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■２００２年

31 Dec 2002 07:01:02 ようやく今年もオシマイ。小生的には短いようで長い一年でした。魚釣りやガサガサ成果？はリバーサイドカフェにレポートしましたので、ここではそれ以外のことを取り上げてみましょう。 ハワイ行の時差ボケで始まった０２年は、ＧＷでのシンガポール旅行、夏のオアフ島という感じで、久しぶりに海外旅行づいた年でした。海外といえば、そのうちサッカーＷ杯が始まり、世のミーハー同様、それこそ俄かサッカーファンとなってしまい大騒ぎ。バタバタと仕事そっちのけで踊りましたが、電話やネットで空き席を探す間もなく祭りはオシマイ。がらんと空虚感に襲われたのは、恐らく小生だけではないでしょう。 やがて職場が変わり、役員の茶坊主から一線に復帰。そんなわけで最後の三ヶ月はあっという間にドタバタ過ぎてしまいました。ストレスもたまり、やたらに疲れる時期でした。三ヶ月経って少し馴れてきたので、来年は徐々に本来のペースを取り戻そうと目論んでおります。やはりコンスタントに魚釣り＝ガス抜きをしないと、なかなか全体の活性が上がらないような気が致します。この辺が来年の課題でしょう。 さて、ご訪問された皆さまには、この一年間ほんとうに有り難うございました。お蔭様で楽しくサイト運営を続けることが出来ました。まもなく来る「２００３年」。皆さま一人一人が、それぞれ充実した一年間になりますように、心からお祈り申し上げます。

■流下卵とワンド

30 Dec 2002 07:40:50 ソウギョやレンギョなどの大陸育ちの淡水大魚は「流下卵」という産卵形態を行ないます。中流域で産卵、受精した卵はプカプカと流れを下りながら、おおむね３６〜４８Ｈ後に孵化します。流速が人の歩行並だったとしても何と１００〜２００キロも卵は下ります。これは広大な平野部をもつ中国大陸でこそ可能なシステムだったわけですが、ニッポンではただ一つ利根川水系だけが、その自然繁殖を可能にしました。信濃川などは利根川よりも長いのですが、勾配がきつく流れが速い、そのために孵化する前に海に卵が流れ出てしまうことになります。 それでは、利根川以外ではまったく淡水大魚の再生産は不可能なのでしょうか？そのヒントは利根川にあります。利根川は下流域に水郷地帯をもつので、ここに流れ込んだ卵が滞留したり、あるいは孵化した稚魚が育つに適当な水域が形成されていることも、その繁殖力を促進しているハズです。 ということは、他の河川でも、下流域に淡水が一時期滞留するような場所でしたら、もしかしたら数億数百万の卵のうち、いくつかは孵化しているはずでは？という仮説を立ててみました。 例えばわずか７５キロの淀川には少なからぬソウギョが棲息しているのですが、これらが全て放流によるものかは分かりません。なかには淀川で再生産するものも居るのではないでしょうか。その理由は下流域に多く見られる「ワンド」や「堀割」です。こういうところに滞留した流下卵から、少ない確率でも新たな生命が生まれている可能性はゼロではありません。淀川だけではなく、いくつかの河川下流域にみられる「ワンド」「掘割」。もしかしたら、これが淡水大魚流下卵の孵化を助けているのだとすると、非常に興味深いことだと思うのです。

■北極海汽水化

28 Dec 2002 07:22:21 それにしても寒いっす。今日から休みなので爆睡〜と思いきや、あんまりの寒さに目が覚めてしまいました。(^_^; さて寒さついでに北極の話でも取り上げましょう。地球温暖化で心配していたのは、専ら南極の氷です。北極については氷山なので、例え解けても海水面は変わらないハズという、我ながら浅はかな概念が在ったためです。ところが、よくよく考えてみれば、氷山は基本的に真水の塊、これが解けることで周辺海域の塩分濃度がぐっと下がってしまうことになります。これによる影響は大きく二点、一つは比重が変わることで海流の筋が変わってしまうこと、すなわち気候が変わる危険性をはらんでいる点です。そしてもう一つは言うまでも無く生態系への影響です。一般的には汽水化することでプランクトンは増える傾向にありますが、北極海の生き物のバランスを壊す恐れがでてまいりました。 ちなみに、観測史上二番目に暑い年となった今年の地球、北極の氷の面積は、過去２４年間でもっともちっこくなっていたそうです。いつの日か釣り雑誌を開くと「北極海でランカーシーバスを！」なんて広告がある光景は、ちょっと考えたくはありませんが…。

■海底地下水

27 Dec 2002 07:44:15 今日でようやく仕事納めです。バタバタと何も出来ずに終ったという感じですが…。まあ、無事過ごせたことで良しとしましょう。 さて今日は「水」の話題です。井戸や湧き水というと、陸の上の話のような感覚についなってしまいますが、四方を海に囲まれている我がニッポン、海底にもふんだんに湧き水がでております。場所にもよりますが、上質な淡水であることが多いようです。 大分県の城下カレイも、海底に湧き出る真水が育んでいるとかいうウンチクもありましたし、真水の確保に窮する離島でも、海底から井戸水を取っているケースも少なからずあります。人口がどんどん増えて、世界的には真水は大きく不足すると云われているなか、大ブームの海洋深層水にあやかり、「海底ミネラル湧水」なるものを売りだす人は居ないものでしょうかね。周辺に人家がない分（当り前ですが…）、より安全性の高いミネラル真水が採れるのではないでしょうか？

■発光ルアー

26 Dec 2002 10:46:32 地方紙を読んでいたら、なにやら石川県にある業者が、発光ダイオードを使った自光式ルアーを開発、製品化したという記事が目に止まりました。電池式のものは前からありましたが、そこでの難点だった水圧や振動などへの耐久性も、このタイプはずっと良いということで、パートナー企業と組んで販売していくそうです。 そこまでして釣りたいかい？という気もしますが、ちょっと心配なのはルアーにつきものの根掛り。ダイオードの化学成分に危険がなければ良いのですが、それ以上にこんなものがピカピカと海底に残るようだとちょっとマズイような気がします。

■Ｈ２Ａと観太くん

25 Dec 2002 06:50:40 ご存知の通り国産ロケットＨ２Ａは無事打ち上げ成功しました。搭載された四個の衛星のなかに「観太くん」なるものが入っていたのに気がつきましたでしょうか？ 千葉工大の学生達が作ったこの衛星、世界初のクジラ観測衛星なのです。大きさは５０センチ四方の立方体なのですが、学生が作っただけあって汎用部品を活用して、八千万円とこのクラスの一般衛星コストの１／４に抑制したスグレものです。 高度八百キロの周回軌道から、発信機を付けたクジラの行動を監視して、いままで船では追尾しきれなかった、いろいろなクジラの生態を発見してくれることでしょう。クジラについては、もっか感情的な想念ばかりが先行してしまい、科学的な分析がなかなか進んでおりません。反捕鯨派を抑えるためにも、クジラ生態の科学的なデータはいくらでも欲しいところです。個人的には、いま近海で増えつつあるミンククジラの実態を明らかにして、健全な海洋資源確保の道筋をつけるための新兵器にしたいと思っているのですが…。

■山が消え山が出来る

24 Dec 2002 07:14:25 狭義の東京湾というのは、富津岬と観音崎を結ぶ線の内側で、四十年前には十二万ヘクタールありましたが、その後の高度成長期を経て、約二万五千ヘクタールが埋め立てられました。比率にして約１／５にもなります。 この結果、豊かな生態系を育んできた干潟は、残念なことに殆どが消失してしまいました。ふと疑問に思うことは、これだけの埋め立てに使われた土は、いったい何処から来たものかということです。一つは海底の土砂です。以前にも取り上げましたが、東京湾の海底には、いたるところに深い凹部があって、近年、これが青潮発生の元凶であることが分かり、大きな問題となっております。 それだけでは足りず、埋立地の土砂を房総の山林を削って海に運びました。飛行機で羽田に降りる前に窓から見てみると、これが良くわかります。あちらこちら山林は削られ、一部はゴルフ場に、そして黄色っぽい土が剥き出しになった採取場になっています。推定では、房総半島中西部だけでも山林を削って運び出された土は、約六億立方メートルとも云われております。東京ドーム４８０個分、重量にして１２億トンにもなります。これだけ山林がなくなると、いうまでもなく山の保水力が失せ、雨が降ると一気に土砂とともに河川に流入してしまいます。ただでさえ、か細い房総半島の河川の生態系は、これによって大打撃を受けることになります。袋小路の房総半島には魚だけでなく、固有種の昆虫類も少なからず居ります。残念でなりません。 さて、房総半島は削られるばかりと思いきや、皮肉なことに一方でゴミの山が作られつつあります。産廃半島とも呼ばれている千葉県、山林のいたるところで沢がゴミで埋め立てられ、残土山が出来あがっております。市原市の郊外にある有名な「平成残土山」は、高さ５０ｍ、幅は６００ｍにもおよぶ「立派な」新山になっております。生まれたところなので、千葉には強い愛着があるのですが、残念に思うこともあります。このような有様を招いているのが、実は千葉県民の環境意識のレベルと相関しているという点は否定できません。知事が変わって、いろいろ流れが変わっている千葉県。住民の意識ももっと上げて欲しいと、千葉のファンとしては思っているのですが…。

■自然再生法

21 Dec 2002 07:01:22 さきの国会で成立した法案のうち「自然再生推進法」というのは、あんまりＰＲされていないようなので、調べて見ました。ＮＰＯや地域住民、環境省が積極的に介入できるとされている同法はそれだけ見ると立派な法律ですが、張子のトラにならないように気をつける必要があります。 個人的には、自然を破壊する公共事業は何でもかんでも反対、という気持ちはありません。最優先種である人間は、この地球に生き続けている限り、その行為のことごとくが環境への負荷はかけているものなのです。そういう原点に立ちかえると、公共サービス向上と環境保全は按配（バランス）が大事だということになります。（どこまでが不可欠な公共サービスか？という歯止めは考えなくてはいけませんが…） ところが、この簡単そうな「按配」という概念は、縦割り行政のもとでは決して出来ません。かっての建設省が好例です。予算を獲得して、それをひたすら執行することだけを闇雲に進めてきた「専門家」の尻ぬぐいを、いま各地で行なっていることは周知の通りです。そもそも「専門家ほど当てにならない」ということは各所で云われつづけてきました。「専門家」故の視野の狭さがその要因です。同じような愚行を繰り返さないためにも、複数の視点で自然環境を見ていくことが肝心です。地域住民の意見も玉石混交、ＮＰＯだって偏りがあるわけです。そして開発推進の敵役としての国交省、農水省。これらも難物です。これらを広い視野でどう束ねていけるのか、環境省には相当に重い使命がかかっているのですが、やや心配です。

■本当に暖冬？

20 Dec 2002 07:22:32 今日は関西から配信します。 少し緩んできましたが、寒い日々が続くと、気象庁の云う「暖冬予報」というのも怪しいもんだと思っておりましたら、やはり科学的にも厳冬になるハズという話が出てまいりました。じつは北極圏には、寒気の渦が起こす「北極振動」という現象があるのですが、この振動が弱いと、日本列島北東部に位置するアリューシャン低気圧が発達してしまいます。その結果、寒気がピューッと北極圏から流れ込んでくると図式だそうです。考えただけでもブルブルッときてしまいます(笑)。 調査によれば、秋からの北半球の気圧配置を見ていると、どうも今年の北極振動は、ビッタシそのパターンになっているという話のようです。そうなると、気象庁の云う暖冬とは全くもって正反対。気象庁の見解の原因は、どうも五年ぶりに確認された「エルニーニョ」の影響を重視してのことらしいですが、いまのところ気象庁の見込みは、どうにも分が悪そうな感じです。小生的にも「冬は寒くあるべし」というのが基本ですし、このところショボさを増している経済面でも、そのほうが効果があるはずです。 まあ、魚釣りにはちょっと厳しいものがありますがね…。

■ヨシ刈りに思う

19 Dec 2002 08:30:19 都市部では、コンクリ護岸ばかりになってしまい、ぜんぜんお馴染みではありませんが、以前は川や湖沼が冬景色になってくると「ヨシ刈り」なるものが、あちらこちらで行なわれました。これは「よしず編み」「屋根吹きの材料」「毛筆のサヤ」などの材料になることから行なわれていたものですが、いずれも需要がほとんど無くなってしまいました。 ただし、今日的な話題である「環境面」でも、水中の有機物や窒素を吸収／固定する働きをするヨシは、水質の浄化や維持におおきな役割を果たしております。また、ヨシ群落は護岸の洗掘防止や小魚や小動物達の隠れ家にもなるという副次効果もあります。そんなわけで、ヨシ群落を作ろうという動きが起こりつつあるのですが、これもまた中途半端なものになってしまっては効果が出ません。伸びたヨシを刈りとって、火入れ（野焼）することが絶対条件になります。火入れは除草にも害虫の駆除にもなりますし、新芽の肥料にもなるわけです。火入れそのものは古くから在った行事で、これを行なうことで、また次のヨシの再生産に浄化を委ねるという、じつにロジカルな行為が、ながい歴史の中で連綿と受け継がれてまいりました。 自然を守ること＝そのまま放っておくこと、ではないということ、最小限の人の手を加えることで循環が生きてくる、ということを、こうした先人の知恵から学ぶことが出来るのでしょう。

■エコドライブの勧め

18 Dec 2002 07:08:11 小生はファミリーとしては少数派、ここ七年クルマも買わずに過ごしております。これは、その前、欧州にいたときに年間四万キロも走り回っていた反動かも知れません。クルマの運転は嫌いではありませんが、それに加えて、移動時間を本／ＰＤＡ／睡眠のいずれかにも使いたいという欲張りな気持ちもあるせいです。 そう云えば、先日どこかのエアラインの機内誌で読みましたが、航空機のエコ航法について、いくつかの手段のうち「余計なガソリンを積まないこと」というが有効だという話が取り上げられておりました。もちろんガス欠で墜落は困りますので、どの飛行機も余分に燃料を積んでいるのですが、たとえば１０本のドラム缶分の余計な燃料は、その重量で４本分の余計な燃費がかさむということでした。 飛行機と違って、ガス欠のリスクも少ない上、給油所が多く点在しているクルマの場合、本当は「余計なガソリンを積まないことが、燃費向上に貢献する」という点をもっと考えるべきというコメントがありました。今のクルマのガソリンタンクは結構入ります。満タンですと大人一人分を余計に背負って走ることになります。とうぜんその分のガソリンは無為に消費され、余計な炭酸ガスを大気中に放つという結果になります。給油が多くなる不便さはありますが、どこのスタンドでも「満タンにしてちょうだい」と言っている人は、地球環境を考えて、そこそこの給油を心がけることが、実は地球温暖化につながるということを、少し考えても良いのかも知れません。

■汽水域的生活環境

17 Dec 2002 08:21:26 今日もバタバタと羽田から配信します。前から問題となっていた宍道湖の淡水化について、先日ようやく国が中止することを発表しました。コメ消費が年々下降している中で大規模干拓をおこなうバカらしさを、４０年近くたってようやく気づいたという形になります。 淡水化が進行して、生態系が大きく崩れてしまった霞ヶ浦も、ここにきてようやく「海水流入」という手を打って、少しずつ、ヤマトシジミやモクズガニ、スズキなどの豊かな「汽水域の幸」を取り戻していこうという気運が高まってきたようです。これは良いことです。 そもそも「海水」と「淡水」とは、二律背反的な要素ではなく、その間に「汽水」という、悪く云うと曖昧な、良く云うと懐の深い環境が、まるで接着剤のように存在することで生きてくるものなのでしょう。黒と白、スッパリ分けることが可能なものは、この世界、そんなにはありません。小生も、この大切な汽水域生態系という接点をもっと理解してもらうように、拙いＨＰですが情報発信を極力して行きたいと考えております。

■ドングリと森羅万象

16 Dec 2002 07:06:47 木の実と云うものは、そもそも世代交代していくための大切な要素なのですが、一般的には「森の恵み」とされて、多くの動物たちの貴重な食べ物として捉えられております。例えばドングリもそうです。ドングリは栄養満点、リスやネズミ、あるいは鳥たちによって大好物とされております。でもドングリは本来、これらの動物たちに食べられ、喜ばれるためだけに芽生えたものではありません。 ご存知の方も多いでしょうが、リスはドングリを見つけるとホオ袋に詰め込んで、巣穴などに運んでしまいます。住処に入りきれないもの、すぐには食べないものは、巣の周辺の地面に穴を掘って隠してしまい。食糧が少なくなる冬季に掘り起こして食べます。ところがリスもヒトとおなじ生き物、いくつか隠し場所を場所を忘れてしまうことがあります。 ドングリは地表に落ちても、落ち葉や下草、あるいは硬い土の上では、芽を生やすことができません、乾燥してしまったり、森の虫たちの餌食になってしまったりで、死んでしまいます。根を生やすためには、土と接していなければなりません。乾燥しないためには、落ち葉や表土の下に隠れなければいけません。実はリスたちがこれをやってくれるわけです。土の中に埋められたまま、リスたちが忘れてしまったドングリが根を張って、新たな芽を出すことが出来るわけです。 しかもドングリは毎年コンスタントに実をつけるわけではありません。長くて４〜５年の周期で「ゆらぎ」を起こします。必ず不作の年と豊作の年を設けます。同じ量ばかりだと、それを食べるリスの数もコンスタントに増えます。そうなると余分なドングリを土の中に隠す量が減ったり、忘れて残ってしまうドングリの量も減ってしまうことになります。これではドングリの木の安定的な世代交代は難しくなります。 そこで、数年毎に不作の年をつくり「リスの数を調節」します。そしてその後に豊作の年を作り、土のなかに忘れ去られるドングリの量を増やすようなことをするわけです。個別にデータを見ただけでは、一見なにも関連のない偏差の連続に過ぎないのかもしれませんが、大きな生態系システムに目を転じると意味があるということが分かってまいります。いろいろなところにある、自然の「ゆらぎ」というのが、実は精密に仕組まれた森羅万象のメカニズムの一つだということが、このドングリの例からも垣間見ることが出来るわけです。

■イワシ缶

14 Dec 2002 13:04:41 今日もお仕事となってしまいました(T_T)。 貧乏学生にとっては、イワシの缶詰は値段も手頃で栄養もある、ということで人気のあるグッズではありました。ところが、聞くところによると、最近は大衆魚であるイワシ（マイワシ）がとみに不作で、一部の業者は生産を取り止めているとか云う話です。 ８８年には４４９万トンも捕れたマイワシは、ヒトの口のみならず養殖魚の飼料にも使われてまいりました。ところが近年は十数万トンにまで激減、かっての好漁場、日本海や北海道では、それこそ全く捕れないという事態に陥ってしまいました。最近の浜値はキロあたり千円を超えてしまうというから、下手をするとマグロより高いです。もはや大衆魚ではなく高級魚になってしまったイワシです。 さて、ここ十数年、海の中でなにが起こっているのでしょう。ともするとマスコミの乱獲や海洋汚染しか云わない論調にはすごくギモンを感じます。なぜなら彼らは単なる「スピーカー」でしかないからです。要は紙面をうめることに汗水流してばかりで、自身としての考えが浅いことが分かっているからです。とはいえ脳味噌もなしで、あれだけの量の記事を毎日書くことも困難ですので、すべての記事には情報屋（専門家とも巷では云うが…）が必要になります。この情報源がクセモノです。多元的にネタを取れば良いのですが、一般的には、お抱えの情報源には偏りがあります。新聞社の「予算」もあるしスポンサーの「ご意向」というのもあるでしょう。つまり「背景」を考えて、新聞は読む必要があります。 イワシ缶については、小生的にはここ十数年でおきた、もっとも人為的・恣意的な行為、すなわち沿岸の商業捕鯨の中止に大いなる関連があると読んでおります。中立な立場からの科学的データも、日本近海での昨今のクジラ類急増を示唆しており、これがイワシ類激減の理由の一つではないかと考えております。尤も欧米反捕鯨連合に気兼ねした、ふやけた新聞が多いいま、これを声高に取り上げるところは殆どないでしょうが…。

■魚拓の想い出

13 Dec 2002 07:50:31 今日は千葉の片田舎に出張、相変わらずの忙しさです。 ずっと昔のことを思いだしていたら、この「魚拓」のことが頭に浮かんできました。いまではデジカメで簡単に画像を残せるので、よほどの釣り人でないかぎり「魚拓」などをとらないとは思いますが、かってはこれが勲章のようなものでした。 釣り部の友人の部屋に行くと、デカデカと目立つイシダイやスズキの魚拓が貼ってあるので、否応無く敵愾心を燃やしたものです。かく云う小生も大はスズキから小は大ギス、大ハゼまで、部屋の天井や壁にところ狭しと貼りつけておりました。 もちろんこれらは魚拓をとったあと、キレイに洗って胃袋に収まりました。悲しいことに、いまではそれが出来る魚が、家のそばから消え去ってしまったので、魚拓収集は出来なくなりました。 そんなわけで、いちおう小生はキャッチ＆リリースを励行（除くオイカワ）しておりますが、それは決して優しい心からでた行為ではないことを、ここで告白しておきます。 (^_^; でも、魚たちにとって本当にそれがハッピィなことなのか、ちょっと複雑な気持ちです。

■ハエ竿ゲット

12 Dec 2002 07:59:50 このところ、週末にもフィールドに出られずに、やや欲求不満気味の小生。ガス抜きに釣り具店に行って、ハエ竿をゲットしました。イメージとしていたのは、小物＆小場所用の中尺ロッド。取りまわしが楽な９尺のものを探したのですが、今はこの長さはあんまり人気がないらしく、やや長め、２．９ｍのものを買うことに致しました。メーカーは渋く宇崎日新を選びました。テーパーは小生好みの細身硬々調子、手持ちの１．６ｍでは探れぬポイント用として活用する予定ですが、この冬はいつものグルテン餌に加えて、イカ切身も使って魚種の幅を広げたいと思っております。コイ釣りファイトも面白いですが、日溜りでノンビリやる五目小物釣りというのも、これはこれで、けっこう楽しいものです。

■屋久杉に思う

11 Dec 2002 07:20:45 杉というのはもともと長寿なのですが、世界遺産にも登録された屋久島にある、名物の「屋久杉」は樹齢千年でもヒヨっ子、「小スギ」と呼ばれてしまうそうですからスゴイ。有名な「縄文スギ」ですと樹齢７２００年とも云われており、そのほかにも三千年クラスがゴロゴロあるそうです。これらの木々の特徴は、表面ゴツゴツのコブだらけ、幹も太くてドドーンという感じ。言い換えれば「伐採しづらい木」「素性のあんまり良くない木」が残されてきているようです。豊かで立派な屋久島のスギを材木として使おうという動きは１６世紀頃からあって、最近では江戸時代のころ島津藩が藩財政のために、これらを伐採して江戸に送って稼ごうとしてました。ところが中には平木に加工し辛い木もあって、それは伐採されずに放置されました。木として素性のいいものは切り倒され、ダメなものは生き残る。何やらそんな話を聞くと、ダメ人間としては、もうちょっと頑張ってみようかという気持ちが湧いてまいりました。

■ライギョダマシ

10 Dec 2002 07:33:42 師走になってますます忙しい今日このごろ。 気晴らしに浮世離れした世界を勉強しようと、南極海に棲むお魚たちのことを調べていたら、こんな名前の魚のことが紹介されておりました。まずもって、世界中には３万種類もの魚がいるそうですが、厳しい生活環境となる南極海にいるのは、その中で、わずか２００種のみ。そのうち底棲のノトセニア類というのが、大半を占めているそうです。 そのなかに、この「ライギョダマシ」がおります。妙な名前でカワイソウですが、ハタとシーバスを足して二で割ったような容姿、なかなかどうしてカッコ良い魚です。しかもサイズは南極海に多い小魚的ではなく、全長は大きいので何と２ｍにもなります。 変わっているのが、この魚は中層でイカ等を漁っているにも拘わらず、ウキブクロがないことです。これはもともとは底棲ノトセニア類の一員だったことを示しております。調べてみると皮下脂肪がかなり多いことがわかりました。この結果、比重を小さくすることで、中層をテリトリーにすることが出来るそうです。餌の豊富な中層をテリトリーにすることと、この魚の立派なサイズとは無縁ではないでしょう。 極寒の海で生きのびるだけでなく、巨大に成長しているライギョダマシ。ほかの底棲ノトセニア群が、ハゼやキスに似た小魚ばかりであることを考えると、やっぱり厳しい環境下で大きくなるためには「自ら変わっていかねば伸びていかない」ということを示唆しているような気がしてなりません。

■ニューギニア展

9 Dec 2002 08:03:43 今日は多摩丘陵のはずれも雪景色。そんなわけで暑い国の話題でも取り上げましょう。 このところ多忙が続き、しかも頭が痛く熱っぽい。さすがに竿を出す元気も出ないので、週末に昼飯がてら、フラフラと近所の緑地にある岡本太郎氏の美術館に行ってきました。いま特別企画展でニューギニアの特集がおこなわれていたからです。 ニューギニアなるものが、どんなところか分からないままに館内を覗いてみましたが、けっこうスゴイという第一印象。縄文的な迫力の溢れる木工品や、祭りに使用する異様な仮面や不可思議な太鼓などをみていると、どこかに岡本太郎氏の作品にみられる「魂の叫び」のようなものを感じることが出来ました。おそらく、それが「ニューギニア展」なるものをここで開催した理由だったのかと理解しました。 面白かったのは、小生のお気に入り「水木しげる」さんのコーナーがあったことです。戦時中、ニューギニアで生きるか死ぬかの体験した水木さん。そんな心境で垣間見た、大自然のなかの精霊や妖怪たちとの出会い、これが同氏のさまざまな妖怪奇譚に繋がっていることが分かりました。ニューギニア・ジャングルの神々と我がニッポン八百万の神々、ともに自然と人との接点に浮かび上がった、ひとつの心象風景なのでしょう。

■進化論

7 Dec 2002 08:50:27 土曜日にも拘わらず、シクシクお仕事、というデュークです。土曜ということで思いだしましたが、この総デフレの世の中で、こともあろうに、しゃあしゃあと値上げをしようと企んでいる会社があります。それは景気低迷の主因の一つでもある、我がニッポンの某Ｕ銀行さまです。今までは土曜にＡＴＭを利用した場合、午後二時までは引き出し無料だったのが、これからは１０５円も取られることになるといいます。 その言い訳がすごいのは「ＡＴＭ管理はコストがかさむので、預金者にも負担を求めざるを得ない」というもの。一方では銀行員の給料を高止まりさせておいて、自らの経営失敗の所産である不良債券を国民に負担させようという事実があります。これだけでもムカツクのに加え今回の話。 腹立ちついでに言えば、以前も日和見ノートに取り上げましたが、時間外の１０５円というのもそもそも暴利（計算すれば分かりますが、短期間で数万の引出しだと、悪名高い消費者金融より高金利！）だと思っています。大した仕事（高利回り預金商品開発）もできないくせに、顧客を大事に思わない体質は、荒療治無しには改まりそうにありません。プンプン。 この業界は、経済原則からみても、どこか根本的におかしいと思うのは小生だけでしょうか？まあ、こんなにヌクい姿勢で銀行経営を続けていっても、垣根の無くなっている世界金融戦争には、まずもって勝ち目はありません。やはり、時宜にあった「淘汰」を断行しないと、我がニッポンはいつの日か経済生態系の「絶滅種」になることは避けられないでしょう。

■ＵＡやばし

6 Dec 2002 08:01:55 今日は羽田から配信。ということでヒコーキの話題にしましょう。 いつも云っている話ですが、小生はいちおうユナイテッド航空マイラーの端くれです。今年のＧＷのシンガポール行でガバッと使ってしまったのですが、国内線やハワイ行(ＡＮＡですが…)でシコシコ溜まったのに加えて、マイレージ加算型のクレジットカードにしたものだから、いつの間にか結構なポイントになってしまいました。 さて、どう使おうかと考えていたら、前から危惧していたとおり、連邦破産法Ｃ(チャプター)１１の適用になりそうな按配に、とうとうなってしまったようです。これは債務保証を政府が拒否したことによるものですが、さすがに市場原理を知り尽くしている米国政府、どっかの国のように破綻済み金融期間に税金を脳天気に放り込むようなアホはしません。企業経営の原則は「自分のことは自分で守る」という、小学生でも分かることにあります。ＵＡがいま示しているリストラ策が、組合の抵抗にあって甘くなっている点をよく見てます。まあ、米国のＣ１１は、雲行きが怪しくなると、手っ取り早くリストラにかかれるので、どの会社もわりと簡単にこれを使ってしまうので、日本でいう悲壮感漂う「破産」とは意味合いが、若干異なるところもあるのですが…。 とはいえ、マイル使用や加算の条件が悪化する可能性も無きにしもあらずなので、個人的には「自分のマイルは自分で守るべし」精神で、早めにマイルを使ってしまおうかという気になってきました。ただ、悪いことに、いまや職場が変わって超多忙状態。肝心の旅行日程が、まともに組めそうにありません(T_T) 年明け、フラリと香港にでも中華料理を食べに行っちゃおうか思案中です。

■沓稲荷

5 Dec 2002 08:05:03 ＨＰでも以前取り上げましたが、宿河原堰そばの川崎側の河原にお稲荷さんがあります。正式には「舟島稲荷」と呼ばれているのですが、沓（くつ）稲荷とも呼ばれています。 どうやら、その昔、いまの対岸狛江市に猿田彦という道祖神を祀っていたのが起源のようですが、この付近を開拓した農民が治水興農の氏神として、これを祀りました。道祖神は道を守る神様、それた転じて足を守る神様とされた道祖神と、農業を守る稲荷信仰とが集合されたケースとして民俗学的にも興味深い事例です。 このお稲荷さんが沓（くつ）稲荷と呼ばれるわけは、むかし鷹狩にきた殿様の愛馬が具合が悪くなり、これを地元の馬の医者（伯楽）が治して、たいそう名をあげたそうです。その馬医はたいそう信心深い人で、京都の伏見稲荷には繁く参詣していましたので、それを分霊してここに祀ったそうです。そして、そのときに馬学の発展と馬の健脚を祈念して馬の藁沓（わらぐつ）を奉納しました。 村の人たちは願い事があると、拝殿に吊るしてある藁沓を一つ持ち帰り、願いがかなえられると、お礼に新しい藁沓を倍にして返すのが習わしとなったようです。いまでもその名残で草鞋が懸かっております。 また沓稲荷は百日咳除けの神様としても崇められており、この病が流行しても、ここの藁沓を家の出入り口に掛けておくと、百日咳にはかからなかったそうです。民間信仰の面白さは、このように折々に新たな伝承が加えられて、オリジナルから厚みが増していくことが上げられます。 場所柄、小生も魚釣りの帰りがてらに参詣することがありましたが、近年とみに足腰が弱ってきているので、これはもう少し熱心にお参りすることにしないとマズイようです。

■リンク集

4 Dec 2002 12:47:55 今日は展示会で幕張に出掛けています。あいにくの雨模様ですが、ほんとうは岸壁でミオ筋の落ちハゼ釣りをのんびりと半日してみたいもんだと内心思っておりますが…。 さて、先日ようやく時間が出来たので、拙ＨＰのリンク集の更新をおこないました。相互リンクしているサイトマスターから「閉鎖するのでリンク抹消よろしく願います」という連絡が入ったためです。そこで、リンク集に載っている他のサイトもチェックしたのですが、リンク切れもあったり、ＵＲＬを連絡なしに変更してしまったもの、あるいはＢＢＳだけ活動（放置？）しているだけのもの。それもサイトマスターがレスやページ更新を入れていないので、ぜんぜん荒れ果てているもの、などが散見されました。かっては賑わっていたサイトでも、今やその面影がまるで見られないものもありました。 やはりＨＰの更新作業はけっこう大変なので、志し半ばで力尽きてしまうサイトマスターも多いようですが、こういうのを見ると、とても寂しくなってしまいます。せめて放置する前に閉鎖をすべきだと感じました。いっぽう、昔から相も変わらずギンギンに頑張ってるサイトもあって、これにはやはり元気づけられました。小生はいまのところ無事にシコシコ続けておりますが、まあ細く長く気負わずにこれからもやっていきたいと思います。

■ブナ林

3 Dec 2002 08:16:26 先日、千葉にある実家の落ち葉掃除に行ってきました、親父が生前、庭いじりを好んでいたので、いまでもカキやカエデの木が庭中に点在しているのですが、その落ち葉の量たるやうんざりしてしまいました。日もささず寒い一日だったのですが、終ったときには汗びっしょり。ごみ袋に落ち葉を入れながら「生態系的にはそのままの方が良いのだよ〜」などと嘯いておりました。 そこで思いだしたのがブナ林のことです。ややこしいのは、ブナ科の多くは常緑樹なのですが、そのなかのブナ属（日本ではブナとイヌブナ）は温帯性の落葉広葉樹です。そして「ブナ林」というのは、ブナとイヌブナを主体として構成された落葉広葉樹の原生林の呼称です。これらの木々で覆われている山々の林床には、枯れ葉がうず高く積もっているのですが、冬の間これらはじっくりと分解を進め、肥沃な土壌層をつくる一方、冬越しの虫や種子たちの温床にもなることはご存知の通りです。 そして重要なのは、厚いところでは３０センチにもなる落ち葉（腐食層）は保水力が抜群な点です。これらが雨水を溜める「森のダム」のような存在にもなります。河川への土壌の流入を防ぎ、コンスタントに水を供給することで、河川の水量が安定し、水質も濾過の結果、レベルの高いものになります。ブナ林が河川のエナジーの源泉になっているとも云えるのです。このエナジーが源流から河口まで多くの魚を育んできたのです。 かっての林野庁は、カネになるスギやヒノキにばかり目がくらみ、この「森と川の守り神：ブナ林」を次々と切り倒してきました。ブナ林はその寿命を全うするまで２００年とも３００年ともかかると云います。経済効率しか考えなかった役所にとっては、これらブナ林は不要の長物だったわけです。 スローライフというものが、ここにきてようやく評価され始めましたが、ながい年月をかけて生成され、そしてゆっくりと多くの命を育んできたブナ林に、その本質を見るような気がしてなりません。この世界で、時間が最も貴重なものであるならば、ながい時間をかけないと得られないものこそ価値がある、ということをブナ林への思いのなかで感じました。

■ＴＦＲ

2 Dec 2002 07:07:27 はやくも師走、あっという間です。先週金曜は、仕事で千葉の奥地に（竿ももたず）出かけて参りました。そこで食べた海の幸は絶品でしたが、寒さのためか風邪をひいてしまい、冴えない週末を過ごすことになりました。 そんなわけで今週は房総の話題から始めましょう。小生、千葉県で若年世代を過ごしたことで、房総半島（房州と云ったほうが通）にはその昔から深いシンパシーがありました。とはいえ産業という側面では、その袋小路な地勢的側面から、漁業や観光を除いてはほとんど見るべきものが育ちませんでした。 そのようななか、館山市郊外に拠点を構えた「ＴＦＲワールド産業」というロッドメーカーが存在していたことは、子供ごころにも多いに驚かされたわけです。この会社の作る竿は野暮ったく、商品名もたしか××２号とか云う感じで、あんまり素人には受けそうもないものでしたが、磯竿中心に一部の玄人には絶大な信頼をもたれていたことを、当時の釣り雑誌からは伺い知ることが出来ました。場所柄、フィールドテストは目と鼻の先ですので、それなりにこなされた商品を開発することが出来たのでしょう。当時の同社のカタログには、布良鼻（南房総の突端）で朝日を背にして、イシダイをかけてファイトしている写真が表紙を飾っておりました。この姿にあこがれたものです。 小生が大学生になるころ、おそらく７０年代の末期ですが、この会社はつぶれました。平砂浦や洲の崎近辺への釣行の際、廃墟になった建物の前をクルマで通りすぎたとき、とても悲しい思いがしたものです。当時は高度成長期、いいモノを作る会社がつぶれて、見かけ倒しの商品を作る会社が成長している時代でもありました。おそらく、そんな風潮にたまらない思いをしたのでしょう。

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