Hiyorimi-Note

■第２四半期終了

30 Jun 2001 09:52:22
日和見ノートの三月度ログを整理していたら「第１四半期(１～３月)」の業績報告がされていたようなので、引き続きデューク社の「２００１年度第２四半期(４～６月)」の報告を致しましょう。

前回、第２四半期の目標として二点とりあげました。一つは釣行回数(１８日)と、大物の成果です。
さて釣行回数については、第１四半期が７回だったのに対し何と「２６回」、前年度同期(１２回)に比べても三倍とトンデモナイ数字になりました。目標の１８回は４～５月の二ヶ月で到達してしまったぐらいです。理由は明確、多摩川釣行の激増です。２６回中じつに１７回を数えました。「今年は多摩川の年」と年頭にも宣言しましたが、ここでようやくブレイクできました。

次の「大物」については悲喜こもごも。ＳＢは全滅、コイも７０ＵＰはわずか４尾に終わりましたが、特筆すべきはマルタとナマズという新たな魚が加えられたということです。そういうことで、第２四半期は無念な場面も幾つかはありましたが、まずは「大成功」ということで結論づけたいと思います。

さて第３四半期(７～９月)はどう位置づけましょう？まず、この時期は所謂「ローシーズン」であり、釣行日数や成果はそう伸びないとは思います。とはいえ、ある程度の目標を立てないと、暑さで挫折することもありそうなので、いちおう立ててみましょう。
釣行回数は１２回としました。月４日というペースです。これは暑さと８～９月の臨出（一年で二度目に忙しい時期）を考えると、こんなものではないでしょうか？
それから成果目標ですが、これはいうまでもなく８０ＵＰのコイです。フライでゲットできれば最高ですが、流し釣りでもかまいません。シーバスについてはリバーシーバスの時期になってはおりますが、いかんせんローシーズン。おおきな期待はしてませんが、春が不調だったので、少なくても型はみたいと思います。アユが動き出す９月の動向がポイントでしょうか。
そのほか夏場のターゲットとしてはナマズがあります。できればルアーでのゲットを目論みたいと思います。

とはいえ第３四半期も、ギスギス成果にこだわらずに、なるべく楽しい釣行レポートをお送りしていきたいと思います。乞うご期待。

■川崎市の水道

29 Jun 2001 04:55:59
週内に降ればいいものを、ぐずぐずしながら週末になってしまいました。今年の梅雨は気のせいかあまり雨が降っているという印象はないので、そのうちに渇水で取水制限となる自治体が増えるのではないのでしょうか？

ところが断水といっても、川崎市に住んでいて「夏の断水」を経験した人はいないはずです。これは別に多摩川のほとりに川崎市があるからではありません。
意外なことに川崎市では、多摩川（表流水）からは飲料用水は取水しておりません。あえて言えば川崎市の北端、小生の住む多摩区にある「さく井」または「伏流水」からの取水が、唯一多摩川水系からの取水といえるかも知れませんが、これは全体の一割強しかありません。１１０万立米と云われる川崎市の水源の約半分は遠く酒匂川から、残り四割は相模川（相模湖、津久井湖）からトンネルを通して運んできております。

このように多くの水源をもつ川崎市では夏季も渇水はなく、お隣の東京都に較べても比較的まずくない水道水を飲むことが出来るというわけです。
使われた下水は、処理して鶴見川や多摩川に流しているわけで、水にとっては丹沢ダムにたまっていたはずの水が、回り回っていつしか六郷橋の下を流れるという不思議な旅を日夜しているというわけです。

いまやミネラルウォーター全盛で、水も「スーパーで買う」時代になってしまいましたが、やはり水道と河川との関係は大切なもの。きれいで満々と水が流れる川が多ければ、お金を出してまで「妙な湯冷まし水」を買ってくることもないのですがね。
（注：東京都でも地下水や緩速濾過層を使っている一部エリアでは、良質の水道水が飲めるようです）

■ナマズの蒲焼き

28 Jun 2001 05:16:13
釣行記にもＵＰしましたが、なんとパンの流し釣りでナマズ君をゲットしてしまいました。「何でも喰うどん欲なやつ」という食性をはからずも理解しました。今日はそのナマズの話を少々。

ウナギの蒲焼きは小生の好物ですが、かって欧州に駐在してた折り、日本出張のたびにウナギのレトルト蒲焼きを持ち帰っておりました。（何かの通称問題で日本→ＥＵへの海産加工物の輸入は禁止されており、税関ではビクビクでしたが幸いにしてお咎めはありませんでしたが）
レトルト品でも嬉しかったですから、日本の上物などを食するときは至福このうえない一時です。かって学生時代に家庭教師をしていたときに「好物はウナギ」と言ってしまったものだから、ことあるごとに鰻重が出てびっくりしたことを思いましたが、まあたまに食べるから良いのでしょうね。

さて本題のナマズですが、これの蒲焼きはウナギのような脂っこさはなく、淡泊でしかも美味であると話です。刺身や天ぷらなどもいけるようですが、今年はひとつナマズの蒲焼きをどこかでトライしてみたいと思います。
最近は産卵場である水田の現象で減っている魚ですが、どうも多摩川にはけっこう生息しているという話。あの鶴見川にも居るようです。貪欲なフィッシュイーターゆえに、しっかり汚染が凝縮したまっているはずです。
そんなことから、人生半ばすぎた者としても、食することはちょっと厳しいですが、アユの敵ということで漁協としてはどんどん持っていってもらいたい魚の一つのはずです。今回のナマズ君も一応リリースしましたが、どこかで新鮮なやつを食したいと思っております。
幸い多摩川沿いの街には「川魚料理の老舗」なるものが散在しているので、どこかで見つけたいと思います。料理屋でしたら養殖物のはずですので、たぶん大丈夫でしょう。

■玉網考

27 Jun 2001 06:53:58
コイやシーバス釣りをしていると、玉網（タモ）は必携品です。一般的にはサイズは大きいし、取り込みでデッドリリースは寝覚めが悪い。シーバスの場合、かってはアブの携帯ギャフなども重宝してましたが、最近の首都圏河川では喰えそうな奴がいなくなったいるので、コイともどもリリース前提と云うことになります。そうなると、やはりタモはどうしても欠かせないアイテムとなってきてます。

ところで先日の釣行で、長らく使ってきましたタモの柄が閉まらなくなり、思い切って押し込んだら竿尻キャップがロケットのように彼方に飛んでいってしまいました(笑)
枠を取り付ける接合部もガタついていたうえ、素材もミシミシ鳴り出して、最近やや不安をもっていましたので、あらたにタモを購入することに決定。
渋谷のＪ屋やＳ水に出掛けて物色してみましたが、どうも気に入ったのがありません。いままで使ってきたのは３ｍ柄でしたが、使えることは使えるもの、高い足場では不自然な姿勢をとることになり、過去数回の腰痛発生の直接原因ともなってきました。
そんなわけで、少し長い３．６ｍ級のものにすることにしましたが、長くなっても重いのはイヤ。とはいえ１０キロ以上のコイを抜くこともあり、ヤワでもイヤ。流し釣りやテクトロ・ランガン(サグリ釣り)をする関係で、肩掛けベルトは必須。みるからに「磯タマ」というのもイヤ。

軽いのは柄の口金を省いていたり、しっかりしているのはド重かったりで、なかなか眼鏡にかなうのはありません。
そんななかでようやくＳ水でまあまあの奴を見つけたので買いました、型落ちですが３．５ｍの３２５ｇ、４本継ぎ。風合いも磯っぽくなくていい。唯一の難点は小生が好きではない「Ｄ社製」であるということですが、使いはじめて大物をゲットすることができれば、とたんに気に入ってしまうのでしょう。
さて、このタモでどのようなドラマが生まれるのでしょうか？楽しみはつきません。

■クラインガルテン

26 Jun 2001 04:40:19
ドイツ語で「小さな庭」という意味のクラインガルテンは、ドイツの都市部には無くてはならないものです。ドイツ人の趣味といえば、掃除に散歩に庭の土いじり。
とはいえドイツ都市部の人口密度はたかく（一戸建ては少ない）、好きな庭いじりも出来ません。このために法律が施行され都市農園整備が進みました。
週末などに自然と接することで心身のリフレッシュを図ったり、このような緑地を周辺に配置することで都市環境の保全という狙いもあったようです。
この利用者はだいたい１００万人、しかもその使用権は終身保証されております。日本と違うのは「ラウベ」と呼ばれる小屋が建てられて、週末や休暇時の休憩場所としても使うことが出来る点です。

クラインガルテンの凄いところは、都市部の人にも自然体験できるという点以外にも、いくつかの効果があるというところです。一つにはクラインガルテンでの園芸やによって食料調達がなされ、今のドイツの農作流通量の約二割がクラインガルテンで作られたもので成されているということです。
そして二つ目はこのように透水性のある緑地を都市部周辺に点在させることで、土壌の保水機能を維持させたり、ちょっとした野生動物のビオトープを形成しているという、生態系環境という視点でもすくなからぬ貢献をしているということです。

残念ながら、日本にはこのように国が主体となった体系的な助成制度はありませんが、あえて云えば「里山」が日本人にとってのクラインガルテンに当たるのかも知れません。週末の癒し、子供たちが自然とふれあえる場として、里山を維持するような、何らかの行政的な措置や市民の広がりが必要になってくるのでしょう。
ここまでボーダーレスになってしまうと、もう日本にはこれ以上工場は要りません。人口の現象が始まるこれからは、これ以上、森を切り開いての宅地開発も必要ないでしょう。都市と里山が共存し、永続していけるような社会が早く来ることを願うばかりです。

■モツゴ

25 Jun 2001 06:53:25
娘に多摩川での「ビンドウ釣り」を教えてしまったので、いまや自宅の水槽はモツゴだらけになっております。はじめは警戒して水槽の隅に固まっていたいたモツゴたちも、次第に馴れてきて、いまでは小生が帰宅すると「早く餌をくれ」とせがむようになってきました。

ところが見ていると、同じモツゴでも微妙に測線や体色が違う。面白いのは性格がそれぞれ違っており、せこいやつ、食いしん坊なやつ、意地悪なやつ、いつも苛められているやつ、一人離れて泰然自若としているやつ、などまるで人間社会を見ているよう。
思ったのは、種というものはこうして雑多な個体が集まっているからこそ保たれるのだなあということ。まさかモツゴから教えられることがあるとは思いませんでした。

■弐萬打万歳

24 Jun 2001 06:28:48
昨日、とうとうアクセス数がなんと『２００００』を数えることとなりました。訪問いただきました皆さまに、本当に有り難うございました。

興味深いのは、確か一万アクセスが昨年の７月。デュークＢＯＸの開設が９８年８月だったので、二年間で到達することができた、ということになりますが、それからわずか１１ヶ月後に二万になるとは正直思いませんでした。
とくにコンテンツを変えたということも無いので、相変わらずニッチなテーマであるわけですが、これだけ大勢の方に訪問いただくことになったのは、おそらくネットの世界が想像以上にすごい速さで広がっている、ということを図らずも表しているのかも知れません。

これからも「河」「生態系」「コイ」「リバーシーバス」などのキーワードを中心に、できるだけ「あやしいサイト」となるように、シコシコと続けていきたいと考えております。とはいえ「日和見ウェブマスター」ゆえに、あちこち迷走してしまうかも知れません(笑)
皆さまの暖かい「アシスト」を今後とも頂きたく、よろしくお願い申し上げます。
ｍ(_ _)ｍ

■カラスバスターズ

22 Jun 2001 05:33:46
昨年にくらべて、ますます近所カラスの数が増えてきました。しかも図々しくなってきており、人が近づいてもなめているのか逃げない個体が増えてきた感じです。
四月ぐらいから子育ての時期に入ってきており、人を威嚇したりつついたりし始めている被害があちこちで報告されているようです。
巣そのものは、都会にふんだんにあるツールを使っており、針金やハンガー、電線などを上手に組み合わせてがっしりしたものになっているようです。カラスの巣作りの技術は相当のレベルのようですが、ダニや害虫の温床になっているので、庭先にカラスが巣作りを始めたら、すぐに役所や駆除業者などの「カラスバスターズ」に連絡をして撤去してもらうことをお勧めします。

■アオ釣り

21 Jun 2001 06:50:41
昨日、外出先でメールチェックをしたらリンクサイト「青魚倶楽部」の茂木さんからのメール。「夕方６時からのＮＨＫ首都圏ネットワークで利根川のアオ釣りが取り上げられるよ」という情報に、さっそく家にメールを入れて録画の予約を依頼。
家に帰って見てみるとデカイデカイ、なんと１４０センチ弱、４０キロもあるというのが釣れておりました。都心からさほど遠くないところでこんな魚がいて、そして釣れるというのだから日本の淡水系もまだまだ捨てたものではない、という印象を素直に感じてしまいました。
等身大の模型がスタジオに持ち込まれておりましたが、縦にすると女性アナウンサーの肩ぐらいもあります。大きい奴は１６７センチとか言ってましたが、なんとなくモツゴをそのまま３０倍ズームアップしたような体型は、魚として均整もとれているし、かっこいい。

たしかにアオウオは中国からの外来魚ではあるのですが、バスなどに比べてもはるかに既存環境へのフリクションは少ないゲームフィッシュです。利根川水系しかおそらくは自然繁殖はできないのでしょうが、このような凄い魚がいつまでも日本の淡水系を見限らないで存続していってほしいものだと感じました。

■産廃ロード

20 Jun 2001 08:52:19
東京湾アクアラインが完成しましたが、思うように交通量が増えずに困っているかと思いきや、これで最も潤っているのが「産廃業者」だという噂。
都内や神奈川で出た産業廃棄物は、このルートで房総半島の山間部にどんどん運び込まれているといいます。アクアラインを使うと日に２～３往復出来てしまうと云うことで、産廃業者からもてはやされているアクアラインは別名「産廃ロード」。
これも合法的にやれば何ら問題はありませんが、殆どが不法投棄といいます。千葉県内の正規のゴミ処分施設は４０ヶ所。これに対し不法投棄現場は５００ヶ所を超えると云います。もはや房総半島山間部は「首都圏のゴミ捨て場」の様相を呈しているといっても過言では無いでしょう。
家電リサイクル法の施行によって、これに拍車がかかっているのではと危惧しておりますが、千葉県民が騒ぎださないかぎり、この傾向はひたすら続くはずです。三番瀬埋め立ての動きも、環境省主導でゆらゆら動き出したほどの「のどかな」県民性ですので、ちょっと心配です。

■ニホンジカ

19 Jun 2001 08:02:44
最近はカワウやクジラの話題でも取り上げておりますが、ある種の生き物だけを対象に保護をすると、やはりどこかでバランスが崩れてしまうようです。
ある人に云わせると「生態系は構造物」という見方もあります。ある部分だけ補強すると全体がゆがんだり、倒れたりしてしまうという話です。

似たような話があちこちにあります。例えば「シカ」です。奈良公園ではありませんが、元来シカは「神の使い」として大事にされてまいりましたが、日光の男体山ではニホンジカの急増によって森林被害が深刻になっているようです。
温暖化の影響で男体山の積雪量が減り、もともと低地にいたシカの冬季生息域が拡大。山の中腹にある木の樹皮や新芽、苗木や笹などを食べて越冬するようになりましたが、その結果、樹木の立ち枯れが急増。
栃木県もあわてて樹木にネットを張ったりして保護する一方、シカの間引きも始めました。ここ五年間で９３００頭ものシカを駆除したそうですが、繁殖ペースには追いつかず、食害は増える一方だとか。
さて、このような場合はどうしたらいいのでしょうか？オオカミワクチンでも注射をしましょうか？

■川苔

18 Jun 2001 07:09:17
今日も朝飯に海苔を食べたので、何とはなしに海苔の話題をしたいと思います。海苔といえば、誰しも海の海苔を思い浮かべますが、きれいな川の上流では７月から秋口にかけて「川苔：かわのり」漁が始まります。

これは冷たい渓流の底の岩、とくに石灰岩に繁茂する一年生の緑藻で、幅が１～４センチ、長さが１０～２０センチぐらい、とても鮮やかな緑色をしております。
栃木県から北九州にまで分布しているそうですが、気むずかしくどこの川でもという訳にはいかないようです。近いところでは日原川が有名です。この流域には「川苔谷」や「川苔山」などという地名が残っております。また南秋川には「川苔村」というところがありますが、これも川苔漁の名残でしょう。
あまり採れないので、それこそ稀少品で、もっぱら料亭や高級料理屋に引き取られていきます。運が良ければ山里の民宿などで食べることが出来るでしょう。
生でも食べられますが、乾燥させて酢の物や和え物にされることが多いようです。

■調査捕鯨

16 Jun 2001 09:26:33
ミサイル構想で米国に冷や水を浴びせた田中発言はなかなかのものと思っておりますが、どうもオヤジ文化のなかでは苦戦しているようです。それにしても外務省エリートの陰湿さには虫ずが走ります。小生自身は「親中派」でも「親米派」でもないので、評価は難しいところですが、いままでの総花的外交方針ではこれからの日本の舵取りは難しいでしょう。
今回の一件でマスコミが如何に無定見かあらためて感じ入ってしまいました。例によって旗色を明確にしておりませんが、まあ実質的には情報メディアは米国が牛耳っているので、彼等のスタンスは考えるまでもないという感じです。
そんななか、今年もまた「調査捕鯨」で米国政府と一戦交えそうな空気になってまいりました。北大西洋に向けて日本の調査捕鯨船団が五月に出港するやいなや、対日経済制裁をちらつかせての恫喝。
来月あたりから始まる今回の調査捕鯨は従来からのミンク鯨に加えて、昨年からマッコウ、ニタリ鯨も対象になっており、この「マッコウとニタリが米国内法で保護対象になっている」という理由での横やり。米国法＝世界秩序という、いつもの喰えない論理を振りかざしてきております。

捕鯨文化論や鯨資源論をいくら言っても相手は一種のヒステリー。説得することは到底叶いませんが、言うべきことははっきり言って、粛々と日本のスタンスを取っていけば良いと思います。国際法や手続きでは、今回の調査捕鯨は認められているものですから。思うに世界中にはいろいろな考えの国や人々がおり、この種のノイズは仕方のないものでしょう。
外相訪米であーだこーだと云われるかも知れませんが、今風に云えば「骨太」方針で進めていくべきです。

■組換えサケ

15 Jun 2001 08:01:18
本格的に梅雨に入ってきたようです。週末の釣行プランの組み方が難しくなってきました。

さて今日は遺伝子組換えの話です。最近は米国産の組み換え農作物に対して輸入規制をするという話が巷にあふれておりますが、本家の米国ではカナダからの「組換えサケ」の移入に対して消費者団体が大騒ぎをしているといいます。
このサケは成長ホルモンを組み込んだやつで、まだ市場には出回っていないものの、一義的には、食べたときの健康上の問題よりも、生態系での攪乱という点で問題とされているようです。食べた場合のリアクションについては怪しいところですが、自然界にないＤＮＡを体内に取り込んだとき、どのような影響がでるのでしょう。実態調査？をふまえての、研究結果がでるまではちょっと遠慮したいところです。
科学の進歩はしばしば新たな問題を抱えることになりますが、これは好例ですね。

■カワウ

14 Jun 2001 05:25:11
先日来、ＨＰの取材で多摩川べりを徘徊しておりますが、驚くのはカワウの数。あちこちに軍団をつくってたむろしております。
カワウは留鳥で夏は東京湾岸、冬は内陸河川や湖沼におります。高度経済成長の一時期、水質悪化によって激減。絶滅の危機に瀕しましたが、近年は河川の水質浄化と内陸部への進出などによって生息域が拡大、生息数も急増しております。
ふんによる森林問題や、内水面での漁業被害なども各地で広がっていることは、多摩川での光景を見ればよく分かります。
そこで問題になってくるのは人間との共存。カワウ一羽が一日に平らげる川魚の量は相当なものです。漁協はカワウ育成のために、コストをかけてアユやウグイを放流しているわけではないので、ある程度までならば良いのでしょうが、度をすぎれば問題となります。
釣り人というスタンスでは、所詮道楽なのであまり目くじらたてるのも何ですので、声高には申しませんが、川に棲む魚にとってのリスクという視点では釣り人もカワウも一緒です。ところが釣り人は小生なども含めてヘタクソが多いこともあるし、近年はリリースも奨励されております。このため魚にとっての生存リスクは漁の腕前もふくめて「カワウの方がはるかにリスクが高い」ということは間違いない話です。
何度も申し上げますが、生態系というのは特定の生き物の一人勝ちでは持続しません。バランスが何より重要なのです。日本の内水面でのバスやギルの違法放流が問題にされているのと同様に、いまやカワウの拡大はひとつのウィルス的な事象ととらえる時期に来ていると感じてなりません。

■コイの放流自粛へ

13 Jun 2001 11:53:32
コイ釣りに親しんでいる身としては忸怩たる思いもありますが、どうも都会の河川にはコイが多すぎるようです。先日も鶴見川のＨＰで管轄の京浜工事事務所が、近隣の学校や自治会での子供によるコイの放流を自粛してもらうように働きかけていきたい。という内容のコメントをしておりました。
コイそのものは汚染にも強く、都市型河川には打ってつけの魚なのですが、ようやく回復しつつあるビオトープを破壊する恐れもあります。サンフィッシュ科のバスやギルは害魚として扱われるようになりましたが、コイについてはどうも日本人の感性では害魚扱いが出来ません。（アメリカでは害魚として扱われているらしい）
とはいえ、他の魚の卵をコイが好むことは分かっておりますし、腹がすくと小魚も飲み込んでしまいます。生態系というのは一人勝ちの世界ではなく、多くの魚が雑多に過ごせるような世界を理想としているわけです。
多摩川もその傾向が強くなっており、日野などの一部自治体ではコイの稚魚放流を自粛しているという話を聞きました。とはいえ鶴見川のふところは多摩川よりはるかに小さく、同じようなペースで放流を続けていると、全水域が庭の池状態になってしまうでしょう。フナ、ナマズ、マルタ、ハゼ、アブラハヤ、テナガエビやモズクガニなどが、細々と暮らしている鶴見川。これらの魚がもう少し増えていけば、川としても豊かになることは間違いありません。そのような意味でも鶴見川でのコイの放流制限については賛成して行きたいと思っております。

■呪いと占い展

12 Jun 2001 06:56:59
先日、多摩川ポイント調査もかねて、等々力緑地にある川崎市民ミュージアムで開催していた「呪いと占い展」を覗いてまいりました。
占いはネット時代になってもすたれませんが、どうも人というのはいつでも欲深い生き物のようです。思うに欲の中でもっとも贅沢なものが「幸せになりたい」というもので、これが故に占いは廃れないし、わけの分からない新興宗教やセミナーに人が群がるのでしょう。怖いのは、欲というものには際限というものがなく、しばしば行きすぎて新たな問題を引き起こしてしまうことです。

さて説教はさておき、占い展の展示構成は、どうやら三つに分かれていて、「願望を満たす」「災難をよける」「未来を覗く」というものでした。大昔からの亀甲占いから厄除け護符、辻占いやおみくじ等々。実にいろいろなものが展示されておりました。
ケサランパサラン(狐の尻尾の毛玉)のように滑稽なもの、フセギ(多摩区菅の伝承。魔除けの護符)のように郷土の民俗を考えさせられるもの、いま少女漫画で流行の平安の陰陽師「安部清明」の五芒星護符(セーマン)なども展示されていて、おどろおどろしい雰囲気ながら結構たのしい展示会でした。
偉そうに云うものの、かくいう小生も「大物が釣れるおみくじ」でもあれば並んでも買ってしまうかも知れません(笑)。

■早川と箱根温泉

11 Jun 2001 06:53:52
どうもこのところ疲れがたまっており、せちがらい世相も忘れてのんびりと温泉で汗でも流したいと思っております。まあ分類学上、客観的に云えば小生もオジンに属してしまってます。だからと言うわけではありませんが「温泉が好き」です。幸いにして小田急沿線にいるので箱根方面には比較的気軽に出かけられます。
箱根温泉は元禄の頃から多くの湯治客を集めていたそうですが、当時は万事ノンビリしていて一、二ヶ月ゆっくりと過ごす人も多かったと聞きます。せわしい現代人のように一日で何回も入るよりも、このようにのんびりゆったり湯治すれば、たいがいの病気は治ってしまうのでしょう。
お勧めは「堂ヶ島温泉」です、ここは松本清張の小説の舞台にもなったところで、早川の深い谷間の奥底にある湯です。自家用ケーブルカーなるものに乗って降りていくような場所ですが、谷底で喧噪を忘れてノンビリとくつろぐのもまた一興です。
なぜこのような谷底に湯が出たのかと云うことは、実は早川の浸食によって温泉層まで地面が削られたためなのです。ということで、この温泉は実は早川の贈り物なのですね。

■神田川のアユ

9 Jun 2001 04:45:09
さて今日も旬の魚「アユ」の話題です。先日、うれしいことに新宿区が実施した神田川の「生き物実態調査」の結果、９２年以降連続して今年もアユ遡上を確認することが出来たそうです。ポイントは西早稲田付近で、大きさは１５～１７センチということですから立派なものです。
環境マインドが浸透してきたためか、それとも不景気の影響でしょうか、年々神田川の水質は浄化されてきており、今年はアユ以外の魚としては、お馴染みのコイばかりではなく、ウキゴリ、ヨシノボリ、ドジョウなども確認されました。
神田川の水のほとんどは廃水ですが、淀橋浄水場の高度処理水の効果はやはり出ているのかもしれません。

■琵琶湖弁のアユ

8 Jun 2001 13:18:12
多摩川をはじめアユ釣りの季節がやってきました。とはいえ琵琶湖産のアユが日本全国の河川に放流されているわけで、この時期は日本中どこの河川も水の中では琵琶湖弁が飛び交っているわけです。
ところがＤＮＡのレベルで、琵琶湖産アユというのは日本では殆どふえておりません。これは理由があって、ひとつは「産卵時期の違い」、もう一つは「浸透圧」の関係です。
産卵時期は琵琶湖産アユは一ヶ月遅いと云うことで、東日本では孵化に必要な日照が充分得られないという点があります。もう一つは浸透圧の関係で、琵琶湖内のアユは落ちたところが琵琶湖(＝淡水)というＤＮＡ設計されておりますが、普通の川に海から回遊しているアユは落ちたときに汽水ないし海水です。そんなわけで浸透圧慣れする仕組みがない琵琶湖産アユは昇天してしまいます。
大事なことは、天然遡上のアユが復活するような河川環境の復旧です。短期的には漁獲という側面では厳しいでしょうが、天然アユの回復に努めるいっぽう琵琶湖のアユの放流を減らしていけば、徐々にそこの言葉をしゃべるアユが復活する可能性が大いにあるわけです。多摩川のアユは東京弁であって欲しいと思うのですが如何でしょう。

■水の神様

7 Jun 2001 05:20:18
江島神社に祀られているのは「弁財天」ですが、これは「弁天様」とも呼ばれて、七福神の一人に数えられている神様です。胸もあらわに琵琶を弾く姿はちょっと妖艶です。
もともとはヒンズー教の神様で、インド北部の五つの川が合流するところパンジャブ地方がルーツだとされております。やがて仏教に取り入れられて、最上位に位置する「梵天」の妃として伝えられてまいりました。
いまでは銭洗弁天などとなり、商売の神様のような形になっておりますが、ルーツから見るように「河の神様」と云うことで、水辺に祀られることが多く、江ノ島以外では上野不忍池のほとりにもありますし、不忍池のモチーフとなった琵琶湖の竹生島にも弁財天が祀られております。それから厳島も忘れてはなりません。

さて忘れてはならないのは、弁財天の使者役は「ヘビ」ということ。どこの弁財天にもかならずヘビにちなんだ置物があるはずです。昔から「ヘビの夢をみるとお金が入ってくる」とかいう話がありますが、これは弁財天の使者であることからきているそうです。ということで釣りをしていてヘビを見かけたり、釣ってしまったりしたときは丁重に扱うのが良いと思われます。

■水母

6 Jun 2001 06:50:31
いよいよ梅雨入りということで、水っぽいお話をひとつ。
意味不明ですが、クラゲを辞書変換すると出てくるのが「水母」であり「海月」です。なんとなく分かるようで分からない漢字です。
クラゲで有名な江ノ島水族館に行くと分かるのですが、クラゲは必ずしもウェルズの火星人のような傘頭というわけではなく、じつに色々なフォルムのものがおります。
実際のところ「クラゲという特定生物」がいるのではなく、サンゴやイソギンチャクという腔腸動物のうち、浮遊生活をしているものを総称してクラゲと呼んでいるにすぎません。
クラゲを見ていると心が和むという人は多くいるようですが、この「フラフラ漂う」ということに、ある種の羨ましさを抱いているのかも知れません。
いよいよ梅雨入りということで、水っぽいお話をひとつ。
意味不明ですが、クラゲを辞書変換すると出てくるのが「水母」であり「海月」です。なんとなく分かるようで分からない漢字です。
クラゲで有名な江ノ島水族館に行くと分かるのですが、クラゲは必ずしもウェルズの火星人のような傘頭というわけではなく、じつに色々なフォルムのものがおります。
実際のところ「クラゲという特定生物」がいるのではなく、サンゴやイソギンチャクという腔腸動物のうち、浮遊生活をしているものを総称してクラゲと呼んでいるにすぎません。
クラゲを見ていると心が和むという人は多くいるようですが、この「フラフラ漂う」ということに、ある種の羨ましさを抱いているのかも知れません。

■コメットさん逝く

5 Jun 2001 06:54:06
長い間愛でていたコメットさんのうち、一番元気だったオスが逝ってしまいました。
(T_T)
このところ水温が上がっていたので、やや元気がなかったのですが。それこそあっというまに死んでしまいました。水替えをしようと思った矢先でしたが、春パターンの水替えインターバルでは足りなかったのかも知れません。
残るは一尾だけになってしまったので、新たに追加すると言うことも考えましたが、このところ近所の多摩川で「ガサガサ」を始めたということもあり、野生魚を飼ってみようと、先日二ヶ領用水に子供を連れて「ビンドウ」釣りにいきました。

水量は豊かですが、ちいさな用水にもバスが結構泳いでいて、ちょっとびっくりしてしまいました。ここにまで違法放流をしているとは！
個人的にはヨシノボリやヌマエビを獲りたかったのですが、とりあえずモツゴとタモロコをゲット。コメットと同居させました。
食べられちゃうと心配しましたが、あまり関心がないようで一安心。すこしずつ魚種を増やそうと思っておりますが、ちょっと心配なのは水槽がいくつも必要になってくるのではないかという点です(笑)

■川ジラス漁

4 Jun 2001 06:51:44
シラス漁といえば、あのウナギの稚魚が有名ですが、かって房州の河川では「川ジラス漁」というのが有名でした。この川ジラスというのはれっきとした川の魚で「シロウオ」ともいいます。ハゼ科の魚で成魚でも３～４センチぐらい。
ふだんは河口に住んでいて、産卵時期の毎年二月末から五月にかけて上げ潮に乗って川を遡上する魚です。とはいっても汽水域の範疇なので、移動する距離はたかが知れています。やがて産卵すると親は死に、稚魚は海に下って河口周辺で成長するというサイクルです。

川ジラスの捕り方というのも原始的で、岸近くに足場をつくってそこに幅４ｍもある四つ手網。これを仕掛けて上げ潮に乗って遡上してくる川ジラスを捕まえるという算段です。
その昔は川もきれいで、川面が盛り上がるほどに川ジラスが遡ったといいますが、いまではほとんど捕れずに高級魚化してしまい、専ら料亭や好事家に買われていってしまうとか。

さて食べ方ですが、正式には生きたまま酢醤油で食べてしまうというワイルドなやり方が食味もふくめて最高だそうですが、苦手な方には酢の物や佃煮がいいでしょう。かなりいける魚のようです。
川ジラスは汽水魚ですが、ほかにも汽水域を産卵床や稚魚のゆりかごにしている魚は多くおります。汽水域の環境悪化によって、長い間築いてきた魚食文化が失われていくのは、実に悲しいことですね。

■イカの話Ⅱ

2 Jun 2001 08:45:08
おかげさまで、アクセスも二万の数字がちかづいてまいりました。一万のときはイベントを設けましたので、今回もなにかやってみたいと考えております。お楽しみに。

ところで先日、江ノ島に行ったときに「イカの塩辛」を買ってきました。酒の肴にもよく、ほかほかご飯のうえに乗せて食べるのも美味しいということで、買って三日もたたずに食べてしまったほど、小生は塩辛好きではありますが、こと汚染という観点からは危ない食品の一つです。

日本人はイカ好きな国民で、それこそ世界中からイカを輸入しておりますが、イカというのは他の魚を食べる「魚食性」の生き物なので、食物連鎖の関係で有害物質が凝縮しやすい生き物なのです。とくに塩辛の材料となる肝臓などのワタには蓄積されますので、あまり常食しないほうが身のためということです。
日本海はイカの一大産地ですが、ここはロシアの放射性物質の不法投棄の場所でもあります。太平洋より日本海の方がイカから放射能の検出される量が多いという調査結果もあるようですので、イカの塩辛は程々にしておいたほうがいいのかも知れません。
ちなみにイカの身の方は有機物質がたまる構造にはなっておりませんので、心配することは全くありません。立ち食いそば屋でも「イカ天そば下さ～い」とどんどん言って下さってけっこうです。

■イカの話Ⅰ

1 Jun 2001 06:48:23
さて六月に入りました。今日は静岡からの配信です。たまたま今日は好天ですが、これからしばらく梅雨空をにらみながらの釣行になりますね。

学生時代は五月の連休が過ぎるといつも新島に行ったものです。いちおうはシロギス釣りという名目の合宿でしたが、なんのことはない、本命はこの時期に接岸してくるアカイカ、アオリイカの夜釣りです。
とくにアオリイカは前浜海岸の桟橋からサーフライトという大型の電気ウキ仕掛けに、イカヅノをつけて狙うものですが、大型になると３～４キロもあるからヒットすると大変。遠投仕様のぶっとい投げ竿が弓なりになるほどです。
数と美味さでは、やはりアカイカ釣りで、小生は専らこちら狙い、もともとは白いのですが、その名の通り上げると真っ赤になります。
そんなこんなで一晩中イカ狙いで疲れた我々は、昼間はシロギス釣りどころではなく、浜辺で爆睡という日々でした。なぜか民宿のオヤジに気に入られて「俺んちの義理の妹っこどれでも好きなのやるから島に来い」とか言われてましたが、へたをすると今頃は民宿のオヤジに収まっていたのかも知れません。

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