Hiyorimi-Note

■第１四半期釣行実績

30 Mar 2002 06:14:52
今週で三月もおしまい。そんなわけで恒例によって、平成十四年度第１四半期の釣行記録を纏めてみましょう。風邪をひいてしまったようなので、今週末の釣行予定は(？)ですが、いちおう昨日までの状況は次のような感じでした。(ＳＢ・コイ・他魚・ガサガサの順）

１月度：６日（－／３回／１回／２回)
２月度：２日（－／１回／１回／－ )
３月度：４日（－／１回／３回／－ )計１２日

日数の方は、まあこんなもんでしょう。年間５０日というベースから大きく逸脱してはないようでホッとしました。とくに１月は長期休暇もあったので、オフシーズンにしてはよく行ったという感じです。ただし釣果の方は悲惨でコイはわずか４匹。タモロコはともかく、マルタ２匹というのが唯一の成果という感じでした。
寒い時期とはいえ、ガサガサで二ヶ月間も出陣してなかったのが意外でしたね。暖かくなって今月からヨシノボリが遡上し始めている様子なので、これから積極的に動こうと思います。コイの方も動きが良くなっているので、汽水域での大型狙い、中流域の遡上魚狙い両面作戦で始めるつもりです。ＳＢのほうは来月あたりからボチボチ始動したいと考えております。
フィールドの方では、専ら多摩川詣でで鶴見川には未だ出向いていません。このあたりも課題です。そんなこんなで、第２四半期はやりたいことがいっぱいあって大変です。
(^_^;

■黄砂はコマセ？

29 Mar 2002 06:54:30
本日は「Good-Friday」。このところいいニュースがないので、きっと何か良いことでも今日はあるのでは？と期待しておりますが、果たしてどんなもんでしょう(笑)。

ところで先日の「春一番」には閉口していたのですが、ＴＶのニュースで見た「黄砂」というのには本当に驚かされました。さすがに何事にもスケールの大きい中国。砂嵐みたいな感じで前が見えないほど。これらは中国西部の砂漠地帯からの砂です。砂漠化が進行し黄砂による被害は年々深刻になっているようですね。西日本にも一部が飛んできて洗濯物を汚したりの被害を出しているようです。日本への降砂量だけでもスゴイのに、何と一部はハワイ諸島や北米にまで達しているとか…
ところが、世の中悪い話ばかりではなくて、黄砂にはアルカリ性の炭酸カルシウムが含まれているので酸性雨の中和に役立っているという話もあります。ハワイ島にまで飛んだ砂は溶岩台地に養分を与えているという説もあるほどです。そんなわけで黄砂も捨てたものではありません。黄砂にはリンや鉄などの無機養分が付着しているために、川を経由して流れ込んだり、直接海面に降ったりして海に栄養を供給しているようです。これが植物プランクトンの増殖を促進し、それをエサにする魚を育むという効果もあるようです。云うなれば東シナ海の豊富な魚影は「黄砂のコマセ」に依るところが多いようです。

■オペラ雑感

28 Mar 2002 06:29:37
とは云っても歌劇ではなく、ノルウェー産のブラウザソフトのお話。小生は穴だらけのＩＥを嫌って、もっぱらネットスケープ（とはいっても従来型4.78）を愛用してきましたが、最近日本語β版がリリースされた同ブラウザ(6.01版)をインストールしてみました。
ながらくネスケのインターフェイスに慣れ親しんだものとしましては、初めは臆してしまいましたが、使い出してみると、これがなかなか出色の出来映え。
オペラのユーザーサイトでは絶賛されてはおりますが、売りのスピードはたしかに感じるものの、細かい点や安定度などでは、まだまだバグが多いような気がしますので、デフォルトブラウザには出来かねません。とはいえ、いろいろとカスタマイズできるので楽しんで使っております。やっぱり最近のソフトウェアは全般的にお肉が付きすぎのような感じですので、オペラのような軽いソフトは有り難いですね。
小生のほうは気に入ったのでライセンス購入をしてしまいましたが、バナー付きでしたら無料で楽しめますので、ＩＥやネスケじゃ飽きたという方々は一度トライしてみたら如何でしょう。現時点β版では文字化けやテキストコピーなどでパッチは必要ですが、底力は大きいものが感じられます。ぜひともＩＥやネスケを凌駕するようなソフトウェアに育って欲しいものです。日本語正式版は今月下旬にリリースされる予定？です。

■カーディナル故障

27 Mar 2002 07:09:57
小生の持っているカーディナルは「４４Ｘ」といった高速版で、日本には輸入されなかったモデル。２０年以上前のことですが、当時欧州にいた兄に頼んで買ってきてもらったものです。そんなわけでシーバスからニジマス・ヤマメ・イワナやブラウン釣り、はたまたニゴイやマルタのスピナー釣りと幅広く愛用してきましたが、先日のマルタ釣りでコイをヒットさせてしまったため、どうもスプールシャフトが曲がった？らしく、スプールが取れなくなってしまいました。
技術は日進月歩ですので、きょうびのスペック仕様からいうと、ぜんぜん大したことのないモデルですが、永年こき使ってきた愛着物だけに、何とか修理して使い続けていきたいと思っております。

■ワカサギ好調

26 Mar 2002 06:49:33
川魚は魚臭いと云って嫌う人は多いですが、ワカサギについては文句を云う人はないでしょう。小生もワカサギは大好きで、芦ノ湖に行くと、何はさておきワカサギ料理を食します。どうやら今年の芦ノ湖は昨年を上回る豊漁となりそうな按配だとか。
芦ノ湖漁協と東海大学と共同で開発した新しい孵化方法が奏効していることと、湖の浄化が進んでいることが重なったためと云われているようです。このため外から移入している受精卵の比率を半分ぐらいに抑えて(いままでは７割が移入)、芦ノ湖内での再生産を増やすということで進めているようです。
各地でバスやギルにやられて、何かと生活域を脅かされているワカサギ君たちも、これで復権ということになれば、なかなか愉快な話です。

■牛の失地回復

25 Mar 2002 07:48:32
週末はいろいろと雑用に追われてしまい、とうとう釣り場に出向く機会を逸してしまいました。(T_T)
唯一、近所の緑地にあるプラネタリウムで「星の観察会」なるものがあって、最近地球に接近している彗星などをみられたことが成果です。週末は空が澄んでいたため結構いいタイミングでしたね。なにやら広々とした星空をみていると、どうもこの地上で起きているさまざまのことが妙に馬鹿らしくなってしまいます。

さて今週も地上の話題。「牛」の話で始めます。どうもこのところのＢＳＥ騒ぎで、かっての評価が地に落ちてしまった国産牛ですが、意外なところでポジションを確保し始めているようです。
山間部の農村ではシカやイノシシの被害が問題となっております。減反策で休耕田が増えたため、山林から彼等が降りやすくなったのでしょう。耕作している水田にも入り込んでイネを食べてしまったり、柵を壊したりで、各地で問題となっているようです。
ここで出てきたのが、休耕田への牛たちの放牧。どうやら牛の存在がシカやイノシシに嫌われるようで、牛たちが放されたらこれまでの獣害がぴたりと止まったそうです。云うなれば番犬ならぬ「番牛」という感じです。
興味深いのは、現役ばりばりの牛ではなく、乳採りなどの役目を終えたようなロートルでも効果は一緒。人の場合は高齢者の再就職は大変ですが、ここで門戸が広がれば、ＢＳＥ対策で嫌われた高齢牛などにも適用されることになります。しかも放ってある草地の草刈り効果もあるというので一石二鳥から三鳥。

■Hachimitsu

23 Mar 2002 08:12:00
産業革命や環境汚染で、多くの知見をもっているヨーロッパから学ぶことは多いのですが、ＢＳＥ問題でも当初日本は英国からの警鐘をシカトしてましたね。愚かなことです。
さて今日はハチミツの話題です。小生は健康食品としてハチミツをけっこう愛用してますが、ハチミツの大半を占める中国産ハチミツに黄信号が出はじめました。英国やドイツで中国産ハチミツから発ガン性抗生物質「クロラムフェニコール」残余物が検出されて、衛生局はハチミツを回収し始めたからです。
この物質は以前に中国産冷凍エビで検出されたものと同じ。これ以外の農薬残留物でもいろいろ問題になっていて、どうもハチミツに限らずシイタケ、エンドウ、ゴボウなど、ズサンな管理が目立つと云われる中国産品。例によって「2ch」ではボロクソに書き込まれてますが、日本への輸入品は大丈夫なんでしょうかね～。かなりギモンです。
やっぱ、ここは自己防衛と云うことで、高い（２～４倍もする！）けれど国産やハンガリー産ハチミツにしようと思います。

■ドイツコーヒー

22 Mar 2002 07:20:19
ヨーロッパではコーヒーも紅茶も輸入品ですが、面白いことにコーヒー初めて輸入された国が英国で、紅茶が先に輸入されたのがドイツ。そして、いずれの国も変節し英国は紅茶、ドイツはコーヒー輸入大国となりました。とはいえ今でも、ドイツにもいちおうは「紅茶：シュバルツ・テー」はあります。ただし名ばかりで、駐在したての頃、カフェに入って紅茶を注文すると、ティーバックが浮いたガラスコップが当たり前のように出てきて閉口したものでした。
それに比べますとドイツのコーヒーは立派。コク・香り・酸味とも非常にレベルの高いものがサーブされます。コーヒースタンドは街中や駅にもたくさんあって、気軽に美味いコーヒーが飲めることは、コーヒー大好きの小生としては非常に嬉しかったです。
ポピュラーなブランドはムーベンピックやヤコブス、エドショーなどだったようです。ダロマイヤーなどの高級品もありましたが、そこは品質にうるさいドイツ人、安くても美味いコーヒーが多かったようです。
そんな国民性に目をつけて、いよいよあのスタバがドイツへ出店することになったようです。たしかスタバの経営者はドイツ系アメリカ人。よもや「I shall return」ということではないかもしれませんが、非常に厳しいマーケットですので日本のように上手くいくかは分かりません。スタバのファンの一人として、社名にもなった「白鯨」に出てくるコーヒー好きの一等航海士(Mr.Starbuck)にちなんで「Nordsee：北海」航海の無事を願いたいものです。

■猫のホームレス化

21 Mar 2002 05:46:28
先日、多摩側べりをチャリで走っていたら、見慣れない看板が複数立ててありました。止まってよく見てみると「猫を捨てないで下さい。河川敷に猫を捨てることは動物愛護法に違反し罰則があります云々。――　国交省＆保健所」というような内容。
そういえば最近、河川敷で猫を見かけることが多くなったなあ、と感じていたところでした。子猫が生まれちゃって捨てたという話は昔からありましたが、河原の猫たちの様子では、どうも最近は年寄りが捨てられているような感じですね。長引く不況で、どこもかしこも人減らし（特に中高年）のリストラをしておりますが、何と家計にまでこれが来ていたとは驚きです！
いざとなれば番犬にもなる犬とは違って、見える貢献度の少ない猫ちゃん。あわれにも家計リストラの一環でホームレス化しているという、いまの世知辛い社会の一幕を垣間見てしまいました。

■三本足のカラス

20 Mar 2002 05:03:37
今の流行り言葉で云うと「悪の枢軸」、小生曰く「ＹＫＫ」のメンバーの一翼を担うカラスですが、ところ変われば「神様の使い」としてカラスを敬っているところもあります。近所でいうと府中市にある大国魂神社のお祭りでは「カラスの団扇」が厄除けのグッズとして、もてはやされております。それ以外にも神事でカラスに関わるものが残っている神社は多いようです。広島の厳島神社ではカラスを使った神事があるし、和歌山の熊野大社などではお守り札にカラスの絵文字が描かれています。
面白いのは、このカラスが三本足である点。この三本足のカラスというのは諸説があるのですが、お隣中国にある陰陽五行説あたりが始まりのような感じです。正確に話せば長くなってしまうので省きますが、すなわち陰＝偶数、陽＝奇数であり、カラスと言うのを太陽の精（黒点をカラスと見た？）ととらえて、神聖なものと置いたようです。そうなると二本足ではマズイ、そこで三本足のカラスを作ったという話。神の使いで幸運をもたらすカラス。じつはこの鳥、Ｗ杯サッカーに出る日本代表チームの胸にもしっかり着いているんです。何てったってＪＦＡ（日本サッカー協会）のマークが三本足のカラスなんですから驚きです。

■早野の溜池ピンチ

19 Mar 2002 07:38:40
マイナーな話題で恐縮ですが、川崎市の山奥？早野にある灌漑用溜池群がピンチとなってしまいました。ここは川崎百景の一つにもなっているところで、このあたりでは珍しい里山的な池群なのですが、７つある池を市が最近調査したところ、何と在来魚はほとんどゼロでブラックバスとブルーギルばっかりだったという話。
池群は合わせて１．７ヘクタール。在来種としてはコイ、フナ、ナマズ、タナゴ、ハヤ、モツゴなどが生息しており、水生植物も豊富だったのですが、今回の池の水を全部抜くというかい掘りというものをしたところ、居たのはコイだけ。たくさん居たはずのアメリカザリガニすら殆どいなくなっていたというから大変な事態です。いっぽうギルとバスは数千匹という「大漁」。サンフィッシュ科の違法放流による生態系破壊の典型的な事例です。自分の欲求を満たすためだけに、環境を考えずバスやギルを違法に放流するアングラーがいるということがとても残念です。
怖いのは、この池の水、鶴見川にも流れているということ。ようやく回復基調にある鶴見川の生態系も、ここから逃げ出したバスやギルに壊されてしまう恐れが出てきました。

■釣り産業も底入れ？

18 Mar 2002 07:09:03
先日の新聞ではシマノがインドネシアやマレーシアにある工場でのロッド＆リール生産を拡大する方向という記事が目に入りました。韓国や台湾では日系メーカー各社の釣り具がどんどん増えているそうですし、ロシアや東欧でも釣り人口が増えてきており、それに準じて市場も伸びているそうです。
さて翻ってデフレスパイラルに陥っている国内市場。来年度はどんな予測なのでしょうか？シマノの見通しでは、マーケットは昨年底入れして伸びに転じるということになっておりますが、ちょっとばかりギモンです。バス問題で釣りにダーティイメージがついたり、長引く不景気で「釣りどころではない」という人が増えていると感じています。
そして何よりも「釣り人口がそんなに増えないのでは」という点です。そもそも日本全体の人口が４～５年後から減っていくことが確実視されており、しかも少子化であらたな釣り人口の供給元が萎んでいることなどからみると、どうも楽観的な見通しは立てられるような感じではありませんね。

そもそも釣り具というのは寿命がけっこう長く、果たしてこのような時期に「買い換え＆グレードＵＰ」のために市場が動くようなことがあるのでしょうか？古いタックルで釣果に圧倒的な差が出るという局面は考えにくいですね。新製品の付加価値というのは、どちらかというと「見栄」とか「自己満足」の要素が多いのではと感じられます。
一方、釣り人口予備軍である子供たちにとっても、おそらくはプレステやパソコン、ケータイにお小遣いが動いて行くのではないでしょうか？釣り具に比べると、こちらは新製品で得られる付加価値（機能やテクノロジーなど）はかなり具体的で、しかも小さくないはずです。そんなわけで、もし新しい釣り具に関心をもっていたとしても、お金の第一の行き先はこちらにいくような気がしてなりません。
そんなわけで、釣り産業界としては国内マーケットについては、ルアーやラインなどのような消耗品や、修理などの付帯サービスで稼ぐしか手はなさそうです。でも消耗品は専門メーカーの方がブランド力はあるし、大手が寡占状態のリールやロッドについても、その高品質が災いして修理の機会もあまり出てこないはずです。おそらくはダイワやシマノなど大手企業にとっては、国内マーケットは厳しい時代が続くことになりそうです。

■ＩＷＣバトル・インジャパンⅡ

16 Mar 2002 09:42:17
近年、ホェールウォッチャーなども世界的に増えており、まあ日本の中でもいろいろ意見はあると思います。それは否定はしませんが、小生個人としては「調査捕鯨は賛成」という立場です。理由は二つあります。

①海洋生態系の研究と活用
②たんぱく源の多様化

地球の表面積のほとんどを占めている海。その生態系をどう保全し活用していくかということが人類の将来のためにも必要なことは論を待ちません。。海洋生態系という視点から云うと、クジラ類は海の生物相の最上位に位置しているわけです。頂点を調査研究することが研究内容の充実につながることは明らかです。ながい日本の歴史は海とのつながり、海からの恵みがあったことで支えられた、という見方も忘れてはいけません。海洋国家という言葉は今や死語かも知れませんが、海を研究していくことが日本の将来をより豊かにすることにつながると信じて止みません。
また「食糧戦略」という視点で考えた場合、現代ＢＳＥ牛肉などで既存タンパク源への警鐘が鳴らされておりますが、このような問題に対処する一つの方向として、タンパク源の多様化を考える必要があると思っております。資源小国ニッポンとしては選択肢を多く持っていないと、それこそ毎日ＯＺビーフやアメリカ食肉メジャーのマリオネットとなることは避けようがありません。少なくとも小生はごめんです。

とはいえ水産資源というより宗教的問題のような感さえある捕鯨問題。とくに資源量そのものについてコンセンサスが形成されていないイワシクジラをあらたに調査捕鯨対象に加えたので、ここが最大の論争点になることでしょう。小生としては、じつは本音として沿岸捕鯨枠のミンククジラ＋５０頭を確保させたいという思いがあるので、イワシクジラ問題で総会がグチャグチャになってしまうことに恐れがあります。少しずつでもいいので捕鯨のプレゼンスと失地回復を計ってもらいたいと考えております。
今回は一旦終わりますが、このテーマは継続的に取り上げていきたいと思っております。最後に「鯨メールマガジン」がIWC下関会議推進協議会から発行されてます。結構面白いのでご紹介いたします。

■ＩＷＣバトル・インジャパンⅠ

15 Mar 2002 06:49:36
今年５月には下関市で「ＩＷＣ総会」が開催されます。その前から早くもきな臭いニオイが立ちこめ始めました。今回の総会では日本が「調査捕鯨を拡大する」ということが提案されるためです。今年の調査捕鯨は６月から１０月の間に行われますが、従来から続けられてきたミンククジラ（１００頭）、ニタリクジラ（５０頭）に加え、一昨年から加わったマッコウクジラ（１０頭）。このマッコウクジラにも反捕鯨諸国はブースカ反対している訳ですが、今年は更にイワシクジラ（５０頭）そしてミンククジラに沿岸捕鯨分５０頭をアドオンするという内容ですから大変です。

調査捕鯨の対象となる北西太平洋エリアでは２．５万頭のミンククジラ、２．２万頭のニタリクジラ、１０．２万頭のマッコウクジラについては、現在の調査捕鯨による捕獲はおそらく資源的にも影響はないでしょう。とくに南氷洋では７６万頭も居るミンククジラや、全海域で２００万頭ものマッコウクジラについては、オーバーキャパシティであり他の海洋資源の成長を阻害するほどの規模だとも思っているので、小生自身も反捕鯨国のスタンスは全く理解できません。。

今回、とくにイワシクジラについては相当なバトルが繰り広げられることが想像されます。あらたに調査捕鯨対象に加えようとしているイワシクジラは、いまや北西太平洋で２．８万頭という量に回復してきております。イワシクジラは一時絶滅危惧された種であり、これの反動が出てきてているのでしょう。「絶滅危惧種がいつの間にか厄介者に」こんなことはクジラ以外でもあちこちで見られます。生態系は刻々と変化しているいっぽう、人の頭は化石のように凝り固まっております。イワシクジラの問題は、調査捕鯨を再開する云々の前に、この前提となる資源量をＩＷＣ内の反捕鯨国が納得するかどうかは非常にギモンです。ちなみに彼等は９千頭しかいないと云っており大きな隔たりがあります。そんなわけで５月のＩＷＣ総会は大荒れは必至という感じです。

■シジミⅢ

14 Mar 2002 06:13:08
最近は牛肉に端を発して、食品の違法表示があちこちで問題になってきておりますが、シジミもこの世界では「違法表示の老舗」的な存在です。最近では千葉県漁連が他の地域で採れたシジミを、この分野ではブランドである「青森県十三湖産」と表示して出荷していたということが問題になっております。
汽水域の水産物は好不調の変動が大きいのですが、十三湖産ヤマトシジミもこの冬の水揚げが例年より不足したため、漁連の判断で不足分を他地域産品で補ったようです。このケースでは、国産他地域のヤマトシジミを混入したものですが、なかには表示＝国産、中身＝中国産などというとんでもないものもあるようです。
そもそも十三湖のシジミ水揚げは、せいぜい一日１～３トンなのに、店頭に出回る「十三湖産シジミ」はその十倍という奇っ怪な話。いまの日本の消費量の半分以上ものシジミを輸入していることも分かっておりますので、かなりの確率で違法表示品を買わされる羽目になるでしょうでね。
おそらく農業以上にいい加減な業界の体質と、大甘の罰則既定(罰金５０万円以下)によるものでしょう。違法表示どころか、昨年７月以降に義務づけられているＪＡＳ法「魚名、原産地／原産国表示、養殖の場合は養殖表示、解凍の場合は解凍表示」すら守ってないような「無表示の鮮魚」が、そのあたりの地元スーパーや魚屋でもけっこう見受けられることからも、これもなるほどねという感じです。どうもシジミに限らず魚介類は、悪い風評を恐れる大手とか、日頃から消費者問題にうるさい店（生活クラブ、生協系）で買うほうがリスクは少ないようです。

■シジミⅡ

13 Mar 2002 07:10:04
先日「荒川のシジミ」の話を取り上げましたが、今日は本場「利根川シジミ」の話題です。

大雨は川の生態系にとっては功罪相半ばという性格をもちますが、利根川のヤマトシジミの場合、昨年の大雨はマイナスに作用したようです。平年ですと晩秋から春にかけて千トン近い水揚げがあるようですが、今年はなんと数トンしか採れてないようです。
シジミ豊漁のためには高孵化率と適度な汽水環境が必要なわけですが、どうやら昨年の大雨で稚貝が海れてしまったこと、そして塩分濃度が相対的に下がったことによって生育が芳しくなかったことも重なったようです。なにしろナイーブな汽水域を舞台とするシジミ漁。年によって好不調が出るのもいたしかたありませんが、利根川の汽水域生態系が悪化していないことを望むばかりです。

ヤマトシジミは宍道湖、青森の十三湖なども有名な産地ですが、汽水湖の淡水化などで全国的に減少しています。霞ヶ浦や北浦もかっては数千トンを水揚げする産地でしたが、水門閉鎖で全滅。いまや訳の分からない外国産淡水シジミが跋扈しております。そして、この足音はどうやら利根川汽水域まで響いて来ているようです。

■古老の多摩川伝承二題

12 Mar 2002 07:24:48
其の壱
そん昔、狛江村のなあ、和泉多摩川あたりはじゃのう。草深ーい湿地になっててのう、たいそうかっぱがすんでいたそうじゃ。そいつらは江戸の見せ物小屋に売れるっちゅうことで、そりゃあずいぶん捕まえられて、しまいにゃとうとう一匹しか居んなくなったそうじゃ。だがのう、この一匹もなあ、畑で胡瓜を失敬しているところ捕まってなあ、あやうく命を落としそうになったそうじゃ。そんときにのう、玉泉寺の和尚さんになあ、なんとか助けてもらって、和尚さんからのう、甲羅にたいそう立派なお札を貼ってもらったそうじゃ。そのおかげでなあ、そのかっぱはのう、最後まで狛江で命をまっとうしたそうじゃ。いまでも玉泉寺には、そんときかっぱが登ったという木があるそうな。

其の弐
むかしはのう、いまの丸子あたりの多摩川はのう、海からの潮が寄せてのう、そりゃあ両岸まで満々と水をたたえて流れていたもんじゃ。そんで、風がのう、海のほうからぴゅうぴゅう吹くときはのう、ちいちゃな白い波が川一面にたってのう、まあーきれいなもんじゃったー。そうそう、その白波の中にのう、奥多摩の山の方から木を運んで流れてきた筏が、ちゃぷちゃぷと漂っていてのう。あの風景はじっつに気持ちのいいもんじゃった。あんころはのう、魚もたくさんおってのう、潮が満ちてくるころあいに、網をいれるとのう、鮒や鯉などはもちろん、海からあがってきた鰈や鯵、ときには、おっきな鮭まで網に入ったもんよ。

■釣り保険更新

11 Mar 2002 05:52:12
保険というのは評価が難しいですが、まあ「幸いにも」と言ったほうが良いでしょう。一年間なにごともなく、また釣り保険の更新書類が届きました。
小生が加入しているのは、いちおうＴ海上のやつです。へたっぴなフライを始めたときに背後の見物人をフッキングしてしまう懸念をもったので加入したわけですが、見物人も分かっているらしく「危なそうな(笑)」釣り人の後ろには立たないようです。
これまで、ニアミスも含めてシリアスな事態になったことは一度もありませんが、確率というのは事故がないときほど注意が必要という見方もあるので、ここはやはり「更新するのが得策」のようですので、しっかりと更新をいたしました。
釣りの事故や怪我を少なからず見ている小生、差し出がましいですが皆様にも釣り保険加入をお勧めする次第です。賠償請求３千万円に対して保険料は年５千円足らず。これで多少なりともリスクを軽減できれば、それにこしたことはありません。

■生物多様性国家戦略に思う

9 Mar 2002 08:19:13
好天にも拘わらず、今日もシクシクお勤めのデュークです。

さて、タイトルの内容ってご存じでしょうか？これは環境省が進めている基本計画なんです。これが今回改訂されましたが、その中身はなかなかもって慧眼があります。いままでは「環境」というと、ことさら稀少動植物の保護に力をいれてきた感がありました。今回の改訂案には、里山や干潟などの身近にある多種多様な生き物が営む「場」の保全とか、失われてしまった環境の修復や再生を提言する、という趣旨が色濃く出されているようです。また同時に、近年大変な問題となっている「外来種」の規制についても、しっかり網羅されております。

とくに小生が気に入ったのは「多様性」を重んじるという姿勢です。たしかに稀少種はパイロットマークにはなりますが、だからといってそれが居れさえすれば良い、という話ではありません。環境というものは「系」であり、その意味するものは「世界」「宇宙」のようなものです。例えば、ちょっと偏りますが、鮎やサケのようなスターだけではなく、地べたを這いまわるカニやヨシノボリあるいはモロコのような雑っ魚にまで光をあてるということに他なりません。多様性という言葉には「点」ではなく「面」で見る姿勢が感じられます。言葉だけではなく実態がようやく伴ってきたことは評価できると思います。

実はこの「多様性」というもの、環境という側面だけではなく、この世の森羅万象ことごとく当てはめてみると、答えが結構当てはまってくる言葉ではないでしょうか？とかく世の中、勝者だけを、あるいは時として弱者だけをピンポイントに焦点をあてて、その周辺を軽視するという傾向が年々強まってきておりますが「この世界には無駄な存在はひとつもない」ということを、この生物多様性という切り口で多くの人々が気づいてほしいものです。

■綾瀬川今昔

8 Mar 2002 06:49:53
毎年、鶴見川や大和川と汚染ワースト３を争っている綾瀬川ですが、かってはとてもキレイな川だったそうです。江戸時代は将軍の鷹狩の船が風向明媚なここを通ったりしておりました。ちなみに綾瀬川の鯉は名物として知られていて、戦前まではここで採れた鯉は柴又の料亭などにも卸されていたという話です。また戦後もこの川で泳いだり、野菜を洗ったり、風呂水として使っていたといいますから、私たちはわずか半世紀でこの川をドブ川にしてしまったといことです。
近年、流域自治体の努力もあって、荒川の水を通水したりして水質改善が進んでおります。堀切橋付近ではハゼやモツゴなどが採れ始め、カニやカメ類の棲息も確認されております。この付近には干潟やガサガサが小規模ながら形成されているため、これらの生き物にとって格好の住みかになっているようです。
鶴見川もそうですが、コンクリ護岸が生き物の生育を阻害しているのでしょう。わずかながら残っているガサガサや干潟を、できれば浚渫などしないで残していってもらいたいものです。そうすれば、いつの日にか由緒ある綾瀬川の歴史にあらたな一歩を築くことでしょう。

■テムズの石

7 Mar 2002 07:50:51
ロンドンを流れるテムズ川。欧州にいた頃、この川をしげしげと眺めたことはありませんが、あまりきれいな川という印象はありませんでした。でも、どうやら近年は水もかなりきれいになって多くの魚が戻ってきているそうです。
かってのようにクジラやアザラシまで遡上するような状況には至っておりませんが、それでも名物のウナギ以外にも、ニゴイ、コイ、ウグイ、カワヒメマス、スズキ、カワカマス、それとご多聞にもれずブラックバスまで釣れるといいます。たまには何とサケもかかると云うから大したものです。今では１００種以上の魚が生息しているようです。

ところが人の多いテムズならではの問題が起きているようです。イギリス人は日本人以上に鳥を愛玩するようで、テムズに集まる水鳥にパンなどの人工餌をどんどん与えてしまいます。そうなると水鳥の方も手間が掛からないパンばかり食べることになります。当然身体は脂肪が溜まって栄養過多になってしまいます。おそらくは天然の小魚だけを食べている鳥に対して寿命も短くなっているのでしょう。
現代人には「動物の癒しが必要」と思ってはおりますが、生き物を愛でるあまり、互いに益にならないこともせっせとやっているのかも知れません。人が多く集まる都市型河川ではいろいろなシチュエーションでこんなことが起きているのでしょう。「他山の石」ならぬ「テムズの石」として考えてみたいと思います。

■荒川のシジミ

6 Mar 2002 07:07:06
さて三月になって週末には潮干狩りの話題が新聞にのりはじめました。今日の話題はアサリではなくシジミの話。聞いたところでは荒川下流の干潟でシジミ採りが人気だそうです。以前からシジミが棲息していたことは知られておりましたが、油くさくて食べられなかったようです。ところがここ数年の水質改善の効果でこれもなくなり、大ブレイク。５～６月のシーズンには大勢の人が潮干狩りをしてるらしいです。
荒川でこんな感じですので、おそらく多摩川でもかなりのシジミが棲息していることでしょう。今年のシーズンは普段持つ釣り竿やタモ網ではなく、クマデをもって多摩川に出掛けようか思案中です。ただ、シジミの場合はアサリやハマグリと違って生命力が強いため、多少の汚染（ダイオキシンや環境ホルモン、重金物）でも生き残ってしまいますので、ちょっとばかりヤバイという気もするのですがね…
そういえば、「多摩川、シジミ」で検索したらコイフライ藤田名人のＨＰがヒットしました。ご参照頂けると嬉しいですね。

■淡水魚と潮汐

5 Mar 2002 07:05:58
春になるとマルタウグイやヨシノボリなどが遡上し、小生の住む登戸界隈の多摩川は賑やかになります。面白いのは潮汐とこれらの淡水魚遡上の関係です。
多摩川は河口から１６キロのところにある調布取水堰（丸子堰）が防潮堤となって、そこから上流は、いわゆる「感潮域」ではない、純然たる淡水域です。ところがこれらの遡上魚の行動はかなり潮汐と相関していることが近年分かってきております。
この方面では「多摩川の達人」である中本賢さんが実に詳しく調べ上げていて、河口から２６キロ上流にある「上河原取水堰」での落し込み漁で、堰を上がる魚の生態調査をしたところ、何と大潮の満潮時に堰を昇ろうとする遡上魚の数が突出していたそうです。
もちろんこの辺りは１００％淡水域であり、水位的にも潮汐の影響はゼロです。そんななかでも上げ潮にあわせて魚の行動が活発になることは、おそらく魚の体内に潮汐を察知する器官が埋め込まれているのでしょう。これからは淡水魚釣りも「タイドグラフ」片手に釣行計画をねった方が、効率的な釣りが出来るかも知れません。

■啓蟄

4 Mar 2002 07:10:53
週末はやはりというか、花粉攻撃に見舞われてしまい（今回は釣りの最中ではなく）昨日は一日中家でダウン。もちろん釣りにも出向けず(T_T)。それにしても今年の花粉量は凄いですね。

さて、聞くところによると今年の啓蟄は三月六日だとか。昔の暦におきかえると二月ということで「いよいよこれから春到来」となる時期で、地中から虫が動き出し始めるといいます。そうなると食物連鎖の構図でいくと魚も動き出すはずで、個人的にはとっても楽しみな節目でもあります。
とくに小生の好きなヨシノボリとマルタウグイが、産卵のため小生の住む多摩川中流域にまで遡上してきますので、彼等との出会いも待ち通しいものがあります。
ところで、一般的には春に動物のあらたな動きを感じるのに、最も身近な指標は「オタマジャクシ」です。オタマジャクシを飼ったことのある人なら知っていることですが、カエルに変わっていく際に、後ろ足は両足同時に生えるのに、なぜか前足は左から順番に生えてきます。そのため数日間は三本足という妙な光景を見ることが出来ます。この訳は今もってよく分かりません。

■リリース禁止令

2 Mar 2002 11:59:43間
今年は春の訪れが早そうなので、多摩川までマルタ遡上調査に行きましたが、またもや花粉攻撃。暖かいことはデメリットも多いですね。

さて、いまや日本中の河川を席巻しているバスの違法放流問題。先日の記事ではとうとう岩手県が「北上川本流での外来魚のリリース＆持ち帰り禁止」という指示をだしました。これは三月から一年間の期限付きながら、従わない場合は１年以下の懲役や５０万円以下の罰金が科されるというから結構なモノ。これでリリース禁止は４県に広がりました。これも、ここ６年で生息確認域が、なんと８→１１１ヶ所にまで広がってしまったので、県側がアタマにきて断行したのでしょう。

とくに注目すべきポイントは、漁業権が設定されていない区域（北上川本流・周辺のため池群）も罰則の対象に含まれたことです。「漁業権さえなければ違法放流してもかまわない」という風潮を改めるためにも、今回の措置は高く評価されると思います。ぐっと根本に戻れば、日本の淡水生態系は別に漁業者や一部の釣り人の利益のためにだけあるのではありませんからね。
例によって、一部の釣り団体は「リリース禁止は効果疑問」「在来種がバスのために本当に減少しているのか」などと反論をしているようですが、そろそろこの手の議論もネタがつきてきた感じです。

■シラスウナギ漁２

1 Mar 2002 06:49:49
さて、いよいよ三月になりました。例年のジンクス通り二月は不調でしたが、今月は釣果はともかくとして、楽しく釣りが出来たらいいなと感じております。

さて今日も「シラス」のお話ですが、ところ変わってお隣中国でのネタを少々。いまや日本のウナギの殆どを占めている輸入品の一大供給基地となっていることはご存じの通りです。毎年旧正月後の長江では、周辺漁民がシラスウナギを争って捕獲する姿がみられのですが、どうも今年はすっかり熱気も冷めきってしまったようです。稚魚の漁業許可書の発行も、昨年同時期にくらべて半分以下の８００枚ほど、過去のピークでは７０００枚以上でたそうですから、その凋落ぶりは激しいです。
理由はやはりというか日本の景気低迷。このためにウナギ価格が暴落しているようで、数年前はトン当たり３００万円以上した価格も、昨年は８０万円というからすごいデフレです。年が明けてもウナギの値段は値下がり続けているようですので、中国でのウナギ養殖業者も青息吐息、おそらくは淘汰が始まるのでしょう。
個人的にはこれで大好物のウナギの値段が下がってくれれば嬉しい話ですが、どうも街の鰻屋での値段にはそれほど反映されていない様子。いずれはもっと安くなって出回るはずですので、ここはしばらく我慢してみようかとも思っております。

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