腐ったり、藻が繁殖したりで飲めなくなってしまいます。
日持ちするビールが出来るようになり、「航海用ビール」というものが必需品になりました。アルコール度数も低いのでワインよりも水分補給という点では優れております。アルコールやホップの作用で雑菌の繁殖を防ぎ変質もしませんので、腐りやすい水よりも航海用ビールがもてはやされたようです。
ときどき「エキスポートビール」という銘柄がありますが、これも昔の名残で長い船旅に耐えられるように、麦汁エキスやホップの量を増やして長期間貯蔵して出来た、安定度の高い輸出用ビールを指しておりました。
いまでもこのブランド名は残っておりますが、これは品質でプレミアム性を打ち出すために使っているわけで、飲むとけっこう美味いはずです。

■ビールの昔話Ⅰ

19 Feb 2001 06:32:50
今週はアサヒが満を持して発泡酒市場に参入、これを新製品で迎え撃つキリンやサッポロなどの先行集団。面白い絵図が繰り広げられるでしょう。

さて、まえにも一回紹介しましたが、ビールにまつわる昔話を二夜ほどはなしましょう。ビールというものの歴史は古く、メソポタミア文明の時代には既にあったというから驚きです。やがてシュメール文明は滅び、アッカド、アッシリア、バビロニアなどの続く文明にもビール文化は継承されていきました。
当時の壁画には、酩酊して担がれたり、ゲロをはいたりしている男女のなさけない絵姿が残っているようで、まあ人というものは大昔から進歩もなくしようもないものだと、感じてしまうわけです。
そういえばバビロニアといえば、あの「目には目を、歯には歯を」のハンムラビ法典が有名ですが、その条項の中には、なんとビールを水で薄めて商いをすると、水の中に投げ込まれる溺死刑が待っているというから凄い話です。

■鶴見川今昔Ⅴ

17 Feb 2001 09:42:00
今週末もお仕事お仕事で(T_T)のデュークです。なんとか日曜の夕方にでも時間を作って、リバーバンクで癒されたいと願っておりますが…
まあ松葉杖で七転八倒の一年前よりはマシですがね。

さて今日は鶴見川史の中締めです。鶴見川下流域は氾濫原を形成している一方、河口から１１キロになる新羽付近まで感潮域でもあり、鶴見川の水は農業用水としては使えませんでした。このため下流では多摩川からの二ケ領用水の世話になっていた村落も多かったようです。流域の農民にとりましては、どうにも扱いにくい存在。それが鶴見川だったようです

いっぽう鶴見川にも名所がありました。大綱橋は昔は「綱島橋」と呼ばれて、いまよりやや下流に架かっており、適当なそりと見事な欄干で、京都の四条大橋を彷彿させるものがあったそうです。付近には商店が立ち並び賑わっており、雑貨や酒の「桐屋本店」や「入船亭」などの老舗です。街道筋の綱島の賑わいは当時から続いております。
さて本日で鶴見川今昔は一旦おしまいにします。小生にとりましては因縁浅からぬ鶴見川ですので、続編はまたどこかで再開します。

■鶴見川今昔Ⅳ

16 Feb 2001 05:41:46
このところ激務でやや寝不足のデュークです。今週末も出勤と相成ってしまい、ヘロヘロになっております。

まだ肝心の鶴見川のお魚の話をまだしておりませんでしたので、ちょっと触れておきましょう。鶴見川での漁労の記録は意外と少なく、江戸時代でも「他村の漁師がときどき魚を獲る云々」としか書かれておりません。「他村」などとわざわざ記している点など、不自然さがあり、これはむしろ幕府からの税金のがれのための便法だという指摘があります。鯉、ナマズやハモ(ウナギの間違い？)などが取り引きされていたようです。
ドブ川化している感のある、今日の鶴見川からは想像すら出来ませんが、大昔からコイの住処であったことは間違いないようです。

■鶴見川今昔Ⅲ

15 Feb 2001 05:41:35
鶴見川流域史を紐解くと、悪い話ばかりでは仕方がありません。いいこともあります。この地では大きな百姓一揆の記録もなく、これは温暖な土地柄と、幾度もの洪水にも負けない農民たちの我慢強さのなせたワザかも知れません。
鶴見川流域は中世においては土豪百姓は谷に閉じこめられたまま、水との戦いに明け暮れて、農業の生産力は低いまま過ぎ、徳川の世も江戸に近いにも拘わらず町人文化を享受することなしに終わってしまいました。これは強大な領主が生まれぬまま、流域７９ヶ村の石高はわずか三万五千石。しかも村落の領主が旗本、幕府直轄、寺社などなど細かく割れており、まとまりのなかったエリアであったことも災いしたようです。信玄堤に見られるように、治水には強力な領主の存在が不可欠なのです。

勾配の緩い鶴見川では舟運も盛んだったようです。大正年間まで末吉橋には橋場があって、横浜の繁華街からの下肥が舟に乗って運ばれてきたそうです。舟運ではこのほか、肥料・材木・乾物・日用雑貨が運び込まれて、逆に鶴見川からはコメ・荒木田の壁土・煉瓦(下末吉に煉瓦工場)・氷(加瀬村に製氷工場があったらしい)などが運び出されたようです。舟着き場は末吉橋のほか太尾橋にもあって、ここは内陸の集散基地となっていたようです。一度鶴見川の内水面輸送の話を纏めてみようと思っております。

■鶴見川今昔Ⅱ

14 Feb 2001 00:41:54
仕事が山場をむかえ、ベッコリ午前様となってしまいました。はやく景気が回復して欲しいと思う毎日です。

さて今日も鶴見川の洪水要因の分析を続けたいと思います。二つ目の要因は「蛇行」部分が多いので、ちょっとした雨でも下流域での氾濫をまねくとされております。綱島近辺の大蛇行は古多摩川によって形成された沖積台地によって遮られている結果です。河川の力(圧力)は古多摩川のほうが比較にならぬほど大きいのです。
三つ目の要因は、この狭隘な扇状原に恩田川のみならず早渕川、矢上川などの網の目のように渡った支流からの雨水を一気に集めることも、やっかいな問題です。
四つ目には、河川の中流域は多少なりとも河床から地中に水は浸透するものですが、恩田川合流部までの鶴見川(谷本川)の川底は不透過層の岩盤がむき出しているのがわかります。中流域ではほとんど浸透しないまま水は一気に流れ、土砂は感潮域となる新羽より下流にドバッと溜まるというわけです。
このような要素が重なり、地元では「カエルが小便しても水が出る鶴見川」とまで云われておりました。

■鶴見川今昔Ⅰ

13 Feb 2001 07:44:21
寒波が戻ってまたまた釣り場に足が遠のく日和見デュークです。さて今週はこれまでいろいろあった「鶴見川史」のよもやま話をしてみたいと思います。

縄文時代の鶴見川の河口は、いまの川和付近。恩田川との合流部あたりだったそうです。それが５０００年前頃に海が退いて、そこから下流域に堆積平野が現れたというわけです。
鶴見川の歴史は氾濫の歴史ともいえます。河川の規模の割に、記録に残るような水害も多く、その点でも有名な川ですが、これにはいろいろと要因があるようです。
まず初めに、源流部の標高の低さ（勾配の少なさ）があげられるようです。北の多摩川、南の境川水系に挟まれた鶴見川の源流部は多摩丘陵の谷戸。海抜は１１０ｍ程度です。しかも丘陵部分の急勾配部では水量が少なく、水量が増える中流域からは、この低勾配のために流速がおそいために海への吐き出しが弱いことがあげられるようです。

■江戸時代の循環型社会

12 Feb 2001 11:26:31
相も変わらず寒い日々が続きます。休日出勤・体調低迷・寒さの三重苦で、この三連休の釣りはお休みとなりました。

さて今日は昔の下水道の話題です。１８世紀という時間軸で、江戸とパリやロンドンなどを比較すると「下水道の不備」ということを挙げる輩が多いようですが、もともと日本人には「下水道」という観念がなかったとも云います。糞尿や残飯、野菜の切りくずなどを水に混ぜて流してしまうのが下水道ですが、汚物を身近から遠ざけるような完成がヨーロッパの思想。

日本はこれらを農業生産サイクルの重要な「資源」としてとらまえていたようです。たとえば江戸の場合、廃水は今の感覚でいう「下水」とはまるで異なりきれいなものだったようです。江戸時代では下肥は肥料としての換金価値があって、また野菜屑なども堆肥として利用されており、また石鹸や洗剤なども使用されなかったわけで、廃水といっても飲料に適さない程度の水であったそうですので、今の感覚とは雲泥の差です。

たしかにヒト中心に考えますと、ヨーロッパ流の考えは正しいのかも知れない、でも生態系というもっと大きな視点で見れば江戸時代はとてつもなく進歩的な社会だったのかも知れません。

ＰＳ：過去ログで間違いがありましたので修正を加えました。気になる方はお手数ですが、分室の「メッセージ」をご参照願います。

■三つ巴のバス論争

10 Feb 2001 07:07:30
三連休にも拘わらず、悲しいことにお仕事となってしまいました(T_T)。
さて今日はバス問題の話題。日本釣振興会と各地漁協とのせめぎあいに、今度は、名門「魚類学会」までが新たに参入。ことの起こりは水産庁の妥協策「一部閉鎖水域でのバス釣り公認と、それ以外の水域での駆除徹底」という案に対して、ただでさえ苦戦している従来からのバス駆除運動の歯止めがなくなる点を懸念して、通常は動きの鈍い学会でしたが、いよいよ論争の場に乗り出してきたという話です。皇室を筆頭としたセンセイ達の動きには大いに拍手を送りたいと思っております。
アングラーの端くれではありますが、個人的な意見を云わせてもらえば「２１世紀は環境の世紀」。この二世紀の間にヒトが強烈に破壊し続けてきた、地球環境の浸食を少しでもくい止めて、出来れば改善していかなくてはいけない時期にさしかかっております。エゴとまでは申しませんが、個人の愉しみと地球環境を秤にかけていけば、ことの軽重や是非は自ずと定まってくるような気がいたしますが、いかがでしょう。

■海草の話

9 Feb 2001 06:03:47
有明の海苔問題はとうとう海苔入札値の高騰を招き始めましたが、かかるように海草は日本人の暮らしには切っても切れないものです。
ところが食用以外にも海草はエライのです。ヒトだけではなく環境浄化にも大きく貢献しております。横浜港ではワカメの植え付けを行っており、これらがリンや窒素を吸収することで水質を改善することを狙っているそうです。
また、もっと湾奥の京浜運河ではコンブの養殖に成功。コンブは水温１５度以下の海でしか成長はしませんが、この冬コンブを植え付けたところ、良好に成長してるといいます。これにより「藻場」を作ることができ水質浄化や魚の繁殖を促すことが出来ると、来冬以降もまたホンダワラなどの新種も交えて養殖試験を続けて行くそうです。
場所が場所だけに、食用としてはいまいちですが、魚が増えることになれば、アングラーとしても、これらの海草類に感謝しなくてはなりませんね～

■ボウズを呑む

8 Feb 2001 06:36:19
くせがあるので一般的にはお勧めいたしませんが、小生が好きな酒の一つに「芋焼酎」があります。先日会社帰りによった酒屋に、枕崎の「坊津」という銘柄の芋焼酎があったので、口金が着いているボトルの珍しさもあって買ってきました。坊津は本当は「ぼうのつ」と読み、その昔は遣唐使船発着の港として栄えた場所だとか。
瓶（かめ）仕込みの手間のかかった焼酎で、これをまた鹿児島から取り寄せているミネラル水のお湯で割って飲みますと、あの独特の芋の香りが漂い、けっこういける味です。
ところが小生の本当の狙いは別。この焼酎を飲み干し「ぼうづ（ＢＯＺ）を呑む」と解し、この一年の好釣果を祈念したいと思いで、この焼酎を飲んでいきたいと思っております。「一杯飲むごとにＢＯＺが一回減る」、とまあこういうわけです(笑)。

■アオコ対策とレンギョ

7 Feb 2001 06:36:51
ちょうどいい案配に雨天になりました。つぎの週末には期待がもてそうですが、米国不景気のあおりで、ここしばらくは仕事も忙しく釣行出来るかどうかは極めて微妙です。(T_T)
さて今日は日本では木偶の坊あつかいのレンギョの話。中国の湖北省にある「東湖」というところはいわゆる「富栄養湖」であり、いわばアオコ一色の湖であったそうです。風でとばされた藻が湖岸に堆積し、やがて固まって糊状になり、そしてそれが積もりに積もって１ｍほどにもなってしまうというほどのひどさであったそうです。もともと東湖は湖岸に葦が繁茂し、それが湖水の富栄養化を抑制していたが、開発の結果、湖の出口に水門が作られ人工的に水位が上がってしまいました。この結果として葦は枯れ、土壌は浸食されてしまい、栄養分は全て湖水に流れ込むこととなってしまいました。
そこで、このアオコ対策として活きてきたのが「ハクレン」と「コクレン」であります。ハクレンは植物性プランクトンを主に摂取し、コクレンは動物性プランクトンイーターということですので、本来ならばハクレンだけでＯＫのハズですが、バランスを考えたのかも知れません。これらの稚魚の放流の結果、あれほど悩ませていた東湖のアオコの発生はなくなってしまったといいますから、これらのプランクトン消費力がスゴイものがあります。首都圏のアオコ沼といえば「手賀沼」が有名ですが、ここにはレンギョ類は計画放流されているのでしょうかね？プランクトンイーターで環境にも優しく、しかも巨大になって釣り人を楽しませることのできる帰化魚レンギョを、もっと日本は大事にすべきでしょう。

■ノルウェーからの鯨肉問題

6 Feb 2001 07:44:47
ある年代以上の日本人にとりましては、クジラというとやはり食資源の一つとしてとらえてしまいます。時代によって表面的な文化論は右往左往しますが、日本人のＤＮＡには狩猟というよりも漁労民族の血が脈々と流れているのではないかと感じてしまいます。
さて米国の政権交代で、昨年の日本の調査捕鯨拡大問題はとりあえず棚上げになりましたが、こんどはノルウェーからの鯨肉輸入であらたな火種が出良そうです。
ノルウェーは「自国分だけ捕って喰う」と馬耳東風に１９９３年から商業捕鯨を再開しておりますが、そのうちの一部を輸出して産業として維持していきたいとの方針を取り決めました。輸入量は１３０トンで、これはノルウェーの捕獲量の二割強の規模だそうです。
こと鯨肉問題になると欧米諸国は過去の悪行を棚上げして、かなりヒステリックになりますので、またまた厄介な問題を抱えそうですが、まあ文化というより民族論までさかのぼった論議というものは宗教のようなものでもあり、おそらく百年間話し合っても理解は不可能でしょう。
むだな時間を費やさないように「交渉をしない」というのも外交戦略のひとつです。恫喝は聞き流しておき、いっぽう海洋立国日本としてはノルウェーとの絆は大事にしたいものです。

■コイの咽頭歯

5 Feb 2001 06:46:24
一月は気象庁の読みも外れ、例年にない寒さでした。今月はせめて平年並みにいってもらいたいものです。さて今日は久々にコイの話題です。
もともと海に棲んでいた魚には骨はなく、甲殻魚類でヨロイに囲われておりました。顎の部分には、今で云う「歯」はなく、甲殻部分が鳥のくちばしのように歯の役割を果たしていたということです。
それがやがて進化に伴い、体内に入り込んで「歯」となるわけですが、コイ類はそれがもっと奥の咽頭部にずれて「咽頭歯」となったわけです。コイの咽頭歯はタニシなどの貝類をすりつぶすために丸型をしておりますが、実験によると何と十円玉などを曲げてしまうことすら出来るそうで驚いてしまいました。

■大陸進出

3 Feb 2001 07:37:11
日頃の行いがよほど悪いのか、天気の良い週末に限って「休日出勤」となってしまい、恨めしい気持ちのデュークです。
昨日は北国から出てきたサッコ氏と、川崎コリアンタウンに行って久々に飲み喰いしましたが、中国の話で盛り上がりました。世界中のビジネスマンは、口を開ければ中国進出と、馬鹿の一つ憶えのように唱えておりますが、魚の世界も似たようなことが起こりつつあるようです。聞くところによるとあの広い中国にもブラックバスが猛烈な勢いで浸食中であり、料理屋の生け簀や市場にもバスがうようよいるとか。

中国の内水面の環境はよく把握はしておりませんが、おそらくバスの繁殖にはうってつけのところなのでしょう。バスはいわゆる川魚的な肉質ではないので、人気はあるようですので、日本のように釣り関係者による違法放流ではなく、喰うため売るために広がっているものと推察されます。
ただ心配なのは、あの広大な中国大陸の内水面生態系にあまた生息し続けてきた、貴重な在来種たちの将来です。

■２１世紀は米の時代

2 Feb 2001 05:59:31
さて表題の「米」とは米国ではなく「コメ」を指します。かってローマクラブが警鐘を鳴らした地球の食料供給能力６０億人はすでに突破してしまい、予測では今世紀中には１００億人という地球人口になりそうだという状況です。このようななか、食料を担保出来ないような国家は、おそらくは国際社会の中で地位は低下していき、そのうちどこかに隷属し、やがて衰退していくというシナリオは、十分に予測できる話です。

そんな中で、今の日本は減反に次ぐ減反。ご飯を食べずに世界中から集めてきている小麦を使ったパン食文化となりつつあります。多湿の日本の自然環境ではコメは唯一依存できうる穀物で、これの自給率の向上はじつに今世紀を生き延びていくためにも極めて重要な社会・経済政策になります。
減反を止めさせて、水田を残すことは環境や防災面でも副次的なメリットも多く、日本が他国の政策にぶれないで生き残っていくためには、農業も柱とした多元的な国家運営を考えなくてはいけません。そのためには安心できる国産穀物で、しかも主食足りうる日本の「コメ」これが今世紀のキーワードではないでしょうか？

■飽食大国ニッポン

1 Feb 2001 05:52:49
コメ以外はろくすっぽ大した農作物はないくせに、日本という国にいるヒトはやたらに食べちらかす？人種です。コメの生産高が毎年１０００万トン弱に対して、食品廃棄物は何と２０００万トンもでるそうです。
ということは、棄てている食料品の殆どは海外からの輸入品ということになります。外貨を出してわざわざ買っている食料品がむざむざ棄てられている国ニッポン。温暖化や人口爆発で世界的に食糧危機が叫ばれているいま、こんな事で本当に良いのでしょうかね？

[ Back ]