Hiyorimi-Note

■接待ゴルフ

31 Mar 2003 07:13:37
職場が変わって、お客様とのつきあいで、ここ数年逃げていたゴルフをとうとうやる羽目になってしまいました。最近はソフトスパイク着用必須とかで、仕方なしに先日安物を探しにゴルフショップへ行きました。米国やドイツに居たときは、魚釣りを中断していたこともあり、他にやることもなかったので結構ゴルフをしておりましたが、日本に帰ってからは足が遠のいてしまいました。
そもそも海外ではゴルフ場は遠くて自宅から３０分。しかもグリーンフィーは安い、さらに混んでいない、などなど、余りにも日本の実状とかけ離れているので、アホらしいと、日本ではゴルフはやらない宣言をしてしまいました。

そののち魚釣りを再開したこともあって、休日はゴルフどころではなくなってしまいました。朝早く出て、高速を飛ばし、あるいはフェリーにまで乗って、遙か彼方のゴルフ場。行ったら行ったで順番待ちやせかされたりで、なかなかマイペースにはなりません。しかも昼飯は高い（米国ではホットドッグ、ドイツでは焼きソーセージなどで簡単に済ませてしまいます）。そんなわけで一回のゴルフで二万～三万円は吹っ飛びます。
好きならば良いのでしょうが、あれだけやっても１００を滅多に切れない小生としては、投資対効果がほとんどない道楽だと思っています。とはいえ、いくら魚釣りが好きでも、接待の魚釣りは勘弁だと思っておりますので、簡単に云えば小生は基本的には週末の「仕事」が嫌いなのでしょう。

■年度末に思う

29 Mar 2003 07:19:06
なかには十二月期決算の会社もありますが、一般的な会計年度はなぜか三月期。期末に向けて世間もいろいろ慌ただしさを増しているような感じです。この時期になると、やたらに道路工事が始まっていて、深夜タクシーなどで帰宅するときもエライ目に遭います。工事現場というと、ちょっと前までは出稼ぎ外国人の姿が目立ちましたが、気のせいか最近は日本人が増えたような感じ、しかも女性もちらほら見うけられます。
これだけでなく、いろいろなところで働く女性の姿を見かけることが増えました。バスの運転士、新幹線の車掌、ビル窓の清掃など、以前なら考えられなかった職場で、女性の活躍が始まったのは良いことだけれど、おそらくは、その陰でうざいオヤジどもはリストラされているのでしょう。それを思うと手放しでは喜べません。
新聞記事では企業のリストラは一巡、とか出ておりましたが、乗り換えに使っている新宿駅付近でもホームレスの数がますます増えてきた感じ。国の調査によれば全国のホームレスは、前回調査から５％増えて二万五千人（うち東京都は六千三百）になった、とかいう記事が出ておりましたが、新宿駅の定点観測の印象では、どうもそんなもんでは無さそうです。春分を過ぎて、これからさらに陽が伸びることになりますが、なかなか世間の暗闇は減りそうにありません。

■景気と釣り

28 Mar 2003 10:47:33
家の周りでもサクラがほころび始めました。季節は何があっても回ってきますが、景気となるそうは行きません。まだまだ暖かくなるとは感じられませんね。
さて今日のテーマ「景気と釣り」。このまるで相関のなさそうな二者のあいだには、何らかの関数が介在しているのでしょうか？

先日、マルタのスピナーのストックが切れたので、新宿のＪ屋に行ったら二フロアあるうち、ルアーフライフロアが閉店しておりました。ルアーブームが去って、それまでのバブルに浮かれていた釣り具業界は青色吐息。リョービやマミヤＯＰの撤退など、サプライサイドの淘汰や、釣り雑誌関係の整理が進んできたのは周知の通りですが、小売のＪ屋だけは元気な存在だったと思っていましたので意外です。
おしなべて、不景気になるとどの業界もマイナス影響を被ります。不景気になれば収入は減りますので、誰しも使い方を考えるためです。支払いに見合う対価が期待できないとなると、人々の財布の紐は締まります。。
でも、不景気の影響が、比較的少ないようなところも少なからずあります。パチンコなどは先ずそうかも知れません。あるいは確率は低いものの、宝くじやギャンブルに人気が集まるのは、人は誰しも程度の差こそあれ「身勝手に解釈する」ものですから、対価への期待が膨らむからです。
そんな見方で云うと、魚釣りというのは一体どんなポジションをもっているのでしょう。対価＝釣果というような単純なものだけではなく、「自然のなかでの安らぎ」とか「狩猟本能の達成」あるいは「創意工夫の達成感」などが複雑にかみ合って対価というものが形成されているはずです。
ここで肝心なことは「支払いを渋っても、言いかえれば大きな投資をしなくても、これらの対価は工夫次第で、かなり得ることが出来る」と云うことです。例えば、カーボンの竿や品質の高いリールは、丁寧に使えば先ずもって壊れません。使うのはハリやライン、あるいはエサなどの消耗品と、交通費ぐらいでしょう。入漁料やボート代などがかかるケースもありますが、これもまたゴルフなどとは比較になりません。

つまり少ない支払いで、それなりの対価が期待出来るのが「魚釣り」ということになりますので、長引く不景気でも、魚釣りそのものは廃れず、それなりに消耗品や船宿、ボート屋などは、そこそこ賑わうのでしょうが、必ずしも更新が逼迫していないツール関係（釣り道具）には、かなり影響は出ているはずです。出店戦略で売上げを拡大してきたＪ屋も、そろそろ息切れしてきたのかも知れません。景気との相関という視点でみると、釣り具には強い相関があり、釣行頻度では相関が弱いということが云えるのではないでしょうか？

■引掛け釣りに思う

27 Mar 2003 06:48:01
最近、多摩川中流でホットなお魚はマルタウグイ君。ウグイの仲間で降海型の魚です。かての多摩川にたくさん居た魚ですが、近年の水質汚染でほとんど居なくなっってしまいました。そこから関係者の努力によって、いまや大量の自然繁殖をするようになった、多摩川再生の代名詞のような魚です。今の時期は産卵ということで、中流域の瀬尻にそれこそ団子のようになって寄せてきます。
大きいのでは６０センチ越えるものもあって、細仕掛けで狙えば釣趣は最高なのですが、コイ科だけあって雑食性。根っからのフィッシュイーターではありませんので、ルアーへの追いはかなり気まぐれです。いろいろ聞いていくと、比較的フライへの反応がいいようですが、それでもポツリポツリという感じ。大群を目の前にしてなかなかストレスも溜まることになりますが、そこはゲーム、やはりいろいろ工夫をして喰わせるという手間暇が大事だと思っております。
ところが、業を煮やして、御法度の釣法を始めてしまう輩が、やはり多摩川にも散見されるようです。それは「引掛け釣り」です。「掛け釣り」とか「ギャング釣り」などとも呼ばれておりますが、群の中にイカリ針や鮎のスレ針などの付いた仕掛けを通して魚を引掛けて釣る？というやり方です。大きめのマルタ君たちがかたまっているところへこれをやれば、阿呆でも引掛けることが出来ます。マルタ君達は眼やヒレ、あるいは腹などを、あわれ引掛けられてしまいます。
百歩下がって、漁やあるいは少量食べるためにこれをやるのは見逃すとしても、だいたいの引掛け釣師は、ポンポンと放しているようです。魚を食べるためでもなく、引掛けだけを楽しむという神経が分かりません。
まあ、釣りを野蛮な行為だと思っている人からすれば、口に掛ければ善人で、腹に掛ければ悪党という区分も甚だ自己中心的な発想だよ、と言われてしまいそうですが、やはり魚釣りはゲームである以上は、ある一定のルールがあるべきだと感じております。如何に騙して釣りあげるかという、一般的には超セコイと思われるアプローチが、やはりどんなスタイルの魚釣りでも原則なのでしょう。そういう視点から云えばやはり引掛けは認めるわけにはいかないですね。
そもそも多摩川では管理漁協によって引掛け釣りは禁止されておりますので、この時期、漁協はキチンと見張ってもらいたいものです。さらに云えば、代表的な産卵場の中心はロープを張って保護するぐらいのことはしても良いのかも知れません。

■春の雨

26 Mar 2003 07:14:49
昨日は雨雲と一緒に関西から帰ってきました。ウィスキー水割り缶を開けつつ、車窓からぼんやり眺めて、「やはり日本の風景には雨が似合うのう」などと、俄詩人になったつもりで一人ごちておりました。
四季の境目ということで、年中降っているような雨のなかでも、「春雨」というのは、釣り人にとっては、ひときわ意味深いものがあるようです。川の増水でコイやフナの乗っ込みが始まるし、この時期はウキゴリやマルタウグイの遡上が促されるからです。一雨ごとに川に生気を与えるような役割を「春雨」は果たしているのでしょう。

ところで、関西では中国の人と会ったのですが、あちらではこの時期、黄砂の嵐がすごいのでイヤだとか。さらに黄砂は風に乗って日本まで飛ばされてくるというわけですが、一説によると、これが春雨の核になっているようなケースも多々あるとか。そうしてみると黄砂というのも、あながち迷惑者ばかりではないようです。

■水産県長野Ⅱ

25 Mar 2003 06:31:08
今日はいつもの関西行脚、天気は悪いですね。
さて今日は昨日の続き、長野県の話です。内陸にも拘わらず、長野県の水産高はなかなか立派なのですが、すごいのは土地の特性を生かして、コイとニジマス、双方の養殖を上手にやっていることです。

これはおそらく内陸県特有の、魚類に対するハングリー精神抜きには語れない話です。今では冷凍技術、輸送の発展によりハンディはなくなりましたが、かって内陸地方に住む人々にとっては、干物や塩漬けでない新鮮な魚というのは貴重な資源でした。
コイは丈夫な魚ですが、ニジマスはそうはいきません。ニジマスが日本に移植されてから試行錯誤の連続。ようやっと各地で養殖することが出来るようになりました。いまでは沖縄県を除くすべての都道府県でニジマスの養殖をしているそうですが、それでもダントツの三本指は長野、静岡、山梨の三県だそうです。
確かにその気になれば、摂氏２５度までの水で、ニジマスを飼育することが出来ますが、適温はやはり１３～１８度近辺です、しかもポイントは水温、水量。これが安定していることが質のいい魚を育てるために必要な条件です。
これも条件面ではバッチリでした。安曇野の中心を流れる犀川は大きな川ではなく、この盆地の水資源は三千メートル級の北アルプスの山々から下ってくる湧水に支えられております。その量は膨大でしかも水温が低いので養鱒には最適、一年を通じて１０～１２度に安定しているのです。養鱒業が栄えるにはれっきとした理由があったわけです。

■水産県長野Ⅰ

24 Mar 2003 07:07:33
明日、関西に行ってその足で、久々に関空から東南アジア行脚をしようと思っておりましたが、イラクの一件でしばし延期と云うことにしました。空港検査が厳しくなるのでうっとおしいのと、勤め先からも海外渡航自粛要請が出ているためです。しかも怪しい肺炎が流行っているとかいう噂もあって、心身共にひ弱(笑)な小生としてはビビルことしかり。当面は大人しくしていましょう。

さて今日明日は長野県のお話です。一般的には「水産県」というと、北海道や長崎などを想像してしまいますが、意外にも内陸県の長野も水産では頑張っているようです。ネタは佐久盆地のコイと安曇野盆地のニジマスです。
佐久は海抜６００ｍにある普通の盆地ですが、中央を流れる千曲川の豊富な水のため、昔から稲作が盛んでした。いまや佐久と云えばコイ、これもこの稲田を利用した養鯉が始まりです。最近になってまた「コイ農法」などが流行りだしているようですが、ここ佐久では、その昔は稲作とコイは切っても切り離せない存在だったようです。

千曲川の水は豊富ではあるのですが、寒暖の差が激しい内陸部、夏は２７度位にまで上がってしまう反面、冬は零度までにもなると云った具合で、生活環境的にはなかなか厳しい。こういうところでは、水温に対して適応範囲が広いコイがやはり一番です。さらに養鯉がブレイクするきっかけとなったのが、明治政府の産業振興策の一つ「製糸業」がこの地で盛んになったことです。この結果、サナギが大量に産出されて、これがまたコイの飼料として大いに活用されたわけです。そんなわけで、この佐久の地の養鯉業は地理的にも適合しているうえ、歴史的にも長～いバックボーンに支えられていることが分かります。

■鶯

22 Mar 2003 08:15:33
先日、多摩川に出かけたときに、茂みの中から見事なウグイスの鳴き声が聞こえました。まだまだ朝晩は寒さは残っておりますが、このような瞬間、ほんわかと春の暖かさを感じてしまいます。
里山ならばいざ知らず、多摩川河原のようなプレッシャーのある場所でも、ウグイスがいることは驚きです。捨て猫や野良犬、はたまたタヌキなどウグイスを狙う悪党は大勢いるにも拘わらず、頑張って生きているのは見事です。残飯が多いので、おそらく餌（昆虫）は豊富にあるのでしょう。そういえばカワセミやセキレイも多摩川に来れば見ることが出来ます。
小生は、専ら水の中の生き物ばかり関心を持っておりますが、どうしてこうして、多摩川というのは、実に多くの生き物を囲い込む大きな懐をもっているのでしょう。

■コイ料理

21 Mar 2003 10:02:17
残念なことに、とうとう対イラク戦が始まってしまいました。こうなると出来るだけ早期の決着を望みたいものです。
さて、このように緊迫した情勢ですが、このページでは今日も脳天気に料理の話題をしたいと思います。コイというのが日本を代表する淡水魚であること周知のことですが、こと料理となりますと風向きが悪そうです。たとえば築地市場には、毎年一万トンぐらいのコイが入荷するらしいですが、そのうち日本料理用として流れていくのは僅か一割、ほとんどは中華料理店におろされていくそうです。
確かに、よほどの通でもない限り、コイ料理を食べた経験のある人はいないでしょう。コイコク、洗い、肝などが代表的なコイ料理となりますが、いずれも鮮度が重要になります。コイはしぶとく丈夫ですが、一旦昇天してしまうと鮮度の低下は激しいのが難点です。そのためにコイ料理屋では生け簀を設けて、調理直前まで生かしておくことが必要です。コイ料理をちゃんと食べさせてくれる川魚料理屋が、産地のそばや、地下水の豊富な川べりにある理由の一つがそれですが、逆にローカルにとどまってしまう理由にもなってしまいます。こんなわけで、まあ、いつまでたってもコイ料理というのは普及はしないでしょう。

■花暦

20 Mar 2003 06:16:16
関西から配信します。
もう既にサクラが咲いていた昨年ほどではないにせよ、近年サクラの開花日は早まっているようで、気象庁のソメイヨシノの開花予想では、今年、都心の桜は平年より二日早く、二十六日に開花するようです。今ではこんなフレーズを云う人はなくなりましたが、昔ではよく「花暦は釣り暦」とか呼ばれていたようです。
まあ、年によってバラツキが出るのを「花暦」で補正をするということでしょうが、個人的にはそれだけではなさそうな気も致します。花は日照と気温が主な変動要因になりますが、魚の場合は降水(雪)量、汽水魚や遡上魚の場合、さらには河口部沿岸の水温（→エルニーニョや黒潮ルートなどに左右）などの要素が複雑に絡むと思います。
そんなわけで、必ずしも植物の動きだけでは、魚の動向はつかみ切ることが出来ないでしょう。そこから云うと今春はどうか？ということが当面の関心事になるわけですが、個人的にはどうも動きが遅いような気がしてなりません。あくまで多摩川でのケースですが、川面や河原の空気からは、まだまだ春という感じは掴めません。昨年のこの時期はコイのじゃれ合い（産卵）も始まりかけていたのですが、今年はまだ気配なし。風物詩であるマルタ君のライズも見つけることが出来ませんでした。

■妾料理

19 Mar 2003 06:41:56
今日も地方行脚、九州からの配信です。
ウナギの蒲焼は日本人には好まれますが、少し裏技でタウナギ料理というのがあります。鰭もないので見た目はヘビですが、れっきとした魚類です。近いところでは、上野の不忍池などにも生息しているようですが、西日本や九州などの水田に分布している純淡水魚です。どうも本家は中国揚子江流域のようです。
ウナギほど脂がのっておらず、肉質も硬いので、台湾などでは家畜の飼料にしてしまうそうですが、中国では古来精力剤として親しまれてきました。唐揚げや吸い物にして食べるそうで、疲労回復や増血などに麻薬的特効があるとか。初夏の時期のタウナギは朝鮮人参よりゲンキもりもり、古い書にはタウナギを喰らってゲンキになって活躍出世したとか云う話がいくつも取り上げられております。
こんな食材ですので、中国ではお妾さんが旦那様にこっそり食べさせたそうで、「妾料理」とか呼ばれているそうです。

■学習室付き空港

18 Mar 2003 07:32:46
ようやく落ち着いてまいりましたが、ここ一月ほど地方都市に出張してホテルに泊まると、朝食の時にレストランに行くと、何やらピリピリした空気が…。その方向を見てみると受験生とその母親、という光景が結構みられたものです。
でも、お隣の韓国などは日本以上に「お受験」フィーバーが凄いそうです。これは東南アジアの国々でも似たような感じ、シンガポールでもそうなのですが、国の広さから見ても住宅事情もあまり広くありません。しかも暑いので、涼しいところでゆったり勉強したいと考えるのは日本と一緒。意外や意外、受験生に人気のスポットが有名なチャンギ空港のラウンジ。市内から近いうえ２４時間開いておりますし、しかも冷房はガンガン効いております。
受験生が集まってくるのもまあ仕方がないでしょう。面白いのが空港側の対応で、排除するどころか、受験生のための勉強エリアを作ってしまいました。シンガポールというと規則だらけの国のような気もしていたのですが、こんな柔軟な対応を見せているところに、この国の面白さを感じてしまうのです。シンガポールに出かけたときは、ちょっと覗いてみたいエリアです。

■海水魚カダヤシ

17 Mar 2003 07:18:23
グッピーの類は塩水耐性があることは知っておりましたが、その昔、高度成長期のまっただなか面白い事件がありました。なんと竹芝桟橋から品川埠頭にかけて、おびただしいカダヤシが群を作って海面を泳いでいたそうで、昨今のボラ君同様にちょっとした騒ぎになったことがありました。タモですくうと三十分ほどでバケツ一杯捕れたそうです。
ボラ君はいちおう汽水魚ですが、カダヤシ君は分類上は淡水魚ですから、なおさら驚きです。当時の湾岸はゴミや大量に浮遊していて、一面メタンガスのような悪臭が立っていたそうですから、おそらくは虫が大量に発生していたのでしょう。それを狙ってカダヤシ君がはるばる海までやってきたものでしょう。
そもそも明治時代日本領だった台湾で、マラリアが大流行したので、その対策として政府がハワイから緊急移入したのが、その始まりだそうです。国内では、いまや日本産メダカを駆逐する悪役として、バスやギルとともに肩身が狭いカダヤシですが、世界的には各地に移植されて、ボウフラ退治の切り札としてけっこう評価は高い魚のようです。

■ＸＰ機

15 Mar 2003 14:18:53
能力がないのか要領が悪いのか、仕事を山盛り抱えて今日も会社です。後半も楽になりそうな気配はないので、これでは下手をすると三月は釣行ゼロの可能性も出てまいりました。それはさておき、ふとした拍子でパソコンを購入する羽目になってしまいました。
たまたま中古パソコンのネット通販ＨＰを見ていたら、お買い得の目玉商品なるものが、そこでポンと更新されたために「これは得だな～」とかクリックしているうちに、ついつい手が最終の購入確認まで進んでしまい、これを外すともう出ないだろうなという気持ちになって「つい」購入することにしてしまいました。(^_^;
ＸＰ機で９５０ＭＨｚ、１５"ＴＦＴ、ＲＷ／ＤＶＤという仕様なので、小生的にはちょっとハイスペックすぎるのですが、価格がまあまあだったので即決してしまいました。やはりネット通販は気楽に購入してしまうので、高額商品はやはり気をつけないといけませんね。こんなの買って何につかうんじゃ？という感じで、やや反省している状況です。
それが昨日到着して早速セットアップ、いつものオールドリブレットに比べれば、当たり前ですがメチャ快適ではあります。ただ、やはりブロードバンドを入れないと、これでは宝の持ち腐れのような気がしてまいりました。でも、朝早く出て、夜遅く帰る小生の生活パターンでは、一体どこまで常接のメリットを受けるのかはややギモンです。

■帰化型ニジマス君

14 Mar 2003 07:02:20
最近、家の近所（川崎市麻生区）にニジマス釣り場が出来ると聞いてビックリしましたが、考えてみれば手賀沼や大磯ロングビーチにもニジマスの釣り堀がありました。マス類の中でも比較的頑丈なので、冷たい地下水が使われていると関東の平野部でも、暑い時期を除けばまあ飼育は可能なようです。
そう云えばこれも外来魚の走りで、時の内務大臣、大久保利通氏の了解を得て１３０年ほど前に米国から卵を輸入したのが始まりです。たしかニジマスの卵一万粒と鯉８８匹の交換だったとか。始めての孵化はなんと四谷の井戸水だったといいますので、意外なところで巣立ったものです。
その後は苦戦続きで、なかなか上手くいかなかったのですが、大正を経て昭和になって、ようやく日本なりの養殖方法を確立することができました。いまでは釣り堀などで「クソマス」呼ばわりされて、不当に蔑まされている感のあるニジマス君ですが、その始まりは苦闘の連続だったようです。それを思うと、もう少し敬意をもって接しなくてはなりません。

■ウィルスチェックサービス

13 Mar 2003 07:02:19
最近は以前のように、ウィルスメールが一日何十通も飛んでくるようなことはなくなりましたが、それでも平均すると一週間に十通ぐらいやってきます。
ウィルス対策ソフトを入れているので、それなりに「退治」はしているのですが、一点困ることがあります。サブと云うより、いまやメインマシンになった感のあるシグマリオンのＯＳはウィンドウズＣＥ。これはマイナーＯＳゆえに、巷のウィルスには全く感染しないのですが、なぜかウィルス付メールを受信するときには、桁違いにダウンロードが遅くなってしまうのです。下手をすると一通２～３分もかかってしまいます。
これが、例えば地下鉄の駅に停車しているときにメール受信や送信（さきに受信をしないと送信できない仕組みにしてあるため）しようとしているときに飛び込んできた場合は大変、列車は走り出し、通信は断線して「ソケット受信エラー」となってしまい、その後のアクションが中断されてしまいます。せっかく軽快なシグマリを使っているのに、そんなときはイヤなものです。
そんなわけで、「受信する前に駆除すべし」ということで、プロバイダーのウィルスチェックサービスを申請することに致しました。どこのプロバイダも似たようなサービスを始めておりますが、小生のメインプロバイダはＤＴＩ、比較的信頼がおけるプロバイダですが、その分料金は業界平均よりやや高めの月２５０円。ウィルスバスターの継続サポート料（３１５０円）と同等です。
これが高いかどうかは人によって評価の分かれるところですが、ウィルス対策ソフトというのは、駆除は自分のＰＣで行うということで「水際作戦」的処方。うっとおしいウィルスメールはなるべく離れたポイントでブロックしたいというのが、偽らざる心境なので、ＰＤＡのもつ軽快性を失わないようにする意味でも、個人的にはウィルスチェックサービスというのは悪くないもんだと思っております。

■野ウサギ

12 Mar 2003 07:04:11
ドイツに住んでいた頃、春を告げるメッセージの一つに「野ウサギ」がありました。仕事場の話ですが、小生のデスクの窓の下の話、寒いドイツの冬の間はモグラのように地面に穴を掘って寝ているのですが、その季節になるといずこともなく一匹また一匹と姿を見かけるようになります。しかも可愛らしいベビーと一緒です。
人口２０万強の中都市でもこのような光景が日常見られたのですが、日本に帰ってからは、そのようなことは遥か彼方の田舎にでも行かなければならないと思っておりました。
ところが、東京の近郊でも野ウサギが見かけられる場所が、意外にも近所にありました。多摩丘陵のはずれ（某所）ではまだ野ウサギの姿が確認されるようです。そろそろ暖かくなってくる時期なので、久しぶりに双眼鏡片手に里山ウォークをしてみるのも悪くないなと思っております。
そう云えば、もっと近所の多摩川河川敷や中州にも、僅かながらウサギ君が居るという情報はあるようですが、どうやらこれは逃げたペットが野生化したもののようです(笑)。

■ウキゴリ

11 Mar 2003 06:47:34
皇居のお堀で陸封されていたウキゴリの記事をみて、ウキゴリの生態をしばしおさらいしてみました。代表的な雑っ魚の一つではあるのですが、意外にもローカル魚ではありません。アムール川流域からサハリン、沿海州そして中国や朝鮮半島にも広く分布しているようで、けっこうな勢力です。もちろん、ちっぽけな日本列島では、北は北海道から南は奄美大島まで股に掛けて存在感をアピールして（してないか？）おります。
そんな「エライ」ウキゴリ君ですが、ウキゴリ属にはイサザや、ビリンゴ、ジュズカケハゼなどなど仲間が一杯いるのですが、ここはあくまで本家？ウキゴリ君の話に絞って話を進めたいと思います。スミウキゴリは非常に似ておりますが、第一背鰭の後端に黒色斑がない点で判別できます。さて本家のウキゴリ君ですが、生育環境によって「汽水型」「中流型」「淡水型」に分けることが出来るようです。汽水型は汽水の混ざっているエリアにいるウキゴリ、中流型は汽水域に近い下流域を住処としているタイプです。これらはスミウキゴリの生活圏とほぼ一緒です。そしてまったく同じタイプで純淡水域に生活しているウキゴリもあるようです。琵琶湖などにいるウキゴリがそれです。もともとウキゴリは海洋起源の種（ハゼ亜目）に属しているわけで、そういう点では汽水型のウキゴリがもっとも大きくなっても良さそうなはずなのに、なぜかサイズは純淡水型のほうが一般的には大きいようです。また中流型と淡水型というのは生活域がオーバーラップしているにも拘わらず、大きなフリクション（交雑）はないようす。よくよく調べてみると、中流型は明るい瀬周り、淡水型は淵周りという具合になっているようです。これも、神の見えざる手によって「すみわけ」が自然と行われているということでしょうか。
面白いのは、汽水→中流→淡水という分化ではではどうもないということのようです。大陸系のウキゴリがすべて「汽水型」「淡水型」のいずれかになっているという点から、「中流型」というのが日本特有で、しかも最も新たに分化した種であるという研究仮説が発表されております。
進化論的には、ウキゴリにとって最も生活しづらい中流域に分化したのは、止む無い選択で、おそらくは汽水域や淡水域の環境（競合や汚染など？）からの解脱組が築いた結果なのかも知れません。百年後「上流型ウキゴリ」が出現せざるを得ないような環境を、次の世代に与えたくはないものです。

■吉牛の謎

10 Mar 2003 06:47:47
週末は久しぶりに土日と休むことが出来ました。不思議なもので二日間の休みもけっこう長いと感じてしまうほどでした。慣れというのは怖いものです。
ただし活性はいまいち。天気は晴れでしたが、ひどい強風で花粉の嵐です。そんなわけで、とても釣り場に行けるような状態ではありませんでした。しばし憂鬱な季節が続きそうです。
さて、今日は久々にＢ級グルメの話です。海外にいたときに、日本に帰ってきたときに一番食べたかったのが「牛丼」と「札幌ラーメン」でした。なぜか夜中お腹が減ってホテルを抜け出して食べに行った吉野屋の牛丼は、そのまえに接待で使った有名店の懐石料理などより、はるかに五臓六腑にしみわたったと記憶しております（情けない話ですが…）。
その後帰任してからは、しばらく食べることもありませんでしたが、昨今のデフレ価格になってからちょくちょく食べる機会が増えたような感じです。一つ不思議なのはメニューにない「ねぎ抜き」とか「ツユだく」とか妙な仕様を頼む人が増えたこと。小生も試しに注文してみましたが、ネギのない牛丼とか、汁でご飯がビチャビチャな牛丼は、どうにもパンチが入りません。やはりオリジナルのレシピが一番いいと思うのですが、どんなもんでしょう。
もう一つの不思議は並盛だけ価格を下げているのに、大盛や特盛は前と変わっていないようです。そのため並と大盛りでは１６０円もの価格差になっています。これではふつうのお客様は先ずもって大盛や特盛を頼みません。客単価を少しでも上げるためには、やはり大盛や特盛の価格を見直すことが必要と思われます。デュークによるＢ級ファーストフード評論でした。

■科学する教育とは

8 Mar 2003 08:20:07
最近やたらに雨が降って寒い思いをしてイヤになりますが、見方を変えれば、雨による増水で河底の石を洗うので、これからのマルタ遡上のことを思いますと、これはやはり必要条件なんだなと感じております。
さて、今日はサケの遡上の話です。かねがね、多摩川でのサケ稚魚放流行為は噴飯ものだと思っていましたが、先日の新聞になんと隅田川でもこれをやっているという記事を読んでビックリしました。
児童中心に進めているので、これを教育の一環だと考えている大人たちがまだ居るのでしょう。統計的に云うと、自然界の標準偏差から大きく外れた数個体を期待しての行動、とも受け取れますが、こうなると科学ではなく一種の投機的行為に当たるのでしょう。今回放流された五千匹の稚魚の９９．９％は討ち死ということを、これらの放流行為の際にキチンと表明しておくことが大人たちの務めではないでしょうか。
そう云えば、先日近所の青少年科学館で、親子でやる理科の実験なるものをしましたが、先生曰く「昨今は理科の授業が減ったり、理科の専門教師がいなかったりで、アルコールランプやロートなど実験器具をキチンと扱える小学生が減った」と嘆いておりました。もしかすると「科学」などという言葉も、下手をすると死語化し始めているのかも知れません。

■渋谷川導水

7 Mar 2003 08:00:34
余った地下水の導水が都会の水生態系蘇生の鍵だなんてことを書いたら、営団地下鉄はトンネル内でわき出る地下水を渋谷川に導水することを決めたという記事が、さっそく紙面を飾っておりました。暗渠部分を除くと、渋谷駅から明治通り添いを流れて、麻布十番から芝浦に注いでいる渋谷川（古川）。いまや三面護岸のさえない下水ですが、明治の中ごろまでは、渋谷川を挟んだ台地の斜面のいたるところから泉がわきだしており、清流となっていて魚釣りも盛んだったそうです。土地の古老の話では、コイ、フナ、ウナギ、イナ、ドジョウ、アユ、オイカワ、ナマズ、ギバチ、クチボソ、ハヤ、カワハゼ、メダカなどなど。なんとマスやヤマメまで捕れたそうです。（拙ＨＰガイアご参照）
今ではそんな面影は微塵もありません。とくに水量が殆どないので、中流部（天現寺付近）から上は生き物が居そうな感じはありません。そこに、あの立会川の十分の一ぐらいの流量ですが、きれいな地下水がうわっと流入し始めるので、生態系的には何かの変化が起こりそうな予感がしてワクワクしてしまいます。
工事費は一億円ぐらいかかるそうですが、営団側にとっても下水道料金数千万円が免除されるのでメリットは大きいようです。聞くところによれば、営団の地下トンネルから出てくる地下水は年間２４０万立米と云いますから、まあ大したものです。
渋谷川以外にも対象を広げたいという意向もあるようなので、都心の川を少しでもきれいにしたいと思っている小生にとっては、とてもとても嬉しい話です。

■在来種のサンクチュアリ

6 Mar 2003 10:25:07
今日は千葉です。まったく目が回ります(笑)。
先日の紙面に皇居のお堀（牛ケ淵）のかい堀り騒ぎが載っておりました。これは云うまでもなく、ギルやバスなどの外来種駆除を徹底するために行われたものですが、意に反して「成果」は少なかったようです。テキもさるものです。
警備の目も年中光っているうえ、畏れ多い皇居の堀にすら違法放流する輩が居るのですから、いまや日本には在来種が過ごせる湖沼は、ほとんど無くなってしまったのでしょう。水底からは自転車、扇風機、掃除機、古タイヤなどなど不法廃棄したに違いない雑物がわんさと出てきたそうです。都会の真ん中でこれらの投棄は目立つのに、いったい警察はなにを見ているんでしょう。
何とか生き延びていた在来種は四種。ウキゴリ、ヌマチチブ、モツゴ、テナガエビだそうです。モツゴはともかく他の三種は陸封されたものでしょうが、いったい何時からかということを考えると興味津々です。考えてみれば皇居近辺ほど都心で昔からの生態系が継承されてきた場所はありません。
四十年まえまでは淀橋浄水場の余剰水をいれていたのですが、いまでは雨水以外の水源＝流入河川はありません。とはいえ、都会の場合はそれが奏功しているようで、汚れてはいるものの、それなりに生き物が残っているのでしょう。とはいえ雨水しかないので、夏になるとアオコが発生してけっこう臭くなります。浄化施設はあるものの水が少なければ効果は半減です。
聞くところによると、工業のドーナツ化で都区内の地下水位は上がってきているとか。いっそのこと立会川方式で地下水導水を考えてみるのも面白いでしょう。もっとも立会川に引いている水は、やや塩分が濃いのでお堀には不適合のようですが…。それに、お堀がボラだらけになっても困ります(笑)。そんなわけで、都会の真ん中のサンクチュアリをいつまでも持続させるためには、外来魚の徹底駆除と並行して、利用されていない良質の地下水源を見つけることが急務だと思います。

■カワハギ

5 Mar 2003 06:41:22
今日は関西から配信です。
地方行脚も、あまりに多いのは勘弁ですが、都会に比べて美味い食い物に出会う確率が高いのは嬉しいことです。先日は九州にある、魚がうまいと評判の某有名料理屋に行きました。今の時期、この手の店では「ふぐ料理」というのが定番ですが、小生はあんまり好きではないので「カワハギ」料理を頼みました。刺身、キモ、そして唐揚げという形で、余すことなく味わえるのがカワハギ料理のメリットですが、出てきた魚の顔をみてビックリ。なんとウマヅラでした。
まあ、一般客にとってはどうでもいい話なのでこうやっているのでしょうが、カワハギ＝ウマヅラと詐称して出しているのは、小生的にはどうにも我慢がなりません。これでも一流店というのだろうか？深いギモンを感じてしまった小生です。
まあ、弁護して云うと、ウマヅラの身はカワハギとかなり近いですし、キモはむしろカワハギより大きくて見栄えがします。とはいえ、味わいという意味では、やはりウマヅラはカワハギではありません。

■春の嵐に思う

4 Mar 2003 18:09:47
今日は朝からドタバタと忙しく、メールチェックも日和見ノート送信もできませんでした。新幹線に乗ってようやく落ち着きました～。
ところで昨日はすごい風でしたね。昨日は千葉の片田舎へ出張しましたが、例によってシウマイ弁当をかき込みながら（そう云えば今日もこれだ）、特急の窓から見える千葉港の様子は内湾とは思えぬほど荒れてました。「こういう日は港内にシーバスが入ってくんだよね～」とか疼きましたが、残念ながらタックルがありません。おもうに時合というのは、休日など人間の都合には合わせてはくれません。これからは出張の時には、いつもパックロッドを持参しようかと考えたほどです。
これから、五月くらいまでは南西の強風が吹きます。そうなると湾内はおろか、河川内にもかなりのうねりと濁りが入ってまいります。強風下でシーバスを狙うにはポイントを選ばなくてはなりませんが、釣果データを紐解いてみると、小生のつたない経験では苦労するだけの価値はあるようです。
例えば関西に出張して東京まで戻るときには、途中にはかなり垂涎ものの河川があります。これからの時期、時合を見計らって、ふらりと途中下車してみるのも悪い考えではありません。

■鳩もカラス化？

3 Mar 2003 04:10:15
大都市の厄介者の一つにカラスがあります。人が出す残飯を糧にして、その勢力範囲をバンバン広げている訳ですが、そのあおりを受けているのが寺や公園にいたドバトたちです。鳩は一般的には平和のシンボルということで、表立っては厄介者扱いはされておりませんが、一部では糞害などで困っているケースも多いようです。
とくにドバトのような家禽に近い生活環境をもつ場合、人のすぐ傍らにすり寄ってくるのは、一つには餌をねだるという目的がありますが、それだけではなく天敵から身を守るために、人のそばに、それもなるべく近く居ることが重要になってきます。
寺の境内にいる鳩に餌をやります。人がいるうちはカラス軍団は遠まきにして様子をうかがっておりますが、人が離れると途端に降りてきて鳩を追い払い、その餌を横取りします。鳩たちにとっては、人が近くにいることが、安寧な生活をするために不可欠な条件だと云うことが、このケースからも一端を示すことが出来ます。
云うまでもなく、都会のドバトには白い鳩、薄黒い鳩、まだら模様の鳩、全身黒い鳩などいろいろなタイプがおります。ところが最近「東京の鳩は黒いのが増えてきた」と云う話が紹介され始めております。しかも、それは都内のカラスの急増とリンクしているというからただ事ではありません。つまり、白っぽい鳩は目立つので、幼鳥のころカラスに襲われやすく、それらの個体の多くがやられてしまい、結果として黒い鳩だけが目立つようになってくるというロジックです。
誰しも大して気にもとめないような事柄ですが、都会の生態系の変化は否応なく進んでいることが、これからも分かるというわけです。

■のらぼう菜

1 Mar 2003 08:21:33
土曜というのに最近はほとんど出勤。さすがにばてて参りました。
さて今日はローカルの話題です。川崎というと工業地帯のイメージが強いのですが、市の北部は多摩丘陵に囲まれた形で、小規模ながらも農業がまだまだ残っております。梨や柿が有名ですが、郷土野菜でも名物を作ろうと動き出しました。多摩区菅地区で明治から栽培している「のらぼう菜」がそれです。妙な名前は「野良生え（のらばえ）」から来ているという話ですが、味はクセがなく、甘みがあります。もともとはあきる野市（東京都）の特産らしいですが、川崎市でも地場野菜として、一部の地元民には親しまれておりました。どんな料理にも使えるうえ、ビタミンＣや食物繊維を豊富に含んでいて、植付けから収穫までが寒期（２～４月）のために農薬は使いません。まさに健康食材だといえるでしょう。しかも、歴史を紐解くと江戸時代の天明・天保の大飢饉を救ったということが云われております。
このところの産地偽装騒ぎで、野菜への不安がとりただされておりますので、なおさら、このような超ローカル野菜に人気が集まるのかも知れません。市場のグローバル化の動きに反して、ニッチ・ローカルの逆襲が始まろうとしております。

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