Hiyorimi-Note

■江戸の魚屋

30 Apr 2003 17:02:17
昨日はＧＷということで、雑踏にまみれていたら季節はずれの風邪をひいてしまい、今日は一日寝込んでました。やはり人混みは苦手です。

さて今日の話題は魚の取引の話。日本人の魚好きは昔から変わらず、二大都市だった大坂でも江戸でも、魚市場は賑わいを見せておりました。面白いのは、流通が遅く、冷凍技術もなかった時代のことですので、近海ものが鮮度も味も良し、ということでもてはやされました。大坂では堺で揚がるもの、江戸では三浦三崎や金沢で水揚げされるものが高値で取り引きされて、小田原や房州ものはランクが下だったようです。
いまでは湾岸部の汚染で、近海ものよりむしろ遠洋のマグロが高級魚になってしまいました。システム的に立派なのは宅配というか、お得意や街中を呼びかけながら売り歩いたので、買う方にとっては便利だったかも知れません。それぞれ扱う魚種が決まっていたようで、たとえば隅田川筋では白魚売りなどが居て、他にはむき身（貝）売り、牡蛎売り、しじみ売りなどに分かれていたようです。それぞれが仕入れのネットワークを持っていたのでしょう。ネタを細分化することで、エンドユーザーまでいち早くデリバリー出来るうえ、それぞれの嗜好から得意絞り込みも容易にできたはずです。江戸風ＣＲＭが確立していたのかも知れません。
面白いところではナマコ売り、あるいはコイ売りなどもおりました。コイは淡水魚なので、絞めた魚を箱や魚籠に入れるのではなく、二つの桶に活けて担いで売り歩いたようです。笑うのは「鯉や～こいこい」とか叫んで売り歩いていたそうです。

■ままかり

29 Apr 2003 07:52:09
先週、岡山に出張した折に空港で買ったのが、これの酢漬け。無添加と値段の安さで手を出したのですが、名前の由来が楽しいことも一つありました。曰く「この魚をおかずにして食べると、おひつがすぐ底をつき、隣の家に飯（ママ）を借りに行くほど美味しい」と。
そんなネーミングなので本名はあるはずと調べたら、なんと「サッパ」ということでした。関東に住むものとしては、あんまり上等な魚でもないし、肉も薄く小骨も多いので食べ難いし、という先入観がむくむくと湧いてきたので、そのまま冷蔵庫に放っておきました。ところが、週末になって、サッカーＴＶ観戦時の必携品ビールのつまみがないという事態になって、「そういえば土産があったはず」と、このままかりを出してきて肴に食べたところ「うっ、旨いな～」ということになりました。
肉身も厚くて小骨も気にならず、アッという間に無くなってしまいました。ままかりならぬ、ビールのおかわり（家の前にある酒屋に追加調達に出向いた）が入ったことは云うまでもありません(^_^;
サッパというには体高も低く（腹部をワタごとカットしていることもありますが…）、身も厚いと云うことで、同じ魚でも住むところで大分食味が変わるもんだな～と、妙に感心してしまいました。

■食パン釣法

28 Apr 2003 06:45:45
出張先で、時間待ちをしているときに入った駅の書店で、探していた「大ゴイ倶楽部」を見つけて立ち読みしました。（中身からみて￥１７００はかなり高価と判断？）
鯉釣り名人、山田さん（故人）にまつわる回想を読むことが趣旨でしたが、この号ではワームや食パンでの釣法が紹介されていましたので、そちらにも目が行ってしまいました。前者はともかく、食パン釣法は小生の魚釣りスタイルの原点にもなるものです。ここで紹介しているのは、通常のストロングスタイル（ブッコミ）に、餌だけ団子ではなく食パンのを使うというもの。ジャミの多い場所やスレた釣り場では非常に効果がある、という内容でした。これについては異論はないのですが、ひとつ気に入らないのは、記事のなかに流し釣りに対するステロタイプ的な偏見（一時、流行ったが、小物しか掛からず廃れてしまった釣法）が描かれていた点でした。
たしかにコイの食性というのは、水底の泥を一緒に藻類や環虫類を採るというのが基本原則です。でも、雑食性のコイというのは、そのときの環境に呼応して、非常に多様な食性を見せるものです。そして、いろいろな角度からアプローチが出来るから、コイ釣りの面白さが増すのでしょう。ＴＰＯをキチンと考えれば、パン餌の流し釣りというのは、非常に効果的（短時間で大型を引き出せる）で、やりとりが楽しい釣りが出来る釣法だと思っております。まあ、かかる偏見を打ち砕くには、やはり小生が大物を釣っていくことが、何より必要とされているのかも知れません(笑)。

■カワウ

26 Apr 2003 11:20:08
早いところでは、今日からＧＷ突入という人もいるかも知れません。連休中、川や海辺に出かける方は少なくないと思いますが、くれぐれも注意して楽しんで下さい。

さて多摩川中流では、天敵ユリカモメの出立とともに、目立ってきたのはカワウの姿です。カワウは用心深いので、パン餌を奪い取るようなことはありませんが、小生の嫌いな『ＹＫＫ』軍団のなかで、河川生態系への影響という点ではワースト鳥です。
ユリカモメやカラスはゴミを漁るだけですが、多摩川に住む魚たちへの実質的な被害という点では、カワウだけが害鳥です。相模川あるいは荒川・中川に比べて大集団が少ないという感じでしたが、今年はどうもそうではなさそう。数十羽から百羽近いカワウ軍団が、トロ場を中心に跋扈？しております。
海浜部の餌が増える夏場にかけて、河川域から沿岸部に移動するという話も聞きますが、こと多摩川に関しては、そんな気配は感じられません。むしろ、稚アユの遡上期を迎えて、これからますます増えるのではないかと心配しております。カワウは一日当たり３００～５００ｇの川魚を食べるそうですので、一羽当たり稚アユ換算で３０匹以上です。大集団にもなればその脅威はすさまじいものがあります。ちっぽけな河原の野池などは逃げ場もなく、そこに住む雑っ魚はひとたまりもないでしょう。
カワウは集団で繁殖場所やねぐらを作りますが、川崎では等々力緑地、鶴見川河口、浅野運河などが、その代表的なものです。カラスの食害は排出ゴミ管理で、対応策は考えられますが、カワウの場合はまさか河川にネットを張り巡らすことも出来ません。やはり「駆除」という方法しか手がないのが、このカワウ対策の難しいところです。
その経済性から稚アユが問題視されておりますが、狙われるのはオイカワや小ブナ、ウグイも一緒。川のなかはバスやギル、頭上からはカワウということで小魚たちは休まるところがありません。シビアなカワウ対策が望まれるところです。

■去りゆく天敵

25 Apr 2003 06:41:08
今日は関西から配信します。
多摩川や鶴見川汽水域で、晩秋から春にかけてコイのパン餌流し釣りをする身にとって、最大の敵は「ミヤコドリ」、即ちにっくきユリカモメです。いくら追い払っても、流れゆくパンをちゃっかり奪っていくので、この軍団がくるとしばらくは釣りになりません。シロガラスと呼んでも差し支えないでしょう。姿が見えなくても油断はなりません。中島みゆき風に、ツバメならぬ「カモメよ～高い空から～」という感じで、あんなちっこいパン屑をめざとく見つけてユンカースのように急降下。あらま～という感じで、成すすべもなく仕掛けが空に飛んでいきます。その殆どは違和感を感じるのか、手放して（足？）しまいますが、なかには阿呆なやつもいて、がっちりフッキングしてしまいます。こうなると双方悲劇です。
そんな天敵も、これから五月になると、繁殖地カムチャッカへの旅立ちということで、次第に数が減ってきます。ホッとする反面、秋にまた相まみえるときを期して、何とはなしに「頑張って行って来いよ」と、ついつい仏心をだして長旅の無事を祈ってしまいます。

■色彩感覚

24 Apr 2003 07:44:13
先月はイラク、今月はＳＡＲＳで、いずれの東南アジア出張も取りやめになりました。個人的には、これ以上出張が増えては勘弁、というタッチでもあったのでホッとしておりますが、ＳＡＲＳの方は拡大する一方で、一体どうなるのか心配です。日本もこれから湿度温度ともに上がる季節に突入します。香港や東南アジアの一部と似たような環境になるので、これはかなりマズイと感じているのですが…。

さて今日は「色」のお話です。先日、ＬＥＤを売っている人と話をしたのですが、携帯電話機のボタンの後ろにある「バックライト」のことで面白いことを教えてもらいました。ほとんどの日本のケータイやピッチのバックライトはグリーン。日本人は淡いグリーンに清涼感を感じるためでしょう。一方、韓国ではグリーン系は売れず、青色のバックライトのタイプが大もてだそうです。また最近急速に拡大している中国のケータイやピッチでも、どうもこの傾向、８～９割が青色系。青色は高級な色、いい色の代表だということですが、この点では韓国と中国とは色彩感覚が似ているようです。日本では真っ青な青色はあんまり多く使われません。日本人は車でもそんな感じです。最近は少し変わってきたという話もありますが、日本では原色系はあんまり好まれず淡色系が好かれます。何でも呑み込んでしまう日本人の柔軟さや、妙なファジーさから見ても、まあこの色彩傾向は何となく分かってしまいます。そうなると日和見主義を標榜する小生も、おそらくはネイティブ日本人の端くれなのでしょう。

■河川美化月間

23 Apr 2003 07:44:40
聞くところによれば、今月は河川美化月間だということです。年がら年中、都市河川のゴミは減らないので、何で四月が、という気もしないではありませんが、これから暖かくなって、河原に出向く人が増えることで、少しは綺麗にしましょうということかも知れません。

先日、河原をブラブラ散歩いたしましたが、綺麗な花がポツリポツリと咲いているなか、捨てられたバイクやチャリンコが横たわっていました。非常にアンバランスな光景なのですが、都市河川ではごく日常的なことなのでしょう。個人的な印象では、目につくのは川の上流から流されてきたゴミというよりも、そこでポイと捨てられたゴミという感じなので、やはりその地区その地区のレベルを映しているような気もします。（あくまで傾向論ですが…）
河川美化のための活動をすること自体は立派なことですが、ときとして掃除している人と、地域と遊離しているケースもあるのではないのでしょうか？たとえば何かのイベントで、鶴見川や相模川のゴミを拾いながら感じたことは「僕がここより先にやるべき川はあるんじゃないか」と云う素直な気持ちでした。やはりジモティが率先してやらねばならないわけで、他から来たボランティア団体がいくら清掃行為をやっても、流域の人の意識が変わらなければ、おそらくは早晩、元の黙阿弥になるでしょう。多摩川流域に住む者の一人として、多摩川から恩恵を受けている一人として、もう少しこの川に対してのオブリゲーションを自ら課せなければいけない、と感じている今日この頃です。

■穂先

22 Apr 2003 06:50:25
釣りの本などを開くと、よく書いてあるのが「穂先の柔らかい竿は食い込みが良い」とかいうこと。本当にこれは普遍的な条件なのでしょうか？
確かに大はイシダイ釣り、小はハゼの脈釣りなどを想定した場合、穂先が硬いと良くないと思います。活き餌でもない限り、釣りのエサというのは、たいがい動かないものなのですが、野生の環境のなかでは、程度の差こそあれ、動かぬ餌に対しては、どの魚も慎重になるようです。釣りの対象となるほどまでに成長する間に、いろいろな「学習」をしてきたためです。動かぬ餌に対しては、先ずは端をくわえたり、なめたりして、餌の様子を確かめる行動をおこします。

こんな慎重なアプローチでも、餌の端を少しくわえたときに、それが「ぐん」と逃げるような仕草をすると、逃がしまいと反射的にあわててのみ込んだりするものです。この餌が逃げる仕草がポイントです。これは云うまでもなく「穂先の弾力」で行うものです。穂先が硬いとチョイとくわえたときに違和感を感じてしまうし、弾性で餌が逃げるような仕草を演出することが出来ません。おそらくは、そんなことから穂先は柔らかい方がベターというようなことになったのでしょう。

云いたいことは、実はここからです。穂先の柔らかさを必要とする釣りは、上の例のように一部に限られております。なんでもかんでも穂先の柔らかさを竿に求めてはおりません。むしろ糸絡みや手返しのよさを勘案すると、多少穂先は硬めの方が扱いやすいです。浮木釣りの場合は、餌が逃げる役目を浮木が演出しますので、妙な穂先の柔らかさは意味がありません。また、ルアーのような動く（逃げていく）餌については、採餌について魚は大胆になります。むしろ、第一撃でしっかりとフックアップ出来るような粘り（張り）のある穂先が重要です。そんなことから、穂先については脈釣りやブッコミ釣り以外では、むしろ硬めのほうがいいと感じております。肝心なのは対象魚の引きに対して、程良い粘りをもった胴というのが、良い竿には不可欠な要素ではないかと感じております。

■水は繋がっている

21 Apr 2003 07:05:02
こんなことを感じた理由は、埼玉の中川中流に出現したアザラシの話からです。まあ、この時期に、本来の生活圏ではない東京湾内に、アゴヒゲアザラシが何匹も舞い込むことはちょっと考え難いので、おそらくは帷子川のタマちゃんの可能性が大きいです。
多摩川→鶴見川→大岡川→帷子川と行き来したタマちゃん。東京湾内は時計回りに水が回っていると聞きますので、一気に７時から１時ぐらいにまで針が進んだということでしょうか？あらためて海と川はひとつに繋がっているんだな～と思ってしまいました。
未確認ですが、このまえに隅田川や荒川（しかも戸田付近！）で姿を見たとかいう目撃情報もあったようで、そこからいくと中川出現がそんなに妙な話ではありません。それにしても何でまた、海の動物が越谷や草加くんだりまで遡上するのでしょう？もしかしたら水温の関係かも知れません。確かに上流のほうが今は水温が低いですからね。まあ帷子川よりは水質やベイト環境は良好と思われますが、心配なのは竿を何本もたてているコイ釣師が多いこと、吸い込みバリに引掛けられないように祈るばかりです。

■タイムイズＨＰ

19 Apr 2003 04:42:25
よる年波とは言いませんが、仕事柄、毎週毎週あちこちに飛び回っていると、家に帰ってパソコンを開く元気もなくなってしまいます。えらいことに、疲れが溜まって、最近では土日もその傾向が出てまいりました。拙ＨＰでも特集テーマを掘り下げてＵＰしようという思いは強くありますが、時間的＆体力的な制約で、いまは日和見ノート、釣行記そしてアクアＢＯＸぐらいしか更新作業が出来ない状態。やや、この点は不満が溜まっております。
ウェブは人によっていろいろ使い方の重点が異なるわけで、ショッピング、メール、チャット、音楽、情報収集など様々です。小生的には、おそらくは「情報発信」ツールとしてのウェブということになるのかも知れません。ウェブではＲＯＭなどと呼ばれている人たちが居る一方、対極にジャンク情報も含めてやたらに情報発信ばかりしている人もおります。まあ、小生などはその端くれなのでしょう。
帰ってからは冒頭に取り上げたような状況ですので、空いている時間というのは、殆どが移動時間です。この間を利用して発信情報の収集、整理をしているのが実状ですので、言うなれば『タイムイズＨＰ』ということになります。そこで、小生にとっては無くてはならないモバイルツールが「シグマリ」というわけです。今日もまた日本のどこかで、シコシコとちっこいキーボードを叩いているデュークです。

■ライン

18 Apr 2003 08:14:19
今日は静岡行脚、目の前に大海原を見ながら仕事とは、ちょっと精神衛生上はよくないですね(笑)。
さて今日は釣り糸の話。小生は、あんまりラインには頓着していないのですが、幾度かやられた（ラインを切られた）ときのことは、古いことでも不思議と頭に残っております。きっと深層心理では地団駄ふんで悔しがっているのでしょう。
結論から云えば「ラインは新しければブランド差には問題はない」と信じております。設定値としてラインの選択を誤ってブレイクしてしまったことは一度もありません。やられたのはいずれも古いラインでした。リピートで使うときに『はじめの数メートルを切ってから使う』このことを念頭におけば、おそらく８ＬＢラインでも、小生が狙っている殆どの対象魚（～８０cmのＳＢ、～９０cmのコイ）は、多少の釣り場の条件に左右されるものの、基本的にはゲット可能だと思っております。
しかも、小生の釣法はストロングスタイルではなく、ローテンションで次第に魚を弱らせて、寄せてくるというものですので、掛かりに潜り込まれないように上手にいなせば、けっこう細いラインでも大物はあげることが出来るはずです。

■金魚と電灯

17 Apr 2003 07:38:29
昨日は、予定より一便早く九州から戻りましたが、お陰様でジーコジャパンの初勝利を祝うことが出来ました。親善試合とは云え、日本代表が勝ったということは、やはり手放しで嬉しいですね。

さて、今日は明るさとお魚の話です。子供の頃は、夜になって寝なければならないたびに「いっそずっと昼間だったらいいのに」とか思ったものです。欧州に住んでいたときは午後１１時近くになっても陽が落ちないので、明日は早く会社にいかねばと床につくと、外でまだ子供たちの遊び声が聞こえてきます。ここでは「暗くなるから早く帰りなさい」などという言葉はほとんど意味がないのです。日照ではなく、時計で日常行動を管理するしかないのでしょう。北欧の人々が物事に正確なのは、こんな生活を小さいときから強いられてきたためだとも思ったりもします。
ところがヒト以外は、残念ながら腕時計を持っている生き物は先ずもっておりません。体内時計も自然のなかでしか正確に働きませんので、ペットや家畜は飼い主の生活パターンに大きく時間観念が左右されてしまいます。ブロイラーの鶏などは悲しいものです。

またペットでも似たようなことがあります。たとえば、四六時中電灯を点けっぱなしで金魚を飼うと、寿命が短いということが分かっております。金魚はまぶたがないので、いつでも起きているように見えますが、これは間違い。どんな魚でも、生き物である限り、適度な睡眠が必要だということは云うまでもありません。
そんなわけで、小生も飼っている雑っ魚には長生きしてもらいたいので、水槽のおいてある部屋は薄暗いのですが、小生は出張や旅行など、長期間外出するときは水槽の灯りは消すことにしています。

■競争心は禁物

16 Apr 2003 07:47:23
今日は九州から配信です。
さて、人の行動にも十分当てはまるのですが、どうも生き物というのは「アイツに負けたくない」という競争心がでてくると、正確な判断が出来なくなってしまうものらしいです。魚の場合は、一匹だけだとなかなかエサに関心を持ってくれない時も、そこに他の魚がやって来たり、群になってしまったときには見境なく、小生のヘボフライにも喰いついてまいります。他の魚がくわえたエサが素晴らしいものに見えるのか、それを追っていく様は、なんとなく他人事ではないような気もします。バーゲン会場に群がるおばさま達にも、まあこのようなイメージをリフレクトしてみるのも面白い感じです。
撒き餌が魚釣りでは効果があるのは、この生き物のもつ「性：さが」を悪用したためでしょう。あんまり競争心が旺盛すぎると、自ら墓穴を掘るということを知っておいて損はありません。

■吸付かせ釣り

15 Apr 2003 07:01:37
水族館に行くと、大きな魚の腹にコバンザメが引っ付いているのを見つけます。じつに気楽そう。「多少のプライドを犠牲にすれば、ああいう生き方も悪くはないもんだ」と妙に感心してしまったりします。
ほんとうかどうか分かりませんが、聞いたところでは南の島にコバンザメを使った魚釣りがあるとかいう話。生きたコバンザメの尻尾に紐をつけておいて、ここぞと思うようなポイントで泳がします。コバンザメ君は「パトロン」を探して、ウミガメや鮫などに貼りつきます。それを感じたら船の上から紐をたぐって大物を引き上げるという、まあプリミティヴというか、実に楽しい釣法です。
実際は結構難しいらしく、いくつかのコツが要るようです。ハリがないが故のフックアウト(？)の心配はご無用。コバンザメの吸盤は前方に引くと簡単に外れるのですが、後ろには強く引いてもなかなか取れません。尻尾に紐をつける理由はそこにもあります。
ただしパトロンは基本的に「大物」ですので、引っ張り合いをしてもコバンザメがちぎれてオシマイ、ということになってしまいますので、暴れさせないように「ローテンション」で、船縁にまで時間をかけて寄せる、それが一番肝心なコツだとか。

■ルート変更

14 Apr 2003 06:52:09
一汗流した後のビールが旨い季節になってきました。
さて、以前ご紹介しましたように、この四月から通勤経路を変えることに致しました。いままでは大深度地下鉄大江戸線を使ってまいりましたが、韓国の事故のように何かあったときに、完璧にお陀仏なので、若干時間が掛かるのですのが、地上の電車で通勤することに致しました。やはり朝は景色が見えた方がいい感じです。
ＪＲでも、会社に行く経路はいろいろあるのですのが、かかる時間は大同小異。考えた末、中央線経由にしました。神田古書街や秋葉原電気街などへのアクセスを考えての選択です。大江戸線に切り替える前に使っていたのは山手線。渋谷や恵比寿、アフター５飲食インフラは充実しているのですが、もうそんな元気はなくなってきましたし(笑)、釣具屋Ｓ水川釣り館で必要なものは、せいぜい半年に一度か二度。ルアーなど消耗品は新宿店でこと足ります。
ただ困ったこともいくつかあります。一つは地下鉄沿線にあった都の図書館に寄り辛くなったこと、もう一つは麻布十番の旨い蕎麦屋に足が遠のきそうな点です。

■カマツカ

12 Apr 2003 10:17:06
この魚は水槽で飼ってみても、いつも水底でじっとしているので、あんまり楽しくはありません。でも不思議なことに、多摩川でガサ入れしたときになど、これが捕れるとちょっと幸せになったりします(笑)。
聞いたところでは、カマツカの習性というのは、砂礫の川底にじっとしていて、流れに沿って、みな上流を見て一列に静止しているようです。ものの本によれば、カマツカ釣りの極意というのがあるそうです。この習性を利用して先頭の一匹を先ず釣ります。そして次もおんなじところに餌を落とします。しばし待っていると二列目のやつが繰り上がってきて、そこでまた釣れます。このようにして静かに一匹一匹ずつ釣れば、効率よく同じ場所で数釣りが出来るそうです。
そう云えば、川底をタモ網でガサ入れすれば、いきなり数匹入るもんだと誰かが言っておりましたが、これもそんなカマツカの整列癖を、図らずも示すものかも知れません。

■流水とポイント

11 Apr 2003 07:51:49
今日も石川に出張ですが、仕事で各地を移動しているときに、橋を渡ったり土手道をタクシーや電車で走るときがあります。因果なもので、そんなときは流れをみながら「ああ、あそこがポイントだな」とか「あそこに釣り座を構えて、こうパンを流せば、あのあたりで食うはず」とか、まあどうしようもないことを考えたりしてますが、実際に釣りをしなくても、こうすることで結構いい気分になります。
ポイントと云えば、先日、多摩川でガサ入れをしたときに改めて感じたのですが、やはり魚というのは流水が好きだと云うこと。流れがあって岸に打ちつけていたり、そこに渦や潮目ができていれば、好んでその付近に魚が集まってくるようです。魚が潜むには絶好のロケーションでも、この水当たりが弱いと、ガサ入れしても何も入りません。
これは流水による酸素供給量の増加、流下してくるエサの問題、潮目や渦に溜まるプランクトンなど、いろいろなメリットが多元的に影響しているのでしょう。
そういえば、奥多摩での経験ですが、ほとんど止水の淵にたむろしているアブラハヤに、好物のカワムシをプレゼンしても全然反応がなかったことがあります。瀬周りでは嫌というほど釣れるのに何故か、とそのときは思いましたが、これもまた流水のマジックなのかも知れません。

■魚の睡眠

10 Apr 2003 07:24:59
蝋人形館ではありませんが、どんな美人でも目を開いて眠っていれば不気味です。そして魚の場合も一部を除いて瞼がありません。そのため、夜は目を開けながら？寝ていることになります。これで厄介なのは、起きているのか眠っているのかが分からないことです。
その昔、よくランプを手にしてカジカやハヤを突く漁があったようですが、一般的には光に敏感な魚でも、照らしてもすぐには逃げません。おそらくは「目を開けて寝ている」ためだと思います。
昼間は瀬に出ている魚でも、夜となると、流れの緩い浅場や淀みに居るのですが、これは採餌していないこと（エサが流れてくる場所でなくてもいい）と、眠っているためだと推測できます。まさかガンガン流れている瀬で眠っていたら、あっという間に下流に流されてしまいますからね。
ここで興味深いのは、どうやら魚にもレム睡眠があるようだということです。ぐうたらな人間どもとは違い、一晩中熟睡することはないようです。深く眠る時間帯は、昼間の疲れがどっと出る夕刻から十時ぐらい。そのあとは浅い眠りになったりするようです。コイの夜釣りで、ほんとの深夜に良く当たるのは、おそらくはそんな理由でしょう。いっぽう、夜行性の魚の場合、昼はやっぱり落ち着かないらしく、眠りは浅いらしいです。やがて暗くなって、それからしばらく活動して、ぐっすり寝るのは、やはり深夜のようです。そういうことならば、夜行性の魚を釣るのは夕刻から十時。考えてみれば当然ですが、この時間は昼行性の魚が熟睡している時間帯。フィッシュイーターにとっては都合もいいのでしょう。あとは汽水域ならば、これに潮回りの時合を加味して釣行プランを作れば万全でしょう。

■Ｊリーグ開幕

9 Apr 2003 07:31:01
いよいよ今年もＪリーグが始まりました。Ｊ１のほうは昨年の覇者であるジュピロが二節を終わって勝ち星がないので、鹿島贔屓としては、なかなか楽しそうな一年になりそうです。今年は水曜の試合がなくなったので、土日の密度が濃く、観戦のチャンスが増えたのは嬉しいことです。今年の注目チームは、何と云っても岡田監督率いる横浜でしょう。中盤で玉回しばかりしているつまらんチームでしたが、今年は縦にガンガン来るので、ほとんど別のチームです。これは見るべしと、先週末はホーム戦を見に行く予定でチケットも持っていたのですが、悪天なので残念ながら観戦は中止しました。
いっぽう早くも四節が終わったＪ２。長丁場とはいえスタートダッシュが肝心なことは云うまでもありません。サポーターの端くれとしては、川崎が二勝二分と実に好調なスタートを切ったのはまずまず。水戸が調子良いのは意外でしたが、新潟、札幌はつまづきました。まず、今年は四節で首位になった広島が独走しそうです。となると残りの昇格イスは一個。いまの予想としては、好調発進の水戸、大宮のほか、怖い新潟が次第に上がってくるでしょう。これに川崎を加えた四チームで、残り一枠の奪取戦をおこなうことになりそうですが、さてどうなるでしょう。

■沖縄の淡水生態系Ⅱ

8 Apr 2003 07:31:54
世界中どこでも居るハゼ。沖縄にもハゼの仲間が一杯いるようです。なかでも一度お目にかかりたいのが「ホシマダラハゼ」というやつ。島国の弱小河川育ちのくせにサイズが半端ではなさそうです。ふつうでも３０センチ以上、大きいのでは４０センチぐらいもあるとか。雑っ魚釣りファンでなくとも、こんなハゼならば是非とも釣ってみたいものです。
そのいっぽう、釣りたくないハゼも沖縄にいます。それは「ツムギハゼ」です。こやつは何とハゼの分際で「毒」をもっているのです。成分はフグ毒に近いもので、やはり食べると命にもかかわるとかいう話。人の悪知恵は懲りないと云うかさすがで、西表島ではこれを水田に放してネズミ退治に活用したそうです。カダヤシ騒ぎとは違い、この効果がスカだったという話は聞いておりません。
沖縄にもヨッシー君（ヨシノボリ）はおります。比較的ローカル性が強いヨシノボリ君。沖縄ではアヤヨシノボリ、キバラヨシノボリ、アオバラヨシノボリなどがローカルブランドですが、ふつうのやつもやっぱり居るようです。まあ、沖縄までガサ網をもって出かけるような余裕は殆どありませんが、あんなところでガサガサすると、きっと楽しいでしょうね。

■沖縄の淡水生態系Ⅰ

7 Apr 2003 07:41:04
人間がセコイためか、ばかでかい海より小生は川が好きです。そして更に云うと、だーれも見向きもしないような「島の河川」などについてはすっごく興味があります。そんなわけで、海で有名な沖縄の河川の生き物のことを調べてみました。
沖縄には三百ぐらいの河川はあるそうですが、島というだけあって、１０ｋｍ以上の川はたった１１しかありません。一番長い川でも２０ｋｍ足らずです。でも、そんな中でもお魚たちは立派に生きているようです。しかも地理的に本土から離れているだけあって、形態的に珍しい種がいるのも沖縄の河川の特徴です。でもそんな珍しい魚は専門家に任せるとして、小生としてはそれ以外の魚たちに興味があります。

たとえば、本土の例に漏れず、沖縄にも多くの「外来魚」が移植されてまいりました。なかでも有名なのは、おなじみカダヤシです。古巣の米国ではタップミノーと云われているカダヤシ君。この和名は、ボウフラを好んで食べてしまうから付けられたようです。
そしてその昔、沖縄本島の南、八重山諸島にはびこったマラリア退治の必殺ウェポンとして取り上げられました。マラリア→蚊が媒体→カダヤシ放流→ボウフラを駆除→蚊が減る→マラリアも減る。という見事な論法でカダヤシ移植が進められました。事実、カダヤシを放った水田ではボウフラの数が、そうでない水田に比べて１／３以下に抑制することが出来ました。
ところが、究極の目的であるマラリア発症の抑制は、カダヤシの移植後も効果はあんまりありませんでした。これはどういうことでしょう。
その後の調査で分かったことは、マラリアの媒体となる蚊は種類が限定されていて、しかももっとも元凶であったのが「ゴガタハマダラカ」だったということでした。ちなみにこの蚊は、カダヤシのいる水田地帯ではなく、谷川の淀みや湧水に発生するタイプの蚊だったわけです。人は時として理路整然と間違える、そんな好例がこの八重山のカダヤシ移植でした。

■カマツカの隊列癖

5 Apr 2003 08:24:16
水槽で飼ってみても、いつも水底でじっとしているので、鑑賞魚としては、あんまり楽しい魚ではありません。それでも不思議なもので、多摩川でガサ入れしたときに、これが捕れるとちょっと嬉しくなったりします(笑)。
魚類の本を読んでみると、カマツカの習性について、砂礫の川底にじっとしていて、流れに沿って、みな上流方向を見て一列に隊列を組んでいる、というようなことが書かれておりました。これは、動きのとろいカマツカの知恵で、上流から運ばれてくる餌を、確率の高いラインを見つけて、そこに縦に陣を作って待ち伏せしている、ということだと察します。
カマツカ釣りの極意は、これを利用して先頭の一匹を先ず釣ります。そして次もおんなじところに餌を落とします。しばし待っていると二列目のやつが繰り上がってきて、そこでまた釣れます。このようにして静かに一匹一匹ずつ釣れば、効率よく同じ場所で数釣りが出来るそうです。
そう云えば、川底をタモ網で引きずると、いきなり数匹入るもんだと誰かが言っておりましたが、これもそんなカマツカの隊列癖を、図らずも示すものかも知れません。

■四月度釣行

4 Apr 2003 07:14:45
新しい年度になりましたので、電車のなかでピカピカのスーツ姿を見ることが増えました。昨今の就職氷河期をくぐり抜けてきたのかと思うと、オジサンとしては、つい「ご苦労さん」とかいう言葉が出かかってしまいます。
釣りではカレンダーイヤーを使っているので、四月になっても感慨は特にないのですが、水温んで対象となる魚が一気に増えてきたので、何を狙おうか、むしろその悩みのほうが大きいです。シーバスも河川内に入り始めます。コイも産卵期にはいり一発大物が狙えます。そして浅場のガサガサもにぎやかになってまいります。
過去三年の四月の釣行回数を紐解いてみますと、２０００年から２００２年まで５回、７回、３回という具合。仕事がたまったりトラブルが続いた昨年を除いて、四月というのは比較的活性が高い月のようです。ところが今年は大変、出張はますます増えてしまい、予定表を見てみると、二日毎にどこかしら出かけるような日程になっている感じ。これでは週末は寝坊必定。はやくも四月釣行は赤信号点滅という感じです。

■川魚料理Ⅱ

3 Apr 2003 07:29:52
さて、昨日に引き続き川魚料理の話題です。世界中に分布している鯉の料理は、ここでも幾度か紹介しております。中華風なあんかけ揚げ物がヨーロッパなどにも普及しているようですが、ここ日本ではやはり洗いと鯉こくでしょう。生命力の権化のような鯉は、滋養に良しと云うことで、産中産後に食したりしてきましたが、昨今は手間暇（意外と小骨が多い）や、鮮度面（調理直前まで生きているものを絞めなければ駄目）などの問題があって、一般的ではなくなってしまいました。スーパーでパックの切り身が魚の食材と思っているような、近頃のニッポンの母親では先ずもって手がでないでしょう。
洗いでは、やはりきれいな流水で育った鯉と、濁った止水で育った鯉とは食感がまるで違うそうですが、渡良瀬で育った鯉の洗いには驚きました。臭みは殆どなく弾力があって、とても美味でした。熱燗をちびちびやっている間に、小生の分まで娘にかなり取られてしまいましたが、先入観のない子供にとっては旨いものはすぐ分かるのでしょう。
そして締めは鯉こくです。鯉こくは実家でもよく作ったので、案配は分かるのですが、やはり料理屋で出るのは味付けが上品でした。もちろん美味しかったし、時節柄、鯉の卵がたっぷりと入っておりました。このところ活性が低下気味の小生にとっては、これは何よりの御馳走でした。

■川魚料理Ⅰ

2 Apr 2003 06:50:49
新年度早々、今日もいつもの関西行脚です。
春になってきたので、そろそろ川魚料理が食べたいと思い、この前の土曜日、茨城県古河にある川魚料理店に行ってきました。いつでもあるウナギ（じつは夏より今の時期のほうが旨いのですが…）では面白くないので、鯉の洗い＋鯰の天ぷら＋鯉こく、というスタイルで食してきました。これだけ川釣りをしているのに、じつは小生、ナマズなるものを未だ食したことがありません。これは大いに楽しみでした。生け簀には６０ＵＰのナマズがうねっておりましたが、出てきた天ぷらは食べやすいサイズに切ってあるので、思ったより小さくて、キアイがそがれてしまいました。まあ、考えてみれば３０～４０センチ長の天ぷらなどは食膳に出すことはないでしょうね。
味は案の定というか、上品で美味。川魚臭さは全くもってありませんし、肉もふくよかで柔らかい。何とも云えぬ旨さでした。館林からもってきたと云ってましたが、これは病みつきになりそうです。姿形が妙な魚は総じて美味しいということが、ここでもまた身をもって理解することが出来ました。

■多摩川にサクラマス出現！

1 Apr 2003 07:20:02
近年、水質浄化が著しい多摩川では、この春からとうとうサクラマスの遡上が確認されました。最下流の防潮堰である調布取水堰（丸子橋）の堰下には、おびただしい数のサクラマスが集結して溜まっており、近隣の人々が大勢見物に来ております。さらに、この客めあてに河原には露店も並び始めております。

本来ならば、魚道に入り、さらに純淡水域へとサクラマスは遡上するのですが、中央部と東京側河岸にしか魚道がないという、調布取水堰の致命的欠陥のため、川崎側の堰下に遡上魚が大量にたまってしまっているのです。この問題は、以前より関係者の間で指摘されており、早急なる魚道の改良を要請しているものですが、管理している都交通局は馬耳東風。
やむなく、対策として、鮎などの経済価値の高い魚の遡上時期には、川崎側に簡易魚道を設置すると云った応急措置を講じているのが現状です。その陰で、マルタウグイやウキゴリ、ヨシノボリなどの経済的な価値の殆どない遡上魚類については、ほとんど討ち死にの状況になっておりました。

今回も簡易型魚道設置を、川崎ならびに多摩川漁協と京浜工事事務所で設置することが討議されはじめしたが大型のサクラマス用には不十分で、あらたに大型の簡易魚道を購入しなければならなくなりましたが、いかんせん予算がありませんし、設置しても抜本的な対策にはなりません。

業をにやした神奈川県知事は都知事に調布取水堰魚道の早期改修を依頼しました。これに対して都知事は「サクラマスが堰の下に溜まっていれば、横浜に行ってしまったタマちゃんもこれを狙って帰ってくるかも知れない」と、これを拒否する方向。思わぬ自治体首長同士の反目にまで発展しそうな雲行きになってまいりました。ここに女性らしく生き物が好きな国交省大臣が割り込み、「そもそも取水場として機能してない調布堰の管理が都交通局というのは合点が行かない、早急に京浜工事事務所の管理監督下に置くように。」となったから大変、国まで巻き込んだサクラマス騒ぎになってしまいました。

サクラマスの遡上の様子を見に来た老人が「魚道工事などより、時代から取り残されたこの堰は無くしてしまったほうがいい。このあたりは川が大きく蛇行していて、洪水になれば堰があるだけ危険が増す。」と話しているのが印象的でした。
小生としては、サクラマスの遡上で、今まで積み残されてきた問題が、公で議論されるようになったことは実に喜ばしいことです。やはり多摩川というのは、汚くても綺麗になっても、多くの人々の関心を呼ぶ存在なのでしょう。

（注：４月１日ということでフィクションです。関係者ご容赦頂き度…）

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