Hiyorimi-Note

■ワースト３鶴見川（其の弐）

31 Jul 2001 06:54:05
鶴見川という川が上水などの「利水」性を持ってないが故でしょうか、河川の規模に対しての下水処理水の構成比率が高い点もまた、鶴見川の水質のベースを下げております。鶴見川には七つの下水処理場がありますが、川の水量に占める下水処理水の割合は、平水時で何と六割にもなっております。

下水処理場の数では多摩川も負けてはおりませんが、河川規模も違ううえ、多摩川では最新の高度処理型下水処理場もいくつかあります。これはやはり「利水」面での悪影響を軽減するためのものでしょうが、水を使う川のほうが手厚くなるのは自然の道理といえます。やはり「水を捨てる川」と位置づけられてしまったという意味で損な役回りの川ということは言えるようです。

とはいえ横浜市広報などをみると、下水処理水が及ぼす鶴見川の環境悪化要因は、わずか二割で、実態は流域の生活雑排水や工場の排水によるものが大きいとされておりますので、そこは解説が必要です。流域の下水道普及率はここ十年間で４４⇒８６％とＵＰしており、これはむしろ多摩川流域の７９％よりも高い数字となっております。
とはいうものの、平均流量は多摩川が26.7m3/secに対して、鶴見川では３０％弱の7.9m3/secしかありませので、やはり水量が少ない分、ダメージは大きいようです。

■ワースト３鶴見川（其の壱）

30 Jul 2001 07:38:03
また河川環境調査の結果が出てきましたが、キレイでないほうの一番下では大和川、綾瀬川、鶴見川の三つがポジション安泰(？)だったようです。
多摩川という川が、いろいろな局面で注目されて、そして見事なまでの回復を果たしつつあるのに対して、鶴見川というのはどうも案配が良ろしくない。
小生の住んでいる川崎市は多摩川が表玄関だとすると、どうも鶴見川は裏口的な扱いしかされていないような気がします。

河川法の改正以降、河川行政の要素は「治水」「利水」「環境」という三つがポイントになりました。ところが鶴見川は「利水」という要素がほとんどないので、実はこれはアキレス腱です。支流部含めると農業用水などには結構使われているのですが…

もしも、上水などの利水要素があれば、環境の中でも大きな部分を占める水質改善という側面では大きく促進されるのですが、これがないので、どうしても「治水」がメインになってしまっているようです。鶴見川は過去の洪水から「暴れ川」として捉えられておりますが、これがことさらに強調されているのもマイナスイメージ。
流域に住む人たちが「厄介な川」とみてしまうと、なかなか川に親しみが沸かなくなってしまいます。河川の再生のキーワードは「川への関心」ではないでしょうか？
ですから「どうすれば鶴見川は良くなるのか？」という問いかけには「どうすれば関心のもてるような川になるのだろうか？」というところから始めなくてはならないでしょう。そのためにはマイナスイメージをいち早く払拭することが必要です。そのためには汚濁ワースト３からの早期脱却が何よりも必要とされるのではないでしょうか？

■多摩川タヌキの大好物

27 Jul 2001 06:54:05
ＨＰにも少し取り上げましたが、先日行った「多摩川フォーラム」で中本賢さんの実に面白い講演を聴きました。中本さんのご自宅そばの川崎市多摩区（小生と一緒）の多摩川の河原にはいま６群ほどのタヌキの家族が居て、それぞれたくましく生活をしているそうです。
いま多摩川の河原は休日ともなると、バーベキューなど大勢の人が集まってきて、その結果として大量のゴミが発生します。近隣住民にとっては迷惑この上ないものなのですが、彼等タヌキ一家は喜んでいるとか？
彼等の大好物は①ケンタッキー、②コイのネリ餌、③マック、だそうで、ビーフのマックの順位が低く、チキンのＫＦＣの順位が高いのは、使っている油の違い。
マックは植物性の油で焼いていて、ＫＦＣはラードで揚げているというのが、中本さんの分析だそうです(笑)。
行楽客の減る＝残飯が減る冬を越すためには極力カロリーの高いものを、ということが、この順位に現れているそうで、住む場所はアーバンですが、さすがに野生の本能を失ってないなと感心してしまいます。

■酸性雨

26 Jul 2001 05:28:02
昨日から今朝にかけて、ようやく雨（おしめり？）が降りました。干からびていた川も、これで少しは活性を戻すのではないでしょうか？
気温低下とともに小生の活性もあがって、仕事をサボって、いつもとは反対側の電車に乗りました（片瀬江ノ島行き）(^o^)v

さて今日は久々に降ったので「雨」の話題。とは言っても恵みの雨ではなく「コワイ雨」のお話です。どうも三宅島の火山性ガスの影響で、南関東にはＰＨ３というトンデモナイ酸性雨が降り始めており、里山や河川の生態系への影響が心配されます。
酸性雨の正体は「硫酸」です。これは大気中にある硫黄が雨の水に溶けてできるものですが、この硫黄は火山性ガスの他、石炭や石油などの化石燃料を燃やしても発生します。いわゆるＳＯx(硫黄酸化物)問題です。

硫酸の雨は、樹木の葉や表皮の組織を破壊し、途中に浸み込み貴重なミネラル分を破壊してしまいます。上と下からやられた樹木はたちどころに枯れてしまいますが、土壌がやられているので再生もなかなか難しいところです。

しかもこれの影響は極めて広範で、一国だけがＳＯx排出規制をしても、酸性雨は降り続きます。ここがやっかいなところです。小生が温暖化とともに酸性雨がもっとも深刻な環境破壊と感じているのは、現実的な対策がなかなか打てないというところにあります。そうこうしているうちに事態はさらに悪化していくというわけです。

■カラスと生態系Ⅱ

25 Jul 2001 06:38:44
もう少し生態系のバランスの話をしてみましょう。グンと単純化して、たとえばＡ、Ｂ、Ｃという生き物が居て生態系のバランスが成り立っているとします。Ａが最上位に位置していています。
ところがある時、都市化とか汚染とか、何らかの理由でＡという種が絶滅するか、あらたな環境を求めて移動してしまったりします。Ｂにとっては今まで目の上のたんこぶだったＡが居なくなり、持ち前の生活力でバンバン繁殖します。
生態系というのはある種が一旦バランスを崩して増殖しますと、一気に単純な生物相に移行していきます。Ｂが急増することで、Ｃという種は生産力以上に駆逐されることになり、やがてＣの数は激減し、その生態系からはいなくなってしまいます。

とき「Ｃが減るからやがてＢも減ってバランスするから大丈夫」という呑気な意見を聞くことがあります。そんなに単純な話ではありません。本来、種というものが再生産し、永続していくためには、ある規模が必要です。
生態系というのは網の目のように相互につながったものですので、ある規模以下になると、生態系のネットの中ではその種のポジションが保持できずに、再生産もできずにやがては消えていきます。

一方、規模の増えたＢは、同種間の切磋琢磨が始まります。その中からはより環境適合性の高い「エリート」が生まれます。カラスの場合も一緒、彼等のなかからヒトの残飯などにも対応する個体が発生し、そのテリトリーを広げます。山から平地へ、河原から街中にどんどん増殖するようになります。
本来は止水域に棲むバスが川で育ったりしているのも一緒です。
このように生態系という一つの構造は、一旦どこかにひずみがでると、本来あった多様性は大きく失われてしまうものなのです。勝ち残ったごく一部の種だけが闊歩できるような単純な生態系はやはりアンバランスと云わざるをえません。

■カラスと生態系Ⅰ

24 Jul 2001 07:20:46
さいきん新聞の投稿欄に「カラスを虐めては可哀相、もっとゆとりをもって」というような記事がありました。要はどんな生き物にも命はあって、それは変わらずに貴重なものであることを訴えている投稿でした。

個人的には分からないでもありません。動物の命も大事なものです。でも小生はこう考えることにしています。ある括りの生態系の中でバランスがとれているのかどうか？ということです。生活力が強いものだけが淘汰されていくような状態はアンバランスな生態系です。カラスは魚で云えばブラックバスのような存在かも知れません。
カラスもバスもそれ自体は生き物であり、命をもっています。生きるということに一生懸命になることは当たり前のこと。
一羽のカラスをみて不憫だ可哀相だということは出来ます。でも例えばその人が百羽のカラスの大群の中に入っても同じことを思い、同じような感想を言えるものでしょうか？
ここに生命と生態系の難しさがあります。

■シマフクロウ

23 Jul 2001 07:09:50
先日、ＮＨＫを何気なく見ていたら「シマフクロウの生態」を特集しておりました。北海道からサハリン、沿海州をテリトリーとするこのフクロウの特徴は、他のフクロウ類が鳥や小動物を主体とした食性をもつのに対して、魚を中心とした食性をもっております。
ところが北の川ということで、冬や早春などは漁にならないでしょうが、そこは小動物やカエルなどでしのぎ、遅い春に遡上してくるサクラマスやキュウリウオ、夏は木陰に潜むイワナやヤマメ、そして秋はサケというサイクルで、本来生態を維持してきたのですが、近年のサケ漁のためにサケが下流で全て捕られてしまい、冬を越えるために食べるサケが上がってこない川が増えているという話でした。

気に入ったのはシマフクロウの魚の捕り方。カワゲラなどの敏捷な鳥とは違って、図体も大きいし敏捷でもないシマフクロウが魚を捕まえるやり方は、木の上から狙わずに、一旦、水辺の低い場所に降りて、身を低くして魚の視野の陰に入り、そこから低角度で襲うという方法。
魚の視野は、水面の屈折率などもあって意外と広く、頭上を中心に１２０度ぐらいまで見渡せます。水面から３０度以下の部分は水面の反射によって水底が写っている部分で、この位置に入り込めば「魚からは見えない」といいます。
さて、釣りにもこれは応用できそうです。水辺の低い位置にポジションをとれば、魚からは見えなくなり、これで見切りや反転は減ると想像されます。
水辺に姿勢を低くして狙うアプローチは、小生の過去の経験でも多くの証明を見せております。皆さまもシマフクロウになったつもりで魚釣りの醍醐味を味わっていただきたいものです。

■多摩川フォーラム

21 Jul 2001 08:42:37
お陰様で体調はだいぶ良くなりましたが、まだ本調子ではなく、週末は大人しく休息しております。
そんななか、昨日は二子玉川で行われました「多摩川フォーラム」を少し覗いてきました。多摩川河川整備計画の話や新たに再編集された「多摩川誌」の話も興味がありましたが、何と云ってもあの中本賢さんの基調講演があるということで、まだ重い身体を引きずり聞きに行ってまいりました。
いろいろな発表者の話を聞いているうちに、「多摩川というのは凄い川なんだな～」ということを遅ればせながら感じ入ってしまいました。
詳細はまた整理してＵＰさせていただく予定ですが、いくつか上げるとこんなことが多摩川から発信されているわけです。

・日本で初めて河川敷が解放された
・工事事務所に河川環境課ができた
・流域の全首長を集めてサミットが開催
・河道管理から流域へ（流域協議会）
・水系水面利用計画を作成
・市民参加（流域懇談会、市民フォーラム等）

今までの河川行政は「治水」と「利水」だけでしたが、そこに「環境」という要素を取り込みました。９７年の河川法改正以降その流れは全国に広がってはおりますが、法改正よりもずっとずっと以前から取り組んできた多摩川の色々な試みは各地の参考になっております。また「住民参加」と「行政と市民の協働」という動きにいたっては、多摩川はまさに日本のリーダー的な役割を果たしてきました。
思うにこれは流域住民の川を良くしようという熱意と、それに応えてきた行政側との長い道のりの成果であり、これは誇れるものだと強く感じた次第です。

中本賢さんがいみじくも云っておりました。多摩川は素晴らしい川だ、日本中色々な川に行くけれど行くたびに前より悪くなって憂鬱になる。多摩川は行くたびに素敵なことが起きている、新たな魚種が見つかったり年々きれいになっていく、これは放っておくのではなく、流域の皆が良くしようといろいろとやっているからだ。まさに多摩川から日本の川は変わりはじめているのかもしれない。近い将来、河原で楽しく泳いでいる子供たちにあったら「バカヤロー、俺の若いときゃあこんなきれいな川じゃあなかった」と胸を張って云える川にしていきたい。と。

■軍艦島の話

20 Jul 2001 06:59:28
このタイトルでピンと来た人は、九州に縁のある方だと思います。正式には端島（はしま）と呼ばれる軍艦島は、長崎港の沖合約１９キロにある、いまや廃墟となった無人島です。
１９世紀の終わりに炭坑島として始まった同島は周囲１．２キロのちっぽけな島、ところが４０年前には、ここに５３００人もの人々が暮らしていたと云います。
人口密度はじつに当時の東京都の９倍、鉄筋の高層アパートが建ち並ぶというメトロポリス的な賑わいを誇っていたそうですが、１９７４年に閉山するとともに島は無人島になり、高層アパート群はまさにゴーストタウンになってしまいました。
先日、たまたま新聞で写真を見た小生は、その光景に目が釘付け。一つの文明が終わったあとの島の姿から、何やら将来の日本の光景をダブらせてしまいました。「ここにはかってニッポンという国家が栄えておりました…」
この島をテーマにしたサイトは結構多くありますし、どれも賑わいを見せております。この非日常的な光景に惹かれるのは、かってそこで若き日を過ごした人々だけではなく、産業国家をみてきたある世代の人たち皆が共有する、なんらかの連帯感のようなものなのかもしれません。

■豊葦原Ⅱ

19 Jul 2001 06:51:25
ヨシ原は水の浄化だけではなく、生態環境の維持という側面でも重要な役割を果たしております。だいたい１㎡あたり１００本の茎が密集しているわけで、先ずはこれが水制として働き、川の流れを緩和させて河岸を守ります。
緩やかになったヨシの際や穴には魚やエビが卵を産み、そして小魚や稚魚たちの貴重な生活の場として使われます。いわば川の魚類相のゆりかごのようなもの。
普段は他にいる魚たちも、増水時には避難場所としてヨシ原に逃げ込んできます。コンクリ護岸では、よしんば平水時に水辺に小さな生態系が作られたとしても、ひとたび増水すればあっという間におしまいです。

ヨシ原には魚だけではなくカエルなどの両生類、昆虫、貝類なども集まってきます。またそれを狙ったり、自ら営巣したりで鳥たちも集まってまいります。
これらのように多くの生き物たちが集うところ「豊葦原」は、川の生物相を豊かにするために無くてはならない要素なのです。

■豊葦原Ⅰ

18 Jul 2001 06:35:53
瑞穂(稲穂)とともに、豊葦原というのがこの日本という国の原風景となっているのは、誰しもご存じでしょう。

ガマやヨシ、ウキクサやマコモ・ジュンサイのような在来種にくわえて、ホテイアオイやオランダガラシ(クレソン)のような水辺の植物は、やはり日本の原風景です。水田が日本にとって無くてはならない要素であるのと同様に、このような水草たちも、やはり無くてはならないものです。水質浄化という面から彼等の働きを一寸ご紹介するとこういうことです。

これらの水草の根には葉や茎から取り込んだ酸素が溜まり、それが水底や水際の有機物の分解に役立つということ。
これらの水草の表面にはあまたの微生物が着いていて、これらもまた有機物を食べてくれるということ。
そして水草自身も水中や水底のチッソ・リンを吸収するということ。

これらの要素があってヨシ原は水の汚染をくい止めるという、内水面生態系の維持・保全において、じつに重要なポジションを担っているわけです。
ある実験では、ヨシ・ガマ群落のなかに汚れた家庭排水をゆっくり通すと、２～３日もたてばＢＯＤ悪化要素の９割ぐらいが除去されてしまうという結果がでていることからも、彼等の重要性が証明されております。

■ナイトフィッシング

17 Jul 2001 13:05:05
今日も腹痛が引かず仕事はお休み。まあストレスに悩むほど繊細ではないので、おそらくは不摂生の賜物と思われます。この暑さで身体の方は弱ってきているのでしょう。皆さまも暑い折お身体ご自愛ください。

さて、暑さ厳しいこの時期にも負担の少ない釣りといえば、「ナイトフィッシング」でしょうね。シーバス釣りなどは年がら年中夜釣りが主体ですが、こう暑くなると他の魚も夜釣りが有効になってまいります。魚の活性も昼よりは上がるし、なによりアングラーの肉体的な負担が減ります。風などがそよそよ吹いていれば実に爽快です。

意外と効果的だったのは「コイのナイトフライ」です。いまや都市部の河川では真っ暗闇というポイントはそう多くはありません。どこの川面にも大なり小なり光が落ちております。昼間は見切りの多いコイも、夜になるとフライを丸飲みするほど大胆になります。しかも平均サイズはぐっと上がります。

あまり遠いフライは見えにくくなってしまうので、夜間のキャスティングはほんのちょい投げで十分。光の反射で水面のモジリが分かりますので、その上手にフワッと落とせば一発で来ます。もちろんコイテンカラやＤ式流し釣法でもバッチリです。
そんなわけで暑い時期は涼みながらのナイトフィッシングをお勧めします。

■暑気と釣り場

16 Jul 2001 10:39:37
どうも、このところの熱波にやられたのでしょうか？胃と頭をやられてダウン。本日も病院通いのデュークです。暑くなると胃が弱くなってくるのに、食い意地きたなく暴飲暴食したのが効いたのかも知れません。

これは水の中の魚も一緒、基本的には変温動物なので、温度上昇とともに活動が活発になりますが、それぞれの適水温を超えたら一気に活性は落ちてしまい、場合によってはそのまま昇天してしまいます。
最近は自宅の水槽でも水温が３０度弱にもなってますので、特にワンドや湖沼などの止水域ではかなり厳しい状況になっているはず。気温上昇とともに水中の溶存酸素も減っておりますので、この時期は「水温が他より低い場所」あるいは「水中の酸素が豊富なところ」がポイントとして絞ることができます。
具体的には、湧水の出ているところや、堰の下や瀬尻の水が攪拌されている場所がそうです。一般的には釣りづらいこの時期ですが、ポイントを絞って攻めれば効率的な釣りが可能となります。

■ハヤずし

14 Jul 2001 11:35:41
雨も降らずにひたすらカンカン照り。すごい夏になりましたね～。早くも暑気負けで、折角の週末も寝込んでいるデュークです。

さて今日は食い物の話題。ハヤ（ウグイ）はどうも評判が悪く、猫またぎなどとも呼ばれておりますが、なかなかどうして、新鮮なネタと時期と料理方法を間違えなければ、けっこう美味しい魚だと小生は思っております。
ハヤをナレ鮨種にする地方は、琵琶湖の湖西地方など結構ありましたが、いまでは神饌などの風習に残すだけです。ところが唯一、南会津地方では「ハヤずし」として親しまれているようです。初夏のハヤは「アカハラ」と云われ、腹やヒレが赤くなっておりますが、これを捕まえてワタを出し一晩塩で〆て、翌日桶にハヤ、飯、山椒葉を段々にして重ねていく。これを重石をのせてならすという段取り。
秋には食べられるようになりますが、本当は正月料理にされるそうです。わずか一晩の塩漬けで夏場を過ごしても腐敗しないというのは驚きです。きっとこれもハヤのもつ効能＝解毒力なのかもしれません。

■暑くなるとやっぱり

13 Jul 2001 06:50:46
年がら年中ビールを飲んでいるにも拘わらず、やっぱり暑くなってくると「ひときわ旨い」ということで、ついつい飲み過ぎてしまいます。
歳とともに諸兄同様にベルトの穴が気になってくるものの、やっぱり風呂上がりの一杯や、釣りが終わって飲む一杯は止められません(^o^)v
すぐに真っ赤になる体質なので、ガンガン何杯もいくというスタイルではありませんが、ビールはやっぱり人生には書くことは出来ません。
ところで、この春から発売した「スーパープレミアム・モルツ」を最近飲んでますが、これは実に旨い。かってヨーロッパで飲んでいたビールの味を彷彿させます。いままでは限られたビアホールでしか飲めなかったのですが、これで家でも本物の旨いビールが飲めると、とても喜んでおります。
とはいえ、３５０ml缶で税込２５５円と単価はやや高いので、釣り具やデジカメなどで散財してしまうときは、ついデフレブランド「本生」に日和見スイッチしてしまうという、情けない小生
(^_^;

■臭い川

12 Jul 2001 06:27:02
梅雨があがって夏になると、都会の河川からはとたんに悪臭が漂いはじめます。さて、この理由は何でしょう？
今日はいつもの「ＢＯＤの話」よりももうすこし平易な話をしてみたいと思います。
水は「命の源泉」とも云われるように、実に多くの微生物を育んでおります。これらの微生物は水の中にある有機物を食べて分解してくれるので、有機物（汚染物）と微生物の総量がバランスさえしていれば、水はキレイです。

ところが暑くなってくると、水に溶ける酸素の量がグンと減ってまいります。酸素が減るとどうなるでしょう？
有機物を食べてくれる微生物が生きられなくなります、全滅はしないまでも単位面積当たり生きられる微生物の数は激減してしまいます。こうなると多くの有機物が分解されずにそのまま残ってしまいます。これが「悪臭」の原因です。
もちろん水温に関わりなく有機物の量がバランスを崩して増えれば、生存可能な微生物の量を凌駕してしまいますので、これも悪臭の原因ですが、普段は臭わないのに夏場になると臭くなる、という現象は「水温上昇→溶存酸素量低下→微生物減少→有機物増加」というロジックによるものです。
これを打開する手は「水中の酸素を増やす」ということになります。その点で降雨は、水量増加（＝酸素量増加）、水温低下（＝酸素量増加）さらには雨粒による水面での攪拌（＝酸素量増加）という、トリプル効果で悪臭追放に効いてくるというわけです。
梅雨があがって夏になると、都会の河川からはとたんに悪臭が漂いはじめます。さて、この理由は何でしょう？
今日はいつもの「ＢＯＤの話」よりももうすこし平易な話をしてみたいと思います。
水は「命の源泉」とも云われるように、実に多くの微生物を育んでおります。これらの微生物は水の中にある有機物を食べて分解してくれるので、有機物（汚染物）と微生物の総量がバランスさえしていれば、水はキレイです。

ところが暑くなってくると、水に溶ける酸素の量がグンと減ってまいります。酸素が減るとどうなるでしょう？
有機物を食べてくれる微生物が生きられなくなります、全滅はしないまでも単位面積当たり生きられる微生物の数は激減してしまいます。こうなると多くの有機物が分解されずにそのまま残ってしまいます。これが「悪臭」の原因です。
もちろん水温に関わりなく有機物の量がバランスを崩して増えれば、生存可能な微生物の量を凌駕してしまいますので、これも悪臭の原因ですが、普段は臭わないのに夏場になると臭くなる、という現象は「水温上昇→溶存酸素量低下→微生物減少→有機物増加」というロジックによるものです。
これを打開する手は「水中の酸素を増やす」ということになります。その点で降雨は、水量増加（＝酸素量増加）、水温低下（＝酸素量増加）さらには雨粒による水面での攪拌（＝酸素量増加）という、トリプル効果で悪臭追放に効いてくるというわけです。

■イネと日本人

11 Jul 2001 07:10:26
この時期になりますと、小生の住む川崎の片田舎でも、田植えが終わった稲苗が水田に並ぶ光景があちこちに見え、お百姓さんの苦労もしらずに、つい呑気に「日本に生まれてよかった」と感じ入ってしまったりします。
たしかにイネのルーツはアッサムから雲南、稲作のルーツは中国の長江流域というように、もとから日本にあったものではありませんが、遠く弥生の世からずっと続くコメの文化は日本に住む私たちのＤＮＡにとってなくてはならぬものです。

縄文末期に稲作が伝播してきた頃の日本の人口は７～８万人。それが弥生末期には６０～１００万人になったと云われておりますので、イネのもつ力には凄いものがあったのでしょう。今ぐらついているとはいえ、イネが日本の国力を支えてきたということを否定することは出来ないでしょう。この平野部の狭い国土で、大勢の人口を支えてこれたということは、稲作抜きでは語れません。

いま、日本のコメ文化は厳しい状況に立たされておりますが、世界人口が１００億人になったときに、はたしてどれだけの国が日本のために食糧を供給してくれるでしょう。クジラも含めた海産資源とコメ、この二つに大きく感謝するときが否応なく来ることは確実だと小生は感じております。

■ＭＩＭＩＺＵ

10 Jul 2001 09:43:51
今日は、あのダーウィンも一目置いていたという「ミミズ」のお話。彼等は「森の土作り」という面では実に重要な役割を演じております。
落ち葉を食べてフンを出しますが、ミミズのフンは保水性もあって、植物にとっては実に吸収しやすいもの。またミミズたちは土の中を縦横にうごめくために、表土に近い土の通気性や透水性を改善させるようです。

そういえば、面白い例としてはオランダの干拓地のケースがあります。もともとここは海だったところを農地にしたわけで、ミミズは先住民族ではありませんでしたので、一匹も居りませんでした。
そのために折角農地にしても、落ち葉がなかなか分解されずにいて、腐植土が出来ないので作物の実りは良くありません。そこでミミズを持ち込んだところ、これが奏功、落ち葉は見る間に消えてミミズのフンだらけになって、作物もじつに良く実りはじめたという話。
また、ニュージランドのケースでは地元のミミズの働きがいまいちだったようで、遠くイギリスからミミズを移植。牧草地の維持にずいぶんと効果があったそうです。

昔は釣りの餌といえばミミズがかならず登場しましたが、いまやルアーやフライが全盛、エサ釣りでも練りエサが主体。ミミズはどうも嫌われ者ですが、もっと見直しても良いベイトであると感じております。
流し釣りにもミミズを使った怪しいアプローチを目下検討中です。上手く使えばナマズはおろかバチ抜けシーバスにも効果がありそうです。

■０．０００１％

9 Jul 2001 06:45:06
梅雨とはいえ、真夏のように暑い日が続いて、なかなか雨が降りません。客商売の人は別として、誰しもここらで一雨ほしいと思っているのではないでしょうか？
近所の多摩川の水かさも減ってきており、ちょっと元気がありません。

今日は「川の水」にまつわるお話です。この地球は「水の惑星」とも云われるように、水で覆われておりますが、誰しも学校で学んできたように、その９７．５％は海水で、淡水はごくわずかです。
さらに淡水のうち「川の水はどれぐらい？」という問いかけになると、あまり答えられる人はおりません。おどろくことに川の水は地球全体の水の量のわずか「０．０００１％！」しかないようです。
海水以外では氷が１．８％、地下水が０．７％ということなので、これだけで２．５％。海水と加えると１００％です。要は川の水はカウント外のごくごくわずかな量しかありません。同じようなカウント外の水分の要素に大気中の水蒸気がありますが、これは０．００１％と、マイナーながらも川の水より一桁多い。
川の水というものが如何に貴重なものであるとお分かりになるでしょう。それともう一つ大事なこと、この「０．０００１％」という数字は地球上のすべての生物の体内水分量と奇しくも一緒と云うことなのです。
カウントにもならない比率の川の水ですが、川がとうとうと流れることで、多くの生き物がこの地球で生きていけるということが、何となく見えてまいりませんか？

■ワンド考Ⅱ

7 Jul 2001 05:29:10
多摩川という河川は一度は死にかけましたが、いま少しずつ再生への道を歩み始めております。これは何よりも流域住民の意識の高さがアップターンへのきっかけだったと思います。

河川法改正に先立つこと４年、９３年には調布市に長さ２００ｍにも及ぶ「人工ワンド」が作られました。かってはゴルフ練習場があった民有地でしたが、市民団体の要望で行政が動き、国と調布市が２０億円をかけて買収・整備しました。

ここは上河原取水堰の下流で、もとより蛇行部であったこと、いまなお自然湧水が出ていること、などからワンド造成には適した場所でした。
ここのワンドは下流側に開口部をもつもので「洗掘誘導型ワンド」と呼ばれるものですが、増水時にワンド内部に旋回流が入って、ワンド内に溜まった土砂、そしてワンド内で成長した植物や生物を、水洗トイレのように一旦フラッシュ（洗い流すこと）して、その生物分布を拡散させるという役割ももっているようです。
人工ワンドは激しく変動する河川の力を見誤ると失敗してしまう例もあるようですが、ここの場合はうまく機能しているようです。

先月、ここのワンドを覗いてみたら小さい魚がいっぱい。コイも産卵の疲れをここでゆっくりとっているようでした。釣り人がおりましたが、本当はこのような場は、自然観察のためのものとして、禁漁エリアにしてもいいのではないでしょうか。

このような人工ワンドの動きは全国に広がっており、これによる生態系改善はもとより、環境教育などの場が提供されることは嬉しいことです。

■ワンド考Ⅰ

6 Jul 2001 06:14:43
ワンドという言葉の語源は「湾処」。入り江をさしますが、近年の都市河川学では必ず検討される要素です。
ワンドがあることによって緩い流れを作り、多くの生物たちの生活の場を作ります。ワンドといえば淀川河川敷のそれが有名ですが、これはもともと水制護岸を作ったわけですが、その副産物として洪水などで迂回流や洗掘が行われた結果生成されたものです。これらのワンドには水生植物、稚魚や貝類、鳥や虫たちが住み、一つの立派な生態系を確立しております。魚で云えば本流で暮らす魚たちの産卵床となったり、あるいは本流筋ではみられなくなってしまったような稀少魚の生存も確認されるなど、いまや都市河川環境の改善にとっては、実に効果的で重要な要素となってきているようです。

９７年の河川法改正で、従来型の治水・利水一辺倒の河川整備から河川環境の保全という要素が取り込まれ、この妙薬である「ワンド」を人工的に作ってしまおうという動きも始まっております。

■汽水域の定義

5 Jul 2001 06:52:15
先日、中本賢氏の「多摩川ガサガサ遊び」を新幹線の中で読み返していたら、「汽水域というのは、海水と川の水が混じっている場所としてイメージしている人が多いが、海水と淡水はほとんど混じらず、比重の関係で上下に重なっているだけだ。」という、自身で潜られて観察した体験をもとにコメントされておりました。

氏の表現をそのまま借りれば、水面近くは真水、その下はアイスティのガムシロップのような塩水と真水の境目でこすれてユラユラとなった、ややしょっぱい層、そしてその下は完全な海水だった。ということ。
つまり汽水域は「海と川が重なっている場所」であり、「両者が混じるところではない」というのが氏の結論。
アユのような海水から遡上する魚は、川底近くの海水層をつたえ泳ぎ、満ち潮とともにぐーんとのびた海水のベロを進みながら、海水と真水の境のユラユラ帯で浸透圧調整をして、やがて潮が川のもっとも奥まで伸びた先からユラユラ帯から飛び出して、川の上流を目指すという。

小生の見方では、河川と川の関係はその地勢的なポジションで千差万別。ケースによっては「ベロ：塩水くさび」ができない河川もあるし、波の力あるいは川の流れが強く攪拌が激しく行われてユラユラ層ばかりの河口部もあるように思えますので、独断はできませんが、緩傾斜で内湾に注ぐような河川の場合には氏の指摘は正しいと思われます。
さて「汽水域は海と川が重なっているところ」という文言。どうもここには川シーバスの生態を解くカギと、汽水域のコイの行動を解くカギが隠されているようです。

■多摩川のアユに思う

4 Jul 2001 06:51:51
今年は近年にない豊漁とかで、天然遡上のアユも多く採れている多摩川ですが、アユというものは釣ってよし食べてよしというのが売りの魚だったはずです。
多摩川も都市河川の例に漏れず「富栄養化」しており、川底にはアユの餌となる藻類がよく育つ環境にあります。従ってサイズもなかなか良い。

ところが、良いことばかりではないようで、この藻類を食べながら育つために、アユの持つ香ばしさは台無し。あの中本賢氏は、毎年一匹は料理をすることにしているらしいですが、焼き始めたとたんひどい異臭、それも食べ物のにおいとはほど遠い洗剤のこげるような臭いがたちこめ、口は付けてはみるものの、いまだに飲み込んだことは無いという話。
多摩川ナチュラリストとも云われる、多摩川シンパの中本氏ですら、このような表現をされるくらいだから、やはり事実なのでしょう。最近では神田川や鶴見川にもアユの遡上が確認されるように、都会の河川はきれいになりつつあるのは事実。

実際、多摩川も小生が釣りを再開した９８年に比べて、ずいぶん綺麗になったような気がします。鶴見川もそうです。三年前には使ったタモ網を家に持ち帰ってみるとかなり臭く、気合いを入れてゴシゴシ石鹸で洗い落としたりしてましたが、今ではそのような事は少なくなって、場合によっては水で流す程度ですむようになりました。
不況の影響もあるのでしょうが、たしかにこの１～２年で都市部の河川はまた一段と浄化が進んだのではないかというのが、それらのエリアを徘徊している小生の偽るざる印象です。

云いたいことは「魚が戻ってきた川」から、さらに一歩進んで「魚がおいしく食える川」にしていく時期に、いよいよなってきたのではないかと云うことです。早く中本賢氏から「今年の多摩川のアユは食べたけれど美味かった」と言われるように、縁あって流域にすむ一人の市民として、この川をサポートしていければと感じております。

■ウキゴリと魚道

3 Jul 2001 07:58:42
昨日は会社記念日ということで半ドン。夕方、日が傾いてから、ビール片手に多摩川中州に行ってのんびりと過ごしました。宿河原堰の魚道も水が減ってきており、魚も登りにくそう。ここらで一雨欲しいところです。

ＨＰのネタで魚道の勉強をしていると、どうやら魚道の良し悪しのポイントは「多くの種類の魚を遡上させられる魚道」というのがキモのようです。
遊泳力の強いアユやコイなどしか遡らない魚道は、別のタイプの魚道を併設して、出来るだけ多くの種類の魚やカニエビ類を上げるように工夫されております。

近代的魚道の一つとして「デニール型魚道」というのがありますが、これは阻流板を魚道の側壁や底に設けて、同断面で水流をリニア緩流から急流まで振り分けてしまうスグレものなのですが、唯一「底生魚の遡上」については合格点が与えられないものでした。底生魚は底の石や窪みを見つけ水流の弱いポイントをズリズリと這うようにして遡上するのが常で、魚道底に阻流板が付いているデニール式では底部の水流は緩くなっているものの「一旦浮かなくては遡れない」わけです。

このためにヨシノボリやカジカ、カマキリ(アユカケ)などはこのタイプの魚道では殆ど遡上できないのですが、唯一ウキゴリは一旦上層にあがってから遡上していくという技を見せるそうです。「ゴリ」という呼称はドンコなど底生魚を指すことがありますが、「浮きゴリ」という名のように、中上層での遊泳も可能なウキゴリは、近代の河川障害物にも対処しながら生きる術を心得た、ちょっとタフな魚のようです。

そういえば平成１１年度の川崎市内の中小河川の生態調査において、いままで魚が居なかった「有馬川」でウキゴリが確認されたという話を思い出しました。
まあ、これも「芸は身を助く」の一つといえるでしょう。

■ミネラル水

2 Jul 2001 00:22:15
７月に入りいきなり猛暑襲来。釣りにはなかなか辛い季節になって参りました。水質悪化で河川環境は急降下、いきおい活性も悪くなってしまいます。また水道水の質も同じように悪化、川の水が臭くなりますと、その対策として塩素を増量しますので、これからの水道水はぐっとまずくなります。

塩素をとばすもっとも良い対策は「煮沸」ですが、塩素と一緒に炭酸ガスや酸素まで飛ばしてしまいます。炭酸ガスはミネラルと共に、水の味わいを構成する要素なので、これが飛ぶ味気ない水になってしまいます。湯冷まし水の味気なさはほとんどの人が経験しているはずです。

ところが、わざわざお金を出してまで、この「湯冷まし水」を買っている人が大勢おります。食品衛生法により日本製ミネラルウォーターは「加熱殺菌」が義務づけられております。加熱時間は８５℃で３０分以上です。こうなると源水に含まれる殆どの炭酸ガスが飛んでしまいます。ミネラルは残りますが、源水とは似て非なるものになります。それでも飲めるのは単に冷やしているからだけの理由です。「○△の源水」というネーミングなどは本質的には不当表示にあたる気がします。
ということで、国産ミネラルウォーターは基本的には「湯冷まし」と思っておいた方がいいようです。

妙な国内法規のために出来あがった、「妙な湯冷まし水」より、煮沸した水道水を冷やしたものの方が、このデフレ時代を生き抜くためにはよりクレバーです。もしもミネラルウォーターを選ぶ場合は、外資の手先ではありませんが、「洋モノ」のほうがより本質、本物です。

[ Back ]